先輩と相談できるガチ中華~味坊集団13店目の<味坊之家>丸の内にオープン!

先輩と相談できるガチ中華~味坊集団13店目の<味坊之家>丸の内にオープン!

「以上、至急ご確認とご返信をお願い致します。…送信っと」

メールを送付し、深いため息をつきました。

先方、H社の担当が仕様変更の確認点について、返事をぜんぜんくれないのです。このままいくと、週明けには他のメンバーの作業が無くなって、アイドル(待機)状態になってしまいます。新米PM(プロジェクトマネジャー)としては、それは絶対避けたいところです。

「市花?どうしたの。眉間、立てジワよってるよー?」

と声をかけてくれたのは葉子先輩でした。先輩は入社当時からわたしを可愛いがってくれていて、今は別の担当ですが、前はこの H社の担当でした。

「先輩…。H社のYさん、メールの返事全然くれないんですよ」

「Yぃ・・・あいつ相当督促しないダメよ。クソよ、ホンマ使えないやつだから。それより今日はもう上がり?よかったらご飯食べにいく?」

気づけば21時もすでに回っています。このまま先方の返事を待っていても、今日はらちが開きません。先輩とご飯を食べながら、愚痴と対策を話すのも良いかもしれません。

「ちょうど、下のレストランフロアに、なんか新しい中華料理の店できたんだって。市花も今日は軽く飲んで上がろうよ」

先輩は有無を言わせず、私を連れだすのでした。


小芝居を入れてみましたが、2025年3月3日、東京は大手町の丸の内永楽ビルのレストラン街<iiyo!!(イーヨ)>の中に、味坊集団の新店舗<味坊之家>がOPENしました。

<味坊>はガチ中華好きなら一度は聞いたことのある名前でしょう。2000(平成12)年、神田にできた<味坊>を皮切りに、都内12店舗を経営するガチ中華のパイオニアのレストラングループです。

東京ディープチャイナでも、味坊集団社長の梁宝璋さんに羊料理を教わったり、

味坊集団の<酒仙坊>や

<商館味坊>

の紹介を行ったりしてきました。

今回紹介する、<味坊之家>は、味坊集団の都内の味坊13店舗目となるお店ですが、他の味坊のお店とは一味違います。

次の地図でも示すように、今までの味坊集団のお店は、山の手線の中でも神田のような少し落ち着いたオフィス街や、高架下や路地に店舗を構えていました。ところが、今回の<味坊之家>は東京丸の内の超高層オフィスビルの中のレストラン街という、東京のビジネス街の中心に位置する新店舗となっています。

店のコンセプトとしては、「オフィスビルの中にいながら、「気軽な屋台に来た感じ」」(注1)とのことで、まさしく、先ほどの小芝居で書いたように、今までガチ中華をあまり知らなかったサラーリマンやOLの方なども気軽にふらっと入ってガチ中華を楽しめるお店になっています。

では具体的に新店舗とメニューやオススメを見ていきましょう。

先述の通り、お店は大手町、丸の内永楽ビルのショップ・レストラン街の<iiyo!!(イーヨ!!)>の中にあります。東京駅からは丸の内北口を出て5分、東西線大手町からはB1出口で直結しています。

<味坊之家>入口。金の字に緑の看板が目印。東西線大手町からなら雨でも濡れずに行けます

<味坊之家>は<iiyo!!(イーヨ!!)>の中でもレストラン街の角を生かした立地で、席数は80席。白を基調とした壁の色もあって、広々とした雰囲気のお店になっています。

広々とした店内。宴もたけなわです

料理は味坊集団の他のお店と同じく、東北料理と羊肉が中心のメニューとなっています。他店と較べると、メニューは少し絞っている感じです。中央のカウンター、味坊集団名物の厨房の手書きのお札メニューは他のお店とも共通ですが、お札のメニューの上に、料理写真が大きく飾っている点が、他の味坊集団のお店とちょっと違っています。

写真のおかげで、ガチ中華に慣れてないお客様も頼みやすく、またアジアのフードコートを思わせるエキゾチックな印象を与えています。

アジアのフードコートやホーカーをおもわせるカウンター

営業はランチとディナー。ディナーでも昼のメニューを頼めるようになっています。昼メニューは、「麻婆豆腐」(でも羊肉の麻婆豆腐)、「油淋鶏」など日本人にも馴染みやすい料理が中心。お店の方に伺ったところ、「汁無し担担麺」が人気とのことでした。

お昼のランチメニュー。丸の内のランチとしてはお得感のある価格帯です

今回は夜に取材(宴会)に伺いましたので、夜のメニューのおすすめを頼んで見ましょう。

左上から順に時計回りに、ラム肉の串焼き(烤羊肉串)、干し豆腐和物(拌干絲)、ラム肉と長葱塩炒め(葱爆羊肉)、ラムとトマトの水餃子(羊肉水餃子)、板春雨のサラダ(東北大拉皮)。ラムが名物なのでちょっと羊尽くしになってしまいました。

まずは、味坊名物の「ラム肉の串焼き」。 これは、味坊に来たら外せないでしょう。クミンの風味とちょうどよく焼き上げられたラムの味がたまりません。これを齧りながらビールを飲むのは最高です。

「干し豆腐和物」は、ガチ中華が浸透するとともに普通の店でも普通に見かけるようになってきました。さっぱり目の味で、口直しに最適です。

「ラム肉と長葱塩炒め(葱爆羊肉)」は塩だれの少し濃い目の味付けで、羊の味とネギの風味がマッチしています。人によってはお酒よりご飯が欲しくなるかもしれません。

水餃子にトマトが入っている「ラムとトマトの餃子」も面白い味です。羊のうま味もですが、トマトの爽やかさとうま味成分のおかげで、何個でも食べられる味になっています。

羊肉、「クセがあって苦手」「どうも臭みがあって嫌い」という人もありますが、このお店の羊肉はどれもクセのない初めての人でも食べやすい羊肉になっています。羊肉はどうしても苦手という人も、この「ラムとトマトの水餃子」は一度ためす価値はあると思います。

 「板春雨(大拉皮)のサラダ」。板春雨とパクチー、キュウリ、細切り肉のサラダ。板春雨のもちもちした食感が楽しい一品です

「板春雨(大拉皮)のサラダ」は酸味と香菜の風味が効いた一品です。あまり日本では見かけることのない中国東北地方の板春雨の食感を楽しんでください。

そして<味坊之家>は料理もおいしいのですが、有機ワインが多くあることでも有名です。

ガチ中華。お店によっては、お酒の品ぞろえが中国の人向けになっていて、中国酒が苦手な人にはいまいちな店もあったりします。しかし味坊集団は美味しい有機ワインがあります。これが意外や意外、ガチ中華とあうのです。人によっては「(ガチ中華)では赤ワイン以外の他文化圏の酒は避ける」なんていう人もいますが (注2)、まさしくこの店は赤ワインの美味しい店なのです。

味坊之家のワインセラー。有機ワインがずらりとならんでいます
味坊集団の専務取締役の林強さんにおすすめのワインを選んでもらいました

ワインにあわせた料理でおススメなのが「羊肉入り麻婆豆腐(羊肉麻婆豆腐)」です。これは普通の麻婆豆腐よりこってりとしていてコクがある感じ。これをラフなコップ酒の白ワインとあわせると、ワイン→羊→→ワイン→ワイン→羊と、みるみるうちにワインも麻婆豆腐もなくなっていきます。

羊のこってり感が楽しめる「羊肉麻婆豆腐」。今回は白ワインと合わせましたが、少し冷やした赤でもまた違っていいと思います

また、味坊集団は紹興酒の呑み放題があることも名物です。名物時間制の紹興酒セルフ飲み放題は、この<味坊之家>でも健在です。

味坊集団名物、紹興酒の時間制呑み放題。たくさん飲みたいときはお勧め!

また、羊肉や東北料理以外の点心も充実しています。味坊集団には渋谷に<宝味八萬>という点心を中心としたお店がありますが、この<味坊之家>でも美味しい点心を頂くことができます。

ガチ中華よりも慣れた味の料理を食べたい方は「広東海鮮焼売(広東焼売)」「アボカド海鮮春巻(牛油果海鮮春巻)」「ニラと卵のおやき(韮菜盒子)」といった点心もいいかもしれません。

広東海鮮焼売(広東焼売)。私がこの店で一番好きな点心です。海老の味がしっかりしていてとても良いです。
アボカド海鮮春巻(牛油果海鮮春巻)。火の通ったアボカドがクリームみたいで、凝ってて面白い味です。アボカドを中国語で牛油果というのは知りませんでした。たしかにクリームのような食感がバターを思わせます
ニラと卵のおやき(韮菜盒子)。中国の屋台料理の定番の一つです。結構大きいので、人によってはこれでおなか一杯になるかも

さて東北料理も食べたし点心も食べたし、〆には何がいいでしょ。この味坊之家では、昼のランチのメニューも夜、頼むことができます。ではでは人気の「汁無し担々麵」をもらいましょう。半炒飯はさすがにパスで。

昼に人気の汁なしタンタンメン

「汁なしタンタンメン」だいぶお酒と料理でおなか一杯になっていましたが、卵で中和された辛さがちょうどよく、つるりと食べすすめられます。

こんなふうに丸の内の<味坊之家>はガチ中華ビギナーでも気楽に東北料理から点心まで幅広い料理を楽しめる店となっています。仕事帰りに同僚をさそって食べに行くのには最適なお店と言えるかと思います

さて、冒頭に始めた小芝居はオチをつけねばなりません。市花と葉子のふたりの飲み会はどんな感じなんでしょうか?


「いちか~。YだろY、営業!あいつ来週返事なかったら、私が督促する!私の時も返信おそくてさー。」

すっかり葉子先輩はご機嫌です。気づくと葉子先輩の手には透明な蒸留酒が握られています。白酒という中国の蒸留酒だそうです、度数はウイスキーなみとのこと。でもバナナみたいなよい香りが漂ってきます。

人気の白酒。沱牌六粮(だはいろくりょう)。50度ですがとても飲みやすくおいしいお酒です。こってりとした料理や辛めの料理には最適です。葉子先輩は現実にはいないので林強さんに代役をお願いしました。

「でねー、前のプロジェクト最後、打ち上げやったのよ。プロジェクトの進め方、あんまりムカついたから、あいつとあいつの上司、ならべてまとめて酔い潰したのよ。それ以来、私にはアタマ上がらんはずだから、督促かますわー」

「……」

まさか、先輩がH社の担当外されたのって……とおもいつつ、「酸梅湯」(さんめいたん。梅やサンザシのジュース。甘ずっぱくておいしい)を啜るのでした…ちゃんちゃん。

注1 PR TIMES「味坊の新店舗「味坊之家」が3月3日(月)に丸の内永楽ビルB1にオープン」 

注2 安田峰俊「生ビールよりも「瓶ビール」…中国ライターが教える「ガチ中華」を最高に美味しく食べる”3つのコツ”」 なおこの記事では明記されていませんが「御徒町にある、北京の下町酒場の料理を赤ワインでいただけるガチ中華店」というのは味坊集団の<老酒舗>ではないかと思います。

                                                 (吉村 風)

店舗情報

味坊之家

千代田区丸の内1-4-1
丸の内永楽ビルディング iiyo!!(イーヨ!!) B1F

03-6256-0422

https://www.marunouchi.com/tenants/20041/

Writer
記事を書いてくれた人

吉村 風
吉村 風

プロフィール

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