上野のアメ横センタービルの東側に、もうずいぶん前からトルコ風ケバブや韓国料理などの多国籍エスニック屋台が続々出店しています。そのうち多数派を占めるのが中華屋台です。
黒木真二さんは実況レポートをYouTubeに公開しています。まずはご覧ください。
【本格中華】中国式朝食が上野のアメ横で食べられる!北京人お墨付き!
「天天楽」という屋台に腰かけ、黒木さんは話します。
「中国では通勤、通学の途中にお店や屋台で朝食をとることが多く、手軽に安く食べることができます」
いま上野のアメ横のある一角には、黒木さんが話すように中国の街角がそのまま現出したような中華屋台が出現しているのです。
この日、黒木さんは中国の朝ごはんの定番メニューを注文しました。
まず豆腐脳(ドウフナオ)です。豆腐脳は、豆乳を固めた豆腐の一種ですが、日本の絹ごし豆腐より柔らかで、ゼリーのような食感のある小吃です。台湾スイーツのほんのり甘くておいしい豆花(トウファ)も同じ食べ物の一種なのですが、この屋台を営業しているのは中国東北地方の人たちなので、味つけが違います。北京や中国北部では、豆腐脳は醤油味の餡かけスープに入った、お粥に近い朝ごはんなのです。
「(豆腐脳には)しょっぱいのと甘いのがありますが、北京ではしょっぱいのを食べます。柔らかい豆腐の喉越しが最高。醤油やお酢でつくった餡とよく合います」と黒木さんも話しています。
そして中国の朝ごはんの代表、油条(ヨウティァオ)です。
「ここの油条は揚げたてでとっても美味! 表面がサクっとしていて中はふわふわ。揚げパンと訳されますが、揚げパンよりも軽くてふっくらです」
最後は中国語で「豆漿(ドウジャン)」こと、豆乳です。ほんのりした甘さに癒やされます。
黒木さんは言います。「よく油条を豆乳につけて食べたりしますが、私は別々に食べるのが好きです」。
上野のアメ横では、2021年6月現在、「鵝一喜」「平成福順」「天天楽」「老式麻辣烫」「西湖春 上海小籠包」「小魏鴨脖店上野アメ横店」「串串香屋」などの中華屋台があります。
それぞれの屋台で食べられる料理は少しずつ違いますが、「鵝一喜」を除くと、基本中国の小吃で、麻辣燙や涼皮、小龍蝦、煎餅果子、羊肉串、豚足、各種中華麺など、豊富なバリエーションから選べます。
ちなみにこれが「天天楽」のメニューの一部です。生ビールと小吃一品のお手頃セットが魅力です。トンコツもこのド迫力です。ぜひ当研究会の制作した案内書『攻略!東京ディープチャイナ』(産学社)を参照しながら料理を選んでみるのをお勧めします。
「鵝一喜」は2020年12月にオープンした広東風焼味の店で、上野アメ横では異色の存在です。同店は高田馬場にある本店(新宿区高田馬場3-1-3 東栄ビル 2F)が出店した店で、ローストダックや腸粉(チョンファン)が食べられます。
「小魏鴨脖店上野アメ横店」は、ジャンク系小吃の鴨脖(ヤーボゥ)の専門店です。都内では池袋や新大久保、日暮里にもあります。
これらの屋台では、以前はインバウンドブームで日本を訪れたアジア客の姿が多く見られたものですが、コロナ禍以降もそれほど客足が絶えていません。日本在住の中国の人たちや日本の若者でにぎわっているようです。
中国の街角という言い方もそうですが、台湾の夜市を局所的に出現させたような小吃ワールドといえるかもしれません。池袋の中華フードコート「友誼食府」と比べても、ジャンク度は相当高いといえるでしょう。
店舗情報
鵝一喜
台東区上野6-10-3
090-9844-5480
平成福順
台東区上野6-10-7アメ横プラザA-11号
03-3834-8226
天天楽
台東区上野4-7-8アメ横センタービル1F
080-4797-5211
老式麻辣烫
台東区上野6-10-7アメ横センタービル1F
090-6540-6916
西湖春 上海小籠包
台東区上野4-7-8
080-3273-5288
小魏鴨脖店上野アメ横店
台東区上野4-7-8アメ横センタービル1F39号室
03-6249-1019
串串香屋
台東区上野6-10-10