東京ディープチャイナは、都内のみならず、首都圏全域に広がっています。川崎から横浜にかけてのゾーンも面白い店が増えています。
今回は、当サイト初登場の城中村(Joe NAKAMURA)さんが日々発掘している地元川崎のディープチャイナの名店の紹介です。
私は過去に仕事で、中国広東省・広州に2年ほど住んでいた経験があります。そこで食べた「広東料理」は日本で食べる広東料理とは似て非なるものでした。
蒸し鶏料理といえば、日本では代表的な料理は棒棒鶏ですが、日本の棒棒鶏のようなゴマのソースがかかっている蒸し鶏料理は中国ではほぼありません。
広東では蒸し鶏料理は「白切鶏(バイチエジー/広東語は「バッチッガイ」)」と呼ばれ、胡麻油とネギ、焦がし玉ねぎやニンニクを混ぜたソースがかけられているのが一般的です。
今は日本の中国料理店でも蒸し鶏のネギソースがけは一般的になってきましたが、私が広州に行った当時はまだ珍しく、現地のレストランでの蒸し鶏は感動的な初体験でした。
鶏は尾頭付きで、鶏冠の美味さも衝撃的。
鶏冠は皮で出来ており、サクサクの食感なのです。
日本では頭付きの鶏はなかなか手に入らないので、あの美味さがなかなか伝えられないのが残念です。
ところで現在、私は川崎市に住んでいます。
川崎といえば、焼肉、コリアタウンなど韓国人街のイメージが強いと思います。
しかし、意外に中国系のお店も多いのです。
もともと韓国系が多い影響か、日本では珍しい延辺料理店が2軒あったり、中国人が営む町中華の店は多かったのですが、ここ数年、ディープな中国料理店の出店が増えています。
なかでも約半年前に開店した注目株をご紹介しましょう。
ある日のお昼時、グーグルマップを眺めながら、何か新しい店はないかな……と探していたところ、川崎駅近くのソリッドスクエア裏手に「港味」の文字を発見。いかにも香港料理っぽいな……と詳細を確認すると、そこには愛しの脆皮焼肉や白切鶏など、香港焼物がいっぱい!
ということで、さっそく向かいました
場所はJR川崎駅から徒歩5、6分。ラゾーナ川崎から北方向、ソリッドスクエア裏手にあります。近くには「中華そばおかべ」や蕎麦の「満留賀」などの人気店の並びになります。
さてどれも魅了的なランチメニューから選んだのは……もちろん脆皮焼肉(ツィペイシウヨッ/皮付き豚バラ肉の焼き物)。皮はサクサク、肉はジューシー。このボリュームで、なんと1000円!(税込)。
ひとくち齧れば広がる五香粉の香り。
まぎれもなく香港・広東で味わったあの匂いです。
ご飯にタレがかけられているのも嬉しいですね。
その他にも焼鴨(シウガップ/鴨の丸焼き)や叉焼(チャーシゥ)、白切鶏など魅力的な料理がありますので、持ち帰りで注文します。
焼き物単品の他に、2種盛り、3種盛りもありますので、ここは3種盛りをチョイス。
盛り合わせは焼鴨、叉焼、脆皮焼肉、白切鶏、醤油鶏の中から好きな3種が選べます。
3種盛りは1500円。
こちらは晩御飯にいただきました。
鴨は噛めば皮はパリッと、皮目の脂がじゅわっとでイメージ通りの味と食感。
白切鶏はたっぷりのねぎ脂が食欲をそそります。
ご飯にのせても最高です。
お店の方は、広東省珠海出身。川崎には本格的な広東・香港の焼味料理の店がなかったので出店したとのことでした。
また別日に伺いまして、別のランチもいただきました。
ランチセットはいずれもボリューム大なので、昼時は男性客がメインのようです。
そしてチャーハンセットや麺のセットを頼む人が多いようです。
町中華としての側面をも持つような、そんな広東料理が川崎にありました。
店舗情報
港味(こうみ)
神奈川県川崎市幸区幸町2-680-7
04-4387-0826