都内に急増ガチな中国発ライブハウスとレコードショップを訪ねた話

都内に急増ガチな中国発ライブハウスとレコードショップを訪ねた話

今週、TBSが都内に増えている中国発のライブハウスや中国語書店についてレポートをしたようです。

「私たちは隣人」中国の人気書店やライブハウスが続々東京に進出 日本に住む中国人“増加”背景に(TBS)
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1561261

実はここで紹介されている中国発の音楽スポットはTDCのSNSではすでに何度も投稿されています。最近、都内に中国語圏の音楽を体験できるスポットが増えているのは確かです。そこで、これまでの投稿をまとめつつ、TBSが取材をしていないスポットなども一気に紹介しましょう。

まず北京発のライブハウスから。

SCHOOL LIVE BAR TOKYO東京店

今年の8月15日19時、六本木に北京の伝説のライブハウス『SCHOOL LIVE BAR TOKYO』の東京店がオープンしました。北京から来た2組のロックバンド(Berlin Psycho Nurses、FAZI)と1組は日本のインディーズ系バンド「She Her Her Hers」が記念ライブを行いました。

北京のバンドだけど「Berlin Psycho Nurses」
タトゥーで決めたギターリストがなかなかイカしています
Berlin Psycho Nursesのボーカルが激しくシャウトする

会場にはあふれんばかりの観客が集まりました。ぼくも久々に北京のライブハウスの雰囲気を思い出しました。客層の大半は、都内在住の育ちのいい中国の元留学生や社会人の若者たちで、ガチ中華のメイン顧客の人たちでもあります。

檻の中のライオンのように狭いステージを歩き回るFAZIのリードボーカルは、風貌もそうだけど、神経質な動きはお笑い芸人の永野っぽい?
今日の唯一の日本バンド「She Her Her Hers」

彼らの音楽はジャンルでいうと、R&B/ソウル、オルタナティブ​でしょうか。2019年12月に3rd album「location」をリリース。同年中国レーベルとの契約を交わし、全7都市を廻るチャイナツアーを大盛況に終え、今年も中国各地の音楽フェスに出演してきたというみなさんです。

ライブハウス名が「School」だけに「東京開学祝典(東京開校パーティ)」
ライブバーで、各種アルコールやドリンクが飲めます

とことん飲んで踊るのが、北京のライブハウスの流儀だそうです。

店内の壁には北京にある「School」のステージ写真が所狭しと貼られています。

2000年代の北京はパンクが熱くて、今日の中国では考えられない自由開放区でした
北京の「School」のライブ映像を収めたDVD
インペリアル六本木ビルの裏手から入ります

TBSのレポートでは、最近は在日中国人の若い女性シンガーなどもステージに上がっているようですね。ライブを観たい人は、店舗情報の下にある同ライブハウスのサイトからスケジュールをチェックしてください。

次は、阿佐ヶ谷にあるレコードショップ&ライブハウス。

mogumogu records

中国インディーズ・ミュージック系のレコードショップ『mogumogu records』です。阿佐ヶ谷パールセンター商店街の中にあります。

mogumogu records

この店は北京にもあって、現地の音楽シーンを伝えるCDやレコードがたくさん置かれていて、夜はライブをやっています。

カウンターのそばに次のようなメッセージが書かれていました。

「ぜひmogumoguに出演してください!
東京-北京ミュージックハブmogumogu
出演バンド募集!
ロック都市北京からやってきたmogumoguで演奏しませんか?
会場費無料、興行収入50%をアーティストに還元!
お気軽にご予約の上、いらしてください」

カウンターのそばに書かれたメッセージ

実際、日本人も含めさまざまなミュージシャンのライブをやっているみたいですよ。音楽交流やライブをやりたい人は連絡してみてください。

詳しくはマガジンハウスの雑誌「Popey」のネット記事で紹介されています。
https://popeyemagazine.jp/post-178378

実は場所はちょっとわかりにくいですが、「ほけんの窓口」のビルの3階です。

そして、TDCにいつも中国の最新グルメトレンドを紹介してくれている上海在住の萩原晶子さんに教えてもらったのが、高円寺にある中国語圏のインディーズ系レコードショップ「Uptown Records」です。

Uptown Records

店内は中国や台湾、香港のアーティストのレコードやカセット、CDが並んでいます。奥がDJブースになっていて、訪ねた日は、西洋人のおじさんがひとりでDJのようにレコードをかけたり、カウンターでドリンクを出したりしていました。

窓側に小さなDJブースがあり、その日は店のおじさんの好みの洋楽ががんがんかかっていました。

テーブルにガチ中華メニューがあるので食べられるのかなと思ったのですが、彼には調理は無理そうです。そろそろ帰ろうかなと思ったら、中国人女性が店に入ってきたので、きっと彼女がつくるんだろうなと思ったのですが、次に用事があったので、話もしないで、店を出ました。

中国のライブハウスにもこういう簡易メニューがあった気がします。次回はガチ中華を注文してみようかな

同店のサイトによると、この店は「高円寺にある実験音楽、Synth, アヴァンギャルド, ポストパンク, 中国のアンダーグラウンドの音楽を取り扱う。一号店は2011年に上海で、カリフォルニア出身のSaccoと上海出身のSophiaがオープン。上海にはレコード屋が少なく、Uptown Recordsはコレクター達が互いに出会う場を提供し、インディペンデントな音楽をプロモーションすることをゴールとして誕生。上海のUptown Recordsも実験音楽から電子音楽、フォーク、パンク、ノイズなど様々なアンダーグラウンドな音楽イベントをこれまで開催」だそう。

実際、中国だけでなく、香港や台湾のミュージシャンのDVDやレコードも置かれていました。

何人かのアーティストの情報をゲットできました。中国、台湾、香港などなど、彼らは体制を超えて共振しているようで、面白いですね。

「桃子假象Peach Illusion」という名の上海のガールズバンドのCDも見つけました。こういうジャンルは詳しくないのですが、なかなか楽しい感じの音楽でした。中国の90后世代の感じがよくわかる世界です。もしよかったら聴いてみてください

桃子假象Peach Illusion
https://www.youtube.com/@peachillusion711

最近の中国由来の文化現象って「ガチ中華」だけじゃないですね。ぼくは以前、北京の芸術区や単向街書店(現在銀座に出店中)などのブックカフェをよく訪ねていたのですが(イベントも面白いし、書棚や作品を眺めていると、中国の人たちが今何に関心があるのかよくわかるので)、まさかが東京にそれらがちらほら出現するようになったことに、時代の変化を感じます。

ぜひみなさんも訪ねてみてください。

(東京ディープチャイナ研究会)

店舗情報

SCHOOL LIVE & BAR TOKYO

港区六本木5-16-5
インペリアル六本木1号館地下1F

mogumogu records

mogumogu records

杉並区阿佐谷南1-36-15
マガザン阿佐ヶ谷3F

UPTOWN Records

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