スパイシーで肉本来の味を楽しめる中華の絶品鶏肉料理7品を紹介

たまらなく「大盤鶏(ダーパンジー)」を食べたくなって、大阪日本橋の「周記蘭州牛肉麺」に行ってきました。

■ぶつ切りの鶏肉とジャガイモのピリ辛煮込み「大盤鶏」

大盤鶏は、ぶつ切りの鶏肉とジャガイモのピリ辛煮込みです。3分の1ほど食べたら、手打ちの幅広麺を投入! ピリ辛のタレにからめて食べる麺も美味しく、一品でふたつの口福を味わえます。

大阪日本橋の「周記蘭州牛肉麺」の大盤鶏は、麺が別に出てくるのではなく、最初から入っているタイプ。

ある程度具が残っている時に麺を投入するのがおすすめ!

大盤鶏は名前の通り、お盆のような巨大なお皿で出てきます。中国の西の端に位置する新疆ウイグル自治区を代表する料理ですが、シルクロードの玄関口にあたる西安より西では、非常に人気があります。

新疆料理のお店でなくても西安の麺や蘭州拉麺のお店なら、だいたいどこでも大盤鶏は食べられます。大盤鶏は新疆に移り住んだ漢民族の食の影響を思いっきり受けた料理です。

まさに少数民族のウイグル族と漢民族の食文化の融合! シルクロード好きの私にとって、鶏肉を使った中国料理というと、真っ先に思い浮かぶのは大盤鶏なのです。

■四川は口水鶏、辣子鶏、干鍋鶏

大好きな大盤鶏に満足したせいか、今度は身近なチャイニーズ中華のお店に中国各地の鶏肉料理を食べに行きたくなってきました。

四川料理が好きな人なら、「鶏肉料理と言えば、口水鶏(コウシュイジー)か棒棒鶏(バンバンジー)だ!」という可能性大です。

見るからに辛い辣油のタレがかかった口水鶏は、「よだれ鶏」の名前で、すっかり日本に定着しました。棒棒鶏は口水鶏に似てますが、辣油と芝麻醤のタレで食べます。芝麻醤が入ったマイルドな辛味のタレは日本人の口にあいます。ゆでた鶏肉と辣油、芝麻醤は最高の組み合わせだということをまさに再確認。

10年以上前の日本なら、棒棒鶏は口水鶏よりもメジャーな鶏肉料理だったように思えます。それがインパクトのある料理名や迫力ある見た目もあり、いつのまにか口水鶏のほうが棒棒鶏より人気料理になっている気がします。

京都大学に近い元田中の「火楓源(かふうげん)」の口水鶏
同じく棒棒鶏

日本人が大好きな「宮保鶏丁(コンバオジーティン)」も四川料理のひとつ。一口サイズの角切りにした鶏肉とピーナッツを豆板醤で炒めた宮保鶏丁は、コリコリした食感のナッツと鶏肉を一緒に食べるのがおもしろい。食材の組み合わせのおもしろさを教えてくれる料理です。

「火楓源」の宮保鶏丁

山盛りの赤唐辛子が強烈な「辣子鶏(ラーズジー)」も忘れてはいけない鶏肉料理のひとつ。

赤唐辛子と花椒でスパイシーに仕上がった辣子鶏は、とにかく真っ赤! 唐辛子が野菜のように入っています。見た目そのままの激辛ですが、その中に様々なスパイスが生きています。

四川料理はどれも油にしょうが、にんにく、葱、花椒、桂皮などを入れ、香りを立たせてから、味を作っていきます。辛さの中に複雑なうまみが隠れているのが四川料理です。

北京で食べた辣子鶏。肉より唐辛子のほうが多いぐらい
「火楓源」の辣子鶏。辛さはやや控えめ

四川料理ばかりが続いていますが、中国では大人気の「干鍋鶏(ガングオジー)」も美味しい。

干鍋鶏は、鶏肉、きのこ類、蓮根、ピーマンなどの野菜を辣油、生姜、酒、唐辛子、塩、桂皮などで炒め煮にしたものです。スープがない鍋なので「干鍋(ガングオ)」と言います。鍋のままテーブルに出てくるので、一層美味しそうに見えるのも人気の理由。

これは龍谷大学に近い「天和(てんほう)」の「干鍋鶏」。私が行った時は、ほとんどの留学生が注文していました。若者向け料理?

■広東なら鶏本来の美味しさを味わえる白切鶏

中国では単に肉と言えば、豚肉をさします。中国の市場で見かける「大肉」の文字も豚肉のことです。中国人に一番愛されている肉は豚肉と言ってもいいぐらいなのに、四川を代表する料理には、鶏肉料理がかなり多いことに気づきました。鶏肉って、スパイシーな味つけが合う肉なんですね。

と、書くと、広東人から「ちょっと待て!」と言う声があがりそうです。

広東省には「無鶏不成宴」と言う言葉があります。これは「鶏なしでは宴会はできない」と言う意味。広東人にとって、鶏肉はまさに別格。

その広東省で一番よく食べられている鶏肉料理と言えば、「白切鶏(バイジエジー)」です。

葱やしょうがと一緒にゆでただけなのに、肉はしっとり、ゼラチン質もプルプルの白切鶏は、鶏本来の美味しさをストレートに味わえます。醤油に生姜を入れたタレもありますが、みじん切りにした葱、生姜に塩をいれて作ったタレで食べると、まさに絶品! このタレを創造した中国人に脱帽と言ってもいいぐらいです。

これは広州や香港に多い、調理した肉を専門に売る「焼味(シウメイ)」のお店。右下に置かれた白い鶏肉が白切鶏。焼味は買って帰れば、そのまま食卓に出せるので、むちゃくちゃ便利。中には食堂を併設しているところもあります。

これは香港で食べた白切鶏と焼肉(カリカリに揚げた豚肉)のせごはん。2種盛りにする場合、1種は白切鶏を選ぶ人が目につきました。

白切鶏は、広東料理を代表する料理のひとつですが、辛い味付けを好まない上海や浙江省にも広まっています。チャイニーズ中華では、広東料理や上海料理のお店は少ないのですが、ゆでるだけという簡単料理なので四川料理のお店でも扱っているところがあります。

新疆や四川の鶏肉料理は、豆板醤や唐辛子、さまざまな香辛料との組み合わせを楽しむ料理、広東料理の中では別格の白切鶏は、肉そのものを味わう料理と言えます。

私は、特に鶏肉好きというわけでもないのに、けっこう鶏肉料理を食べていることに気づきました。豚肉料理は、醤油が似合う家庭料理が多いので、茶色で地味。鶏肉料理は見た目が美しく、華やかな感じがします。だから選んでいたのかもしれません。 今年の秋は、チャイニーズ中華のお店で鶏肉料理を食べてみませんか!

店舗情報

周記蘭州牛肉麺大阪日本橋店

大阪市中央区日本橋1-4-4 1F
050-3591-1888

火楓源

京都市左京区田中里ノ前町54-1
ハイツ里の前 1F
075-286-7518

天和

京都市伏見区深草西浦町6-77 脇坂コーポ 1F
075-748-6506

東京で大盤鶏が食べられる店

新疆味道

豊島区南池袋1-26-2 5F
03-6912-5218

香満園

練馬区石神井町3-17-14
03-6913-1328

Writer
記事を書いてくれた人

浜井 幸子

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