こんにちは! 思えばTDCのライターになってもう1年。デビュー記事がパイナップルケーキ(鳳梨酥)の食べ比べだったのですが、更には1年後に、この記事の第2弾を書けるなんて想像していませんでした。
今回は事前に調べた台北のパイナップルケーキを中心に去年よりしっかり食べ比べをしていきます。
前回の記事はこちら。
福田一方鳳梨酥 (フーディェン イーファン フォンリースー)

できたてを食べられる珍しいお店で、今回台北に着いて初めて食べたパイナップルケーキです。
店からとてもいい焼き菓子の匂いがします!オリジナル(原味)と抹茶、チョコ、クランベリーがありましたが、ここは王道の原味(30元:約150円)を購入。「土鳳梨酥」と書いてあるので、餡はパイナップル100%です。伝統的な製法では、餡に冬瓜が入っているものがあり、現地でも好みが分かれます。
外部では冬瓜入りの方が、甘さがあるという意見が多いですが、私個人的にはパイナップル餡だけの方が、甘味が強いものが多いように思います。

注文すると、奥のオーブンから1つ1つ丁寧に出してくれます。

販売のみのお店なので、近くの公園で食べました。


深夜に台湾に到着し、空港で明け方まで過ごすも持っていた上着だけでは冷房に耐えられずによく眠れず、契約していたesimもなぜかつながらず、問い合わせに時間を要すトラブルもあり結構疲れていましたが、このぬくもりのある一口を食べて「台湾来てよかったぁぁ!」と思いました。
できたてはその場所でないと味わえません。餡は見た目からだとよく煮詰まれた感じ(煮詰めると茶色くなります)ですが、果肉も残っており、口の中でシャリシャリと音がしました。
ちなみに一緒に映っているお茶ですが、台湾では日本の「お~いお茶」くらいメジャーな「茶裏王」というブランドで、今回新商品の「金萱茶(無糖)」が発売していたので買ってみました。
実は自宅に同じお茶の葉があるのですが、ペットボトルでも全く同じ味でした。台湾のペットボトルのお茶のクオリティも高いですね。このケーキは甘いので、無糖のこのお茶がよく合いました。
壱番屋 (いちばんや)

観光中心地の中山(ズォンシャン)・雙連(シュアンリェン)駅から徒歩圏内にあります。
元々はお茶屋ですが、手作りのパイナップルケーキやヌガーなども売っています。日本をよく知る夫妻が創業したそうで、店名も日本語読み、日本語が通じ、日本人にも人気の店です。パイナップルケーキは1種類(45元:約225円)です。こちらもパイナップル餡100%のケーキです。


大きさは他のものと比べると、やや小ぶりです。
こちらは生地に特徴があり、材料に「奶粉(粉ミルク)」が入っています。粉ミルクが生地に入るとすこーしチーズっぽい味も感じます。この生地は粉ミルクの味が個性を出していました。餡は煮詰まった色でねっとりしており、よく噛むと最後の方に果肉が感じられます。どちらかというと餡より生地の味が印象に残りました。
手天品 (ショウティェンピン)

ある日本人ライターが紹介して以降、人気が出て、女性芸能人もよく買いに来る店です。
繁華街ではないですが、少し高級な雑貨やカフェがある永康街(ヨンカンジエ)の住宅街の方にあります。日本人が集まる観光地はほとんど行かない私ですが、材料も無添加でさらにその種類までこだわっているとのことで、興味を持ちました。
パイナップルケーキは全部で3種類ありましたが、原味(40元:約200円)と烏龍茶味(47元;約235円)を買いました。

原味
これはどちらの味もですが、生地が厚めで、今まで食べた中で一番塩気を感じました。
餡は冬瓜入りでしたが、冬瓜の味はあまり感じられず、甘さ控えめです。
繊維っぽさはなく、果肉が柔らかく餡と一体化しています。
烏龍茶味
原味より塩気が強めです。生地に胡桃も入っており、果肉が柔らかい分、食感のよいアクセントになっています。そしてお茶の味がしっかり感じられます。お茶味のお菓子が好きな方には良いと思います!日本では塩バターパン、塩キャラメル味が最近定番化されていると考えると、甘いだけではなく少し塩気もあるこの店のパイナップルケーキは日本人に好まれるのかもしれません。
佳德鳳梨酥 (ジャードゥ フォンリースー)

台湾で老舗の伝統菓子店です。パイナップルケーキはもちろん、月餅や他のお菓子に至るまで様々な種類の中華菓子が買える店です。店内はそれなりに広いですが、平時でも外に行列ができる人気店です。

パイナップルケーキも10種類くらいあり、6個買うと箱に入れられるというので、オリジナル(原味)、卵黄入り、梅、クランベリー、胡桃胚芽、なつめと、6種類(箱入り価格で1つ41元(約205円)も買ってしまいました(笑)

色々食べましたが、パイナップルケーキが食べたかったら、ここでは原味を買うことをお勧めします。なので原味と卵黄入りのみ紹介します。生地は、胡桃胚芽味以外は一緒で、他の店より甘めでした。
原味

蛋黄入り(冬瓜入り)

この店では台湾月餅も購入しました! 以下の記事で紹介しているので、ぜひ読んでみてください。
阿總師 (アーソンスー)

日本語では「パイナップルケーキ」の訳ですが、中国語では「鳳梨餅第一名」という名前で販売されています。
見た目も長細いです。細長い故か生地は厚めです。成分は以下の通りです。シンプルな材料で作られています。なのに90日の賞味期限があるとは驚きです。


食べてみると、生地の甘さは控えめで、餡はきれいな色をしています。

この店は元々タロ芋スィーツが売りのお店です。「芋頭酥(タロ芋ケーキ)」も買いましたが、とてもおいしかったので、行った際にはパイナップルケーキとセットで買うことをお勧めします!

微熱山丘 (ウェイルーサンチウ)

国際名は「サニーヒルズ」で、パイナップルケーキで有名なお店です。
台北101店では10個入りからしか買えないのですが、桃園国際空港では2個入りから買うことができます。10個入り以上のものを買うと特別な布製バッグ付きです。このバッグも人気の一つのようです。10個入りで500元(1つあたり約250円)です。私が買った時は中秋節前だったので特別バージョンでした。

でも私はそれ以上に、同封されていた、この心のこもった丁寧な翻訳とメッセージが印象に残りました。テレビでしか見たことがないですが、これを読むとあの壮大なパイナップル畑が目に浮かびます。

こちらは見た目が長方形です。他のものより少し重さがあり、餡はパイナップル100%です。

生地はしっとりしていて香ばしさがあります。隠し味にチーズ粉や練乳も使用しており凝っています。生地はそんなに厚くなく、餡がたっぷり入り、果肉が大き目に残っていて、食べ応えがあり、これも生地と餡のバランスがとてもよいです。さすが人気店のものだけあります。
別の日に、冷凍して自然解凍させてからトースターで温めて食べたところ、生地の周りがサクッとして、餡もほんのり温かく、また違った味わいで楽しむことができます。
実は日本でも販売されていて、都内の店舗で確認しましたが成分が全く一緒でした。問い合わせたところ、現在は日本も台湾も同じものを販売しているが、時期によりパイナップルの品種を変えているとのことです。このように旬で品種を変える店もあれば、同じ品種にこだわって作っている店もあります。
鳳盒子 (フォンフ―ズ)
台湾の南の都市、台南在住の知り合いが帰国時に買ってきてくれました。台南のパイナップルケーキ専門店は少ないですが、その中でも有名なお店です。

食べてみたら、生地は粉ミルクを使用しており、開けるとまずその匂いがします。餡よりは生地の方が甘い感じがしました。果肉は細長く、繊維もかなり残っていて、口の中でシャリシャリという音が大きめに聞こえました。でもその分食べ応えがありました!
去年も含め多くの種類を食べてきましたが、食べれば食べるほど奥が深いパイナップルケーキ。食べ続けてわかったのは、パイナップルケーキは生地と餡の味のバランスが大事だということです。
以前働いていたコンビニでの話ですが、(レジで注文する)カフェラテをメニューとして出すのに、珈琲と牛乳をたくさんの種類の組み合わせの中から一番バランスの良い組み合わせを選ぶそうです。
パイナップルケーキも同じで、作り手は生地と餡の最高の組み合わせを選んでいると思います。個人の好みもありますが今回私の中では総合的に、冬瓜入りや価格では「佳德鳳梨酥」、目を惹く視点では「阿總師」、手に入りやすく無難に喜ばれるものは「微熱山丘」かなと思いました。
パイナップルケーキはほとんどのものが無添加で、賞味期限も少し長いものも多いので、台湾に行ったら、ぜひいくつか試してみて、自分の好きな味を見つけてみてくださいね。
(aokinapple)
店舗情報
福田一方鳳梨酥

台湾台北市重慶北路二段71-1號
壱番屋

台北市中山區中山北路二段45巷35號3樓
手天品

台北市大安區潮州街188-1號
佳德鳳梨酥

台北市松山區南京東路五段88號
阿總師(台北車站微風專櫃)

台北市中正區北平西路3號1樓(台北站 南一門出口,忠孝西路)
微熱山丘台北101

台北市信義路五段7號B1
鳳盒子
台南市中西區南門路25號
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