今年で2回目「味付ジンギスカングランプリ 2023」って何ですか?

今年で2回目「味付ジンギスカングランプリ 2023」って何ですか?

6月9日、オーストラリア大使館で「味付ジンギスカングランプリ 2023」の授賞式が開催されました。

味付ジンギスカングランプリ 2023

「味付ジンギスカングランプリ」は、日本人にとって最もポピュラーな羊肉料理であるジンギスカンを気軽に家庭で楽しめる市販の商品の可能性を追求することを目的にしたコンテストで、グランプリならびに各部門の賞を決定するものです。2022年から始まり、今年は2回目です。

気軽に家庭で楽しめる市販のジンギスカンの可能性を追求するコンテスト

ジンギスカンは日本独自の世界に誇る羊肉料理です。ネーミングには、日本人の食に対するおおらかさや、大陸や草原への憧れが込められていますが、醤油ベースのタレが多いなどきわめて日本的な料理でもあります。

由来は、北京の伝統的な羊肉の焼き肉「烤羊肉(カオヤンロウ)」だと考えられます。一般に北京といえば羊肉しゃぶしゃぶの涮羊肉(シュワンヤンロウ)が有名ですが、北京烤肉と呼ばれる焼肉もあり、都内の「ガチ中華」の店でも最近は味わえるようになりました。

烤羊肉は、平らな鍋に醤油ベースで味付けした羊肉のスライスやタマネギ、パクチーを入れて焼く料理で、日本の味付ジンギスカンに確かに似ています。日本にいつ頃伝わったかというと、中国大陸との人の行き来が多かった戦前のことで、餃子や拉麺などとともに、日本に来たようです。 

烤羊肉とジンギスカンの由来はこちら
https://aussielamb.jp/lambassador/221205.html

「味付ジンギスカングランプリ 2023」では2つの部門でエントリーを受け付けています。現在、市販されている商品の「一般部門」と新しい定義(味・コンセプトなど)の味付ジンギスカンの「ニューウェーブ部門」(試作品などもエントリー可。ただし、今後販売予定のあるものに限る)です。

味付ジンギスカングランプリ 2023は一般部門とニューウェーブ部門のエントリーを受け付けています。

「一般部門」では、全国に約 200 商品以上あると言われる味付けジンギスカンの中から、地元で愛される商品や広く量販店で扱われるメジャーな商品など56 商品がエントリーされました。

また「ニューウェーブ部門」には、現在市販されている商品から、今回のために企画開発された試作品段階のものまで、多種多様な全 20 商品エントリーされました。

去る4月18日〜19日の2日間、「味坊集団」オーナーの梁宝璋ラムバサダーの協力のもと、足立区六町の味坊工場で、食肉業界や料理雑誌、ラムバサダーなどの審査員による全商品の実食審査を実施し、以下の受賞商品が決まりました。

ラムバサダー公式サイトhttp://aussielamb.jp/lambassador/

2023年度 受賞商品「一般部門」

グランプリ

⼩林ジンギスカン 特上マトン

小林精肉店:https://kobajin.official.ec/

一般部門 グランプリ|⼩林ジンギスカン 特上マトン

準グランプリ

塩ラム

かんの精肉店:https://www.kanno298.com/

第3位

元祖滝川 花尻ステーキジンギスカン

花尻ジンギスカン:https://miyoshino-sapporo.jp/

オージー・ラム賞

味覚園味付ラム

株式会社坂口精肉店:https://skgc.shop-pro.jp/

オーストラリア大使館賞

行者ニンニク入り味噌ラムジンギスカン

ユーエム浦幌:https://um-urahoro.com/

ジンギスカン応援隊賞

美人吉思汗

株式会社アイマトン:https://www.aimaton.info/

サッポロスマイル賞

厚切り7mmジンギスカン

お肉屋さんたどころ:https://niku-toyako.shop-pro.jp/

一般部門の受賞者

2023年度 受賞商品「ニューウェーブ部門」

グランプリ

辛ラムーチョ(かららむーちょ)

東京ラムストーリー大塚店:https://tokyolambstory-otsuka.com/

ニューウェーブ部門 グランプリ|辛ラムーチョ

ラムバサダー賞

エビ出汁香るイカ墨ジンギスカン

ワイン・ラ・ターブル:https://winelatable.com/

ジンギスカン応援隊賞

ゆず照り焼きラム

やればできるこJAPAN株式会社:https://yarebadekiruko.co.jp/

ニューウェーブ部門の受賞者

授賞式では、羊齧協会代表でラムバサダーの菊池一弘氏による総評がありました。

羊齧協会代表のラムバサダー 菊池一弘氏

「味付ジンギスカンは北海道の羊肉文化ですが、今改めてその存在の意義が輝いてきています。羊肉を取り扱うスーパーがどんどん増えていて、羊肉は『珍しい食肉』から『見かける物』に変わりつつあります。

しかし、特に首都圏では『羊肉は家でどう食べればよいのか?』と聞かれることが多いのです。『鶏肉=唐揚げ、焼き鳥』『豚肉=とんかつ、生姜焼き』のように、家庭におけるわかりやすい羊肉料理がまだありません。

そこで、家庭向け羊肉の普及に提案するのが、我らが『味付ジンギスカン』です。保存しやすく、調理しやすく、色々な料理に変化できる。羊肉の普及のため活動している我らの、ご家庭向け提案として、味付ジンギスカンがあると考えています。

味付ジンギスカン

味付ジンギスカンは、基本は醤油ベースの味となりますが、ご飯との相性も良い日本人が大好きな味です。この味以外の新しい味の開発が、味付ジンギスカン文化をさらに広げる=羊肉を普及させることになると我々は考えます。

今回、新たにニューウェーブ部門を設立しましたが、その意味はここにあります。

さらに、日本発祥の『味付羊肉をマリネして焼いて食べる』という調理法は世界に通用すると考えます。羊肉文化がこれからの地域、新しい羊肉の食べ方を求めている地域など、新しい味のニューウェーブジンギスカンは根付き、羊肉普及を領導していくはずです。

このコンテストを通し、北海道の伝統的な食品であった味付ジンギスカンは世界に羽ばたこうとしています。一緒に羊肉の今後を考える仲間になっていただければうれしいです」

授賞式のあとは、オーストラリア大使館裏の庭園でオージー・ラムの宴会が開かれました。

オーストラリア大使館は、徳川時代に蜂須賀家が所有していたものを購入し、現在は新しく建て直されたものですが、本館の裏手にある庭園は、元蜂須賀侯爵邸の庭園で数百年の歴史があります。

味付けジンギスカンは、家庭で簡単に調理でき、楽しめるのが特徴です。もともと中国由来の烤羊肉が日本で現地化した日本料理といえるかもしれませんが、「ガチ中華」が現地化していく歴史とそのプロセスは実に奥深いものがあることが、このコンテストを通じてもわかります。一方、「ガチ中華」の隆盛によって、今日日本でさまざまな羊肉料理が食べられるようになっています。こうして羊肉の食べ方がすますバリエーション豊かになると思うとうれしくなりますね。

味付ジンギスカングランプリ 2023

主催Meat & Livestock Australia(豪州食肉家畜生産者事業団)
協力オーストラリア大使館、北海道遺産ジンギスカン応援隊、羊齧協会、ラムバサダー・プロジェクト
H.P.https://yarebadekiruko.co.jp/

(東京ディープチャイナ研究会)

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