今年6月22日は中国の端午節、ちまきの思い出と楽しい体験を紹介

東京ディープチャイナのfacebookグループには、毎日さまざまな投稿が寄せられます。多くの方がご自身の「ガチ中華」話を惜しみなく披露してくださるのは、とてもうれしいですし、これほど楽しい学びの場はないのではといつも思います。

東京ディープチャイナ研究会
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なかでも季節にまつわる行事や食の話題は心温まるものがありますね。最近も、6月22日の中国の端午節と、そのとき食べるちまきに関する投稿が3人の方から届きました。三者三様、面白いです。

そこで、みなさんの投稿を載録して1本の記事にまとめさせていただきました。

最初に投稿してくださったのは、中国蘇州出身の和田 茜さんです。

小豆ちまきと筍入り肉ちまき
小豆ちまきと筍入り肉ちまき

今日は旧暦の5月5日、中国の「端午节」です。

子供の頃、おばあちゃんがよく小豆入りのちまきを作ってたという記憶があります。砂糖を付けて食べるのですが、当時甘い物嫌いな私は苦手でした。

ところが、日本に来てからいつしか甘党になり、最近は特にその小豆入りちまきが食べたくてたまらない‼️ あんこ入りちまきがあっても、何も味しない小豆ちまきはどこにも売ってない……。

今年は知り合いに肉ちまきを注文したとき、ダメ元で聞いてみたら、なんと私のためにわざわざ作ってくださることになりました❣️嬉しすぎる😭

味は何もしないのですが、小豆の香り、つぶつぶ感が最高👍

私を溺愛したおばあちゃんのことを思い出すと、なぜか涙が……。

そうだ、端午节は、故人を偲ぶ日でもありますね🍀

その後、和田さんから追伸が届きました。

小豆ちまきには少量の砂糖をつけて、まずひと口食べてみました。うん、確かにこの味だ。お赤飯に砂糖を振りかけたような、決して美味しいとは言えない味。しかし、脳内に記憶していた懐かしい味と一致しました👍

中国では、ちまきのかたちは地域によってさまざま。江南地方では「小脚粽」つまり「纏足(てんそく)」をした足のかたちのちまきです。

「纏足(てんそく)」をした足のかたち

そういえば、おばあちゃんが作ったのはほとんど「小脚粽」でした。そばにいる私には必ずミニ「五角粽」を作ってくれました。

作ったちまきはだいたい夕食後、練炭ストーブで一晩かけて茹でる。朝、目が覚めると、家中その茹で上がった匂いが充満していたのをまだ鮮明に覚えてます。

最後に豆知識となりますが、端午節にWechatのグループ同士で、“端午快乐”という方を見かけましたが、端午節は神様と先祖を祀る日でもあるため、“端午安康”と挨拶を交わした方がいいですね。

“端午快乐”

和田 茜さんの投稿
https://www.facebook.com/groups/tokyodeepchinasociety/permalink/691866849367031/

日本の端午の節句は中国の端午節が由来といわれています。日本では5月5日に武者人形を飾る「こどもの日」として定着していますが、中国の端午節では旧暦5月5日ということで毎年日が変わります。端午節に行われる風習として、ちまき食以外にもボートレースや厄除けがあるそうです。

SciencePortal China


【13-07】中国と日本の「端午節」
https://spc.jst.go.jp/experiences/change/change_1307.html

次は大阪在住のYuka Joshaさんの投稿です。

朝から知り合いが「今日は端午節です、息子さんはお元気で頑張っておられますか?」と久しぶりに連絡をくれました。息子のことでお世話になった方ですが、節目にご連絡くださる彼女の気持ちに感謝です。

用事があって市内に行ったので、鶴橋の「弄堂」さんで上海ちまきを購入(焼き小籠包ももちろん購入)。

上海ちまき
上海ちまき

ちまきといっても色んな味や具があるようなので、色々食べてみたいです。

ひとまず、健やかな成長を願って🍀

以下はYuka Joshaさんの追伸です。

駅を降りると焼肉の香りが漂う大阪、鶴橋駅。駅からすぐのところに「弄堂」はあります。

弄堂の焼き小籠包

テイクアウト、イートイン両方できるこのお店は焼き小籠包のお店です。カリカリの皮がとても美味しいです。店内はきれいで飾りつけも中国らしさが出ています。麺類、上海ちまきなどもあり楽しめます。

弄堂の麺類

上海ちまきを開けると、色は濃いものの、味つけは優しい甘め、お肉も柔らかでした。テイクアウトして冷めても美味しくいただけました。

弄堂のメニュー

Yuka Joshaさんの投稿
https://www.facebook.com/groups/tokyodeepchinasociety/permalink/692018856018497/

3人目は大阪今里の「紫金城」の山本光一さんの投稿です。題して「食の歳時記~端午節」。

今日は旧暦の5月5日、中国では日本同様チマキを食べる習慣があります。

「紫金城」チマキ

これは昔、屈原という詩人が川に身を投げた事を民衆が哀れみ、魚がその身を啄まぬようコメを葉に包み撒餌にして投げたのが発祥とされています。日本では中華チマキというと肉チマキが有名ですが、端午節は縁起良いナツメやアズキを入れたチマキを食べます。

アズキやナツメを重用するのは中華圏全ての慣わしです。紅は陰陽道五色で邪気を払う色とされ、赤飯や還暦のチャンチャンコもこれをルーツにしています。それとナツメが体を健やかにする考えは薬膳とも繋がっています。

紫金城でも手作りチマキを用意しています。日本の方々も一度お試し下さい。

「紫金城」ちまき

山本さんからも追伸が届きました。

(端午節のチマキづくりは)ウチにとってはケーキ屋のクリスマスイブのようなモノなので😅

普段厨房は10時に出勤して来るのですが、チマキ組は7時半に出勤して来ます。11時から通常営業のお客様が来られるので、それまでに仕込みます。私も毎年注文が殺到して最後の数が合わなくなったりするので、販売管理がタイヘンです。とにかくひたすら包んでひたすら売る。それが紫金城の端午節です。大体500個くらいかなと思います。

「紫金城」端午節の500個ものチマキ

実は肉チマキも期間限定で一緒に販売します。

ウチの女将さんも「南方人愛喫肉粽子、北方人愛喫棗粽子(南方の人は肉チマキが好きで、北方の人はナツメのチマキが好き)」といつも言っていますが、東北料理店の紫金城でも肉チマキはやはり人気です。その肉チマキも中華街などで食べるモノと違い、必ず卵黄を入れます。

これが重要なようです。また肉チマキの蒸し器には殻付き卵を一緒に入れて蒸し上げてチマキと一緒に販売します。

卵黄入りの肉チマキ

これでいつも思い出すのがウチの「長寿麺」です。

お誕生日のお客様がいらっしゃるとサービスでお出しするのですが、シンプルなスープ麺で具がほとんど入ってないのに、卵だけは入っています。きっとこれは誕生日に因んで卵が生命を象徴しているんだなあと解釈していました。きっとこの端午節の肉チマキもこういう意味合いで卵が入っているのだと思います。

それと今ではチマキは紫金城の名物となり、あたかも故郷を思い出す料理のように売られていますが、私が紫金城に来た頃店にはありませんでした。

ウチの女将さんの若い頃は、東北や山東等はまだ貧しい時代でした。ですからコメそのものが珍しい食材だったそうです。そして日本でも結構高価な糯米は当時の東北では簡単に手に入るモノではありませんでした。

ですので、ウチの女将さんは日本に来てから、多分紫金城を始めて後、初めてチマキを食べたんだと思います。ウチの女将さんくらいの年齢の東北出身者は日本にたくさんいます。実はその方々にとって端午節のチマキは、必ずしも自分たちが故郷を懐かしむ料理ではないのかもしれないなと思ってもみます。

こういう感覚も私にとって、紫金城ならではのもう一つ「食の歳時記」です。

山本光一さんの投稿
https://www.facebook.com/groups/tokyodeepchinasociety/permalink/691982592688790/

それぞれの端午節の体験や思い出、ステキですね。みなさんありがとうございました。

(東京ディープチャイナ研究会)

店舗情報

弄堂

弄堂看板

大阪市天王寺区下味原1-21
06-6771-1230
https://www.rontan.info/

紫金城

紫金城外観

大阪市生野区新今里3-10-26
090-9058-1773

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