5月21日(日)、味坊の自家農園見学会ツアーが開催され、約20名の方たちが参加しました。
参加者は自ら味坊農園で野菜を収穫したのち、東京・足立区にある味坊工房のレストラン(吉味東京)でそれらを使った、「ガチ中華」のとれたて野菜料理をいただこうという素晴らしすぎる企画です。味坊の開店当時からの古い常連の牧野修也さんという大学の先生が主催されたものでした。
吉味東京
味坊の自家農園は茨城県つくばみらい市(埼玉県八潮にも一部あり)にあるので、3台の車を連ねて現地を訪ねました。
味坊集団の代表の梁宝璋さんが東京近郊の農園を借りて野菜の自家栽培を始めたのは2018年頃からだそうです。味坊各店のメニューで使われる中国野菜の葉ニンニクやパクチー、小松菜、菜の花、空豆、ダイコンなどを無農薬で栽培しています。
その集積地が味坊工房です。味坊の店の野菜料理が滋味にあふれ、新鮮で味が濃いのはそのためです。季節によって収穫物は変わるため、いつでも旬の野菜料理が食べられます。
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車で1時間後、味坊農園に到着。梁さんは地元農家から空いた畑をいくつも借りていて、農園は周辺に何か所か点在しています。それぞれ栽培しているものが違うので、梁さんの案内で農園をめぐりました。
梁さんが率先して収穫を始めるので、みなさんもそれにならって畑に入り、収穫を楽しみました。これはジャガイモです。
驚いたことに、梁さんの農園は無農薬栽培だから当然なのかもしれませんが、この白菜畑にはモンシロチョウがたくさん飛んでいました。それはとても印象的な光景でした。
その日、みなさんはパクチーやニンニク、小松菜、春菊、ダイコンなどを収穫しました。
こうして東京に持ち帰った野菜は、その日の夜の宴会で供されました。とれたて無農薬の新鮮な野菜を使った料理を味わうという経験は何物にも代えがたいものでした。
これからその日の「味坊農園見学打ち上げメニュー」を紹介します。
まず前菜から。料理とともに農園で栽培されている写真も並べていくことで、それぞれの野菜がどんな「ガチ中華」メニューと生まれ変わるのか、お見せします。
パクチーサラダ(老虎菜)
これは味坊ではおなじみですね。青トウガラシとパクチーを合えたもので、ガツンとくる刺激が口の中に広がります。
ここからは温菜です。
ニラ卵焼き(韮菜摊蛋饼)
これ素朴な味ですが、うまいです。世の中に存在する卵焼きのなかでも確実に上位級の味。
ウイキョウ水餃子(茴香餃子)
ウイキョウ、すなわちフェンネル入り水餃子。鼻に抜ける爽やかな味わいで、味坊ならではの「シン餃子」の世界です。
こちらはメニューにないですが、その日収穫した茹でジャガイモ。
これはさまざまな料理に使われたニンニク。
ちなみにこの日のメインはマトンの丸焼きでした。
実は、それから数日後、代々木上原の「蒸籠味坊」で「味坊農園収穫祭」なる食事会が開かれました。
梁さんが花束を抱えて笑顔でお客さんにあいさつしているのは、実はこの日、梁さんの還暦祝いを兼ねて、常連やファンのみなさんが集まったからでした。
この日の食事会のメニューはデザートも入れてなんと15品。農園でとれた旬の野菜の調理とともに、中華蒸し料理専門店である「蒸籠味坊」の新開発メニューの数々でした。
この日も「茎レタスの前菜 (凉拌莴苣)」や「農園とれたて野菜スティック(農園沾酱菜)」「パクチーと青唐辛子のサラダ(老虎菜)」「ウイキョウ水餃子(茴香餃子)」などがありました。
ほかにも、とれたて野菜メニューとしては「春菊の西安風蒸し(老城风味蒸茼蒿)」などがありました。
この日のメインの料理は、秋葉原の「香福味坊」で人気の紹興酒の壺を使って調理する「二元豚と発酵インゲンの壺蒸し(酸豆角酒坛蒸肉)」や「発酵高菜と魚の酸湯煮(酸菜魚)」、蒸籠味坊自慢の「蒸籠味坊菜飯(味坊風蒸しご飯)」など、個性豊かなものばかりでした。
味坊の各店では、それぞれ異なるとれたて農園野菜メニューがあります。
たとえば、ある日の御徒町「羊香味坊」のおすすめ料理の中に「エゴマの葉の漬物」というメニューがありました。
このエゴマはもちろん、味坊農園で収穫されたものです。梁さんによると、埼玉県八潮にある農園のものだそうです。
みなさん、味坊の店に行ったら、ぜひ「ガチ中華」の野菜料理を楽しんでください。
最近の梁さんは、週に何度か朝から農園に行って畑仕事をするのが習慣になっているそうです。そして、農園にいるときが、いちばん癒されると話しています。
(東京ディープチャイナ研究会)