昨年秋に東京離島のゲストハウスで出会ったガチ中華好きの知人が、東京に遊びに来るというので、ガチ中華のお店を紹介しがてら行くことに。小皿で色々食べられる系の店がいいという希望で、2軒思い当たりましたが、知人は台湾旅行から帰国したばかりということもあり、ここは台湾つながりで、他の知り合いも誘って4人で去年秋にできたばかりの中目黒のガチ台湾居酒屋に行くことにしました。
お店の名前は「熱炒 虎打樂(ルーチャオホダラ)」。
「熱炒」は温かい料理という意味もありますが、台湾でお店の看板に書いてある場合は、日本でいう居酒屋の意味もあると知りました。なお、「ホダラ」は台湾語で「乾杯」の意味で、店名の漢字は当て字だそうです。
※台湾では学校や行政では中国語(普通話)が標準語として話され、家庭では台湾語を話す家も多いです。ちなみに中国語と台湾語は聞いた感じがだいぶ違います…。
私は呑めないので、台湾の居酒屋には行ったことがないのですが、今回中目黒のお店に行けることを楽しみにしていました。それではお店に入ってみましょう!
中目黒駅から徒歩30秒のガード下、周囲に色々な居酒屋さんもある中、ネオンが個性的な看板がありました。


店内入って右のキッチン側には、台湾の伝統的屋台で見るようなメニューの載った看板、客席はグレーを基調に少しオシャレでモダンな感じと融合した雰囲気です。
着席すると紙製のメニュー用紙があり、注文したいものに数字を入れて店員に渡すスタイルです。飲み物もスライド式の冷蔵庫から自分で選んで席に持ってきます。


これらの方式は居酒屋含め、台湾の飲食店では一般的です。現地ではメニュー用紙しかない店も多いですが、ここでは写真付きメニューもあるので安心です。

まずは飲み物から。
(食べ物含め、「中国語メニュー名(日本語メニュー名)」で表記しています)


料理は葡萄糕(大根餅)から。

久しぶりに食べます。大根がメイン食材で、山芋を使っているわけではないのに、山芋のようなふわふわ食感です。付属のたれは少なめにつけた方が味のバランスよく食べられます。
次に来たのは酥炸鮮蚵(サクサクカキフライ)。

台湾の牡蠣は一般的に小さいものが主流です。日本のフライとは違い、あられのような衣がついていて、メニュー通り、サクサクしています!
粉も一緒に提供されたので、まずは粉だけ味見しました。これは台湾塩胡椒です。台湾の塩胡椒は塩以外にシナモン、八角等のスパイスが5種類以上ブレンドされているのが一般的で、適度につければ、ただ胡椒辛いだけではなく、少し甘味も感じられることが多いです。
台湾大雞排(台湾の大きな鶏の唐揚げ)にもかかっています。スーパーではブレンドの胡椒と、日本でよく使う白胡椒が分けて売られています。この塩胡椒をつけると、一気に台湾味です!
3品目は三杯米血糕(エリンギとミーシエガオの台湾バジル炒め)。

料理名は知っていたのですが、台湾の外食で目にしたことがなく、初めて食べました。台湾でもホダラのような居酒屋や、台湾食のレストランで食べることができるそうです。
鶏炒めもあったのですが、私は米血糕が好きで、他でなかなか食べられないのと、メンバーにもぜひ食べてほしいのでこちらにしました。
三杯とは、醤油・酒・胡麻油のことで、このメニューはそれらの調味料で炒めた料理です。
こちらのお店は台湾人2名で創業しており、その1人が台湾で一番古い醤油メーカーの4代目で、この店の料理にも台湾醤油を使っているそうです。日本の醤油より甘く、黒豆から作られているとのことです。
また、米血糕とは、もち米に豚の血を混ぜたもので、鉄分補給の一つとして現地ではよく食べられています。どの料理に使用しても生臭さはありません。
この料理の見た目は濃いですが、しょっぱくはなく、台湾バジルのさわやかさもありいいバランスです。米血糕のモチモチ感と、エリンギの弾力もよく合います。味付きで材料がわかりにくいので、材料の写真を載せます。


そういえばここの販売員の方も三杯鶏の料理にいいよ、と勧めていました。
さて、ここまでで日本の居酒屋にあるようなメニューは一切食べておりません。
ディープな台湾料理、まだまだ食べていきましょう。
次に来たのが、麻婆臭豆腐(日本メニュー名同名)。


この店のオリジナルメニューだそうです。一番気になっていたメニューです。メニュー写真にも「挑戦」と書いてあります(笑)。臭豆腐とは、台湾の屋台で有名なあの鼻にツンとくる豆腐です。それを麻婆豆腐に入れたらどうなるのでしょうか。
豆腐の一部に褐色の豆腐が見えますが、それが臭豆腐です。料理の塩味も強めで、ネギもいっぱいかかっているので、食べてみればそこまであの独特な臭味はそこまで感じられないので、臭豆腐初心者の方でも食べることができると思います。
続いては鳳梨蝦球(海老パイナップルマヨネーズ)。

台湾のマヨネーズは甘いので、メンバーのみんなにも食べ比べてほしいので注文しました。
見た目はチョコスプレーもかかっていてまさに創作料理な感じです。マヨネーズが甘めで、熟したパイナップルも入っていて、チョコスプレーもかかっていたら、もはやデザートです。でも不思議と箸休めになる味でした。
ちなみにこの台湾マヨネーズと、さっきの台湾塩胡椒で玉子サラダを作るといつもと違う味ができます。
最初に頼んだものが一通り来たので、追加で料理を頼みましたが、このうちの2品が結果的にベストタイミングで頼んだものでした。
その1つは「蒼蠅頭(花韮と豚ひき肉の炒め)」です。


写真ではどんなものか想像がつかなかったので興味本位で注文しました。
「蒼蠅」が実はハエの意味だということは後で知りました…。料理に使われる豆鼓がハエの頭に見えることからこの名前がついたということです。
メニューの名前とは裏腹に、とてもおいしいのと、味も濃いめなので白ご飯にかけたら絶対合うと思い、白ご飯を注文、みんなで分け合いました。これは本当にご飯泥棒でした…(笑)家でも作れそうなので、作ってみたいと思います。
もう1つが「麻油雞(ごま油と生姜風味の鶏スープ)」。

これは鶏肉、生姜、胡麻油、酒等を中心に煮込んだ薬膳スープで、冬に食べると身体が温まるので、冬に食べたくなる料理です。簡易コンロで提供されるので、温かさをキープしたまま食べることができます。これは本当に現地の味と同じで優しい味で癒されます。
主役ではないですが、クコの実があることも嬉しいです。現地では麺線というそうめんに似た麺を入れてもとてもおいしいのですが、麺は今回メニューにないので、白ご飯を追加して雑炊にすることに。最高の〆めです!
今回のメンバーは私を通じてお互い初対面だったのですが、終始楽しくお話でき、ご飯と飲み物以外でここに載せていないものを含め、9品も食べることができました!
ガチ台湾料理で乾杯したい人は、この店で「ホダラ!」
参考資料
PRタイムス:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000153855.html
「台湾いただきます手帖」(沼口ゆき著 誠文堂新光社)
(aokinapple)
店舗情報
熱炒 虎打樂

目黒区上目黒3-4-15
03-6303-3711
Writer
記事を書いてくれた人
