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初めて友達をガチ中華に連れてくなら、渋谷「座・撒椒」がおすすめ

渋谷東口にある「座・撒椒」(渋谷区宇田川町)にお伺いしました。

ここは2023年4月2日にオープンした店で、「ガチ中華」と日本人のよく知る中華料理のいいところづくしで、2つのジャンルの「架け橋」のようなコンセプトをかかげています。

ガチ中華にくわしいひと、ガチ中華初心者のひと、そしてガチ中華と定番中華、さらには新感覚のアレンジ中華など、いろいろ楽しみたいひとすべてが満足できる料理が提供されています。

なによりまだガチ中華を食べたことがないひとたちのガチ中華デビューにもってこいのお店です。

いまやガチ中華の代名詞になった「国潮」空間で食べる、ガチ中華のトレンドの一歩先をゆく「進化系中華」。その魅力にせまります。

座・撒椒看板

渋谷のまちなかにある、隠れ家中華

渋谷駅東口から徒歩10分ほど、地下1階の隠れ家のような場所に座・撒椒はあります。

目印はこちらの看板。

この階段を降りて地下に行き、奥に進みます。

座・撒椒目印の階段

店内は紅色の壁紙が印象的です。「国潮」をコンセプトとした内装は、写真映え間違いなしです。

▼「国潮」についてはこちら

壁や天井の装飾にも目が惹かれます。伝統的なモチーフをモダンにアレンジする、中国のイマが感じられます。

ここからは、ガチ中華、定番中華、アレンジ中華の品々を順番に紹介していきます。

まずは人気のガチ中華

ガチ中華といえば、これだ! 烤鱼(カオユー)。

烤鱼(カオユー)
烤鱼(カオユー)

日本語では「焼き魚」とメニューに載っていますが、一般的な日本の焼き魚とは違う料理です。烤鱼(カオユー)は一度焼いた魚を、野菜や豆腐などと一緒にスープで煮込んだ料理です。

烤鱼(カオユー) 黄焖(ファンメン)焼き魚

魚の焼き方は「焼き」「包み焼き」の2種類から選べます。パリパリとした香ばしい味わいが好きなひとには「焼き」がおすすめ。ふっくらとした食感を味わいたいなら「紙包み」がおすすめです。今回私たちは「焼き」をチョイスしました。

烤鱼(カオユー)の様々な味

スープの種類も選べるので、いろいろな味が気になりましたが、今回は、はじめて食べる「黄焖(ファンメン)」を選びました。

黄焖(ファンメン)味のスープは醤油ベースでまろやかな辛さがあります。優しい味わいで具材のおいしさをひきたててくれてました。

おおきな魚を、みんなでシェアする烤鱼(カオユー)は、ちょっとしたお祝いの席にもぴったりな料理ですね。

毛沢東風角煮

豚の角煮です。普段食べているものよりも、さらに甘さがあります。とろとろの角煮がとても美味しかったです。

毛沢東風角煮

タコのピリ辛和え

ピリ辛のタレで味付けされたタコです。ピリッとする刺激がクセになります。一口サイズのタコはたべやすく、ビール片手におつまみにぴったりです。

タコのピリ辛和え

安定の美味しさ、定番中華たち。

鶏肉のチマキ

蒸したてで、蒸籠からいい匂いが広がります。もっちりした食感と、甘めに味付けされた具材が合わさってとても美味しいです。

鶏肉のチマキ

エビ餃子

もっちりとした皮とプリプリのエビの食感がとても美味しいです。蒸したてで、提供してもらえます。

エビ餃子

小籠包

熱々の小籠包は、肉汁たっぷりです。黒酢をつけていただくのもよし、何もつけずに食べるのもよし、とても美味しかったです。

小籠包

麻婆豆腐

湯気がでているほどの熱々の状態でいただけます。味付けは、ピリ辛です。すこし舌が痺れるのが心地がいい、老若男女問わず、好きな一品だと思います。

麻婆豆腐

空芯菜の炒め

シンプルイズベストな料理といえばこれ。あれ?こんなに美味しいの?とびっくりするくらい、炒め具合、調味が抜群です。

空芯菜の炒め

山芋とブロッコリーの野菜盛り合わせ炒め

野菜とキクラゲの炒め物です。具沢山で満足度が高い一品です。こちらも食材をシンプルな調味で料理されています。

山芋とブロッコリーの野菜盛り合わせ炒め

一味違う、創意工夫あふれるアレンジ中華たち。

黄桃酢豚

一見するとよく見る酢豚ですが、ひと工夫してあります。アクセントに黄桃が入ってるオリジナリティあふれる一品です。甘しょっぱい味付けと黄桃の果実味がよく合います。

黄桃酢豚

特製エビマヨ

こちらも、創意工夫あふれる一品。衣をつけてあげたエビに、ハニーマスタードソースを絡めています。芸術的な盛り付けも、ひと味違いますね。よく食べ慣れている定番料理を、アレンジしていてとても新鮮です。

特製エビマヨ

甘酢初恋ナス♡

ひときわ目立つこの名前。気になって頼んでみました。揚げたナスの甘さと酸味を、後追いするようにピリッとした辛さが口に広がります。甘酸っぱくてちょっぴり刺激的、これが初恋ってやつなんでしょうか。

甘酢初恋ナス

まとめ

「座・撒椒」は、繰り返しますが、ガチ中華デビューにぴったりのお店です!

私はまだガチ中華を食べたことがない友達たちのガチ中華デビューに一緒に行って案内したいなと思いました。

目玉メニューである烤鱼(カオユー)などのガチ中華、小籠包や麻婆豆腐、エビマヨなどの食べ慣れた中華料理も提供されています。そのため、初めてのガチ中華と食べ慣れた中華料理を組み合わせた「安心ガチ中華デビュー」ができます。

なにより、モダンな「国潮」空間は、写真映え間違いなし! 渋谷のおしゃれデートや、友達の誕生日のお祝いなど、「いつもとはちょっとちがう、特別な日」にピッタリです。

「ガチ中華に興味あるけど辛いものが苦手だから・・・」と悩んでいたり、「大好物は麻婆豆腐と小龍包!」といっていたり、「最近、ハマっているアニメの中華っぽい世界観が好き!雰囲気が味わえる場所に行ってみたい!」と思っている友達たちがきっと喜んでくれるんじゃないかと期待いっぱいです。

この店は渋谷という、ガチ中華がこれまであまり出店してこなかったエリアで、いまだかつてないような新しいコンセプトをかかげています。前例のない勇気のある挑戦なのです。

そこにはオーナーである黄斌(コウヒン)さんの「日本のひとたちにガチ中華に挑戦してもらうきっかけになりたい。そして、食べ慣れた中華料理やアレンジ中華料理も味わってほしい」という熱い思いを感じました。

ガチ中華といえば、現地で食べるような料理を本格的に楽しむ、海外旅行気分で異国情緒を味わう。そんなことを体験したくて行く人が多いのではと思います。「座・撒椒」は、最新のガチ中華のトレンドに、親しみがありながらも斬新な和風中華をプラスしつつ、モダンな国潮空間で中国のイマを感じられるという意味で「進化系中華」なのではないのでしょうか。

座・撒椒の店内

今回、一緒に店を訪ねた中国出身の友達は「内装のデザインが中国っぽい! 烤鱼(カオユー)は本格的でとても美味しい! 大好きな日本の中華料理のエビマヨもあるなんて・・・こんなの初めて!」とびっくりしていました。

実は、中国人留学生も日本の中華料理が好きな人が多いんです。エビマヨやホイコーローが人気です。天津飯は中国にないので面白いと言っています。

彼らはガチ中華だけを食べてるわけではないのです。出身地によっては辛いものが苦手なひともいて、日本の中華料理は魅力的だと思います。実際、ある留学生の友達に日本のおいしい中華料理店を教えてほしいと言われて、一緒に行ったこともあります。

そんなことが私の身の回りでは起きています。

オーナーの黄斌さんの挑戦し続ける姿勢、斬新なアイデア、さまざまな創意工夫には、これからも要注目です。

(二ノ宮彩実)

店舗情報

座・撒椒

渋谷区宇田川町3-1 渋谷東武ホテル B1F03-6452-5995

撒椒小酒館 池袋西口店

豊島区西池袋1-43-3 日精ビル4F
03-5949-6015


撒椒小酒館 上野店

台東区上野4-4-6 BVビル7F
03-5834-3730


撒椒小酒館 大久保店

新宿区百人町1-18-8
03-6908-9164

Writer
記事を書いてくれた人

二ノ宮 彩実
二ノ宮彩実

プロフィール

代表からひとこと

二ノ宮さんがこれまで多くの留学生と交流しながら「ガチ中華」の世界を訪ねてきたことがよくわかるレポートでした。

確かに、日本語教育や日本の文化、歴史を学んでいる留学生の中には、むしろ日本で現地化した町中華のような世界に興味を覚える人もいるかもしれませんね。現地化のプロセスの中にこそ、日本文化特有の特徴や傾向が見えてくるに違いありません。

オーナーの黄斌さん
この店のオーナーの黄斌さんの話を聞くことができたので、紹介します。

黄さんは1985年上海生まれ。来日したのは2004年で、高校卒業後すぐでした。大学3年生のとき、東日本大震災に遭い、多くの上海人が帰国するなか、彼はアルバイト先の居酒屋が人手不足になって店長役を引き受けたことが、飲食業に携わることになる始まりだったそうです。

卒業後、彼は数年間で天賦の経営能力を発揮し、居酒屋やハンバーガーショップなど、さまざまなジャンルの飲食店を最大30店舗以上展開するほどになりました。さらに、現在では越境ECや不動産、IT、そして中国人向け大学予備校なども経営しています。

それでも、コロナ禍によって彼の経営する多くの飲食店が閉店を迫られました。ところが、池袋で「ガチ中華」の出店が加速しているとの噂を耳にし、在日中国人向けの店を同業の中国人オーナーらと共同経営で始めることを考えます。

たとえば、池袋の四川料理店「座・麻婆唐府」(豊島区西池袋1-38-3 VORT3F)がそうです。

そして、2020年12月、二ノ宮さんも訪ねている日本のギラギラ系「ガチ中華」のはしりとなる「撒椒小酒館 池袋西口店」をオープン。その後、2021年7月に上野店、2022年2月中旬に大久保店をオープンさせました。

これらの店は、すぐにわれわれ東京ディープチャイナのメンバーの目に留まり、取材を行いました。

その後、この記事を見た雑誌やテレビの取材ラッシュが始まります。雑誌で最初に取り上げたのは「BRUTUS」だったと思います。

そしてついに今年4月2日に「座・撒椒」を渋谷にオープン。これは、二ノ宮さんも指摘するように「渋谷という、ガチ中華がこれまであまり出店してこなかったエリアでの勇気のある挑戦」です。

座・撒椒 渋谷店の店長、曹駿(ソウシュン)さん
座・撒椒 渋谷店の店長、曹駿(ソウシュン)さんも上海出身

これから東京ディープチャイナでは、渋谷を闊歩する若者たちもぜひ訪ねてもらえるように、このユニークな進化系「ガチ中華」の店を応援したいと思います。

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