中国人がイチ推しする新大保「兆奎餃子」で焼き蒸し茹で酸辣湯の食べ比べ

中国人がイチ推しする新大保「兆奎餃子」で焼き蒸し茹で酸辣湯の食べ比べ

東京ディープチャイナ読者の皆さん、こんにちは。三度目のふ味園取材となりました、写真担当の夏木です。

今回取材で訪れた「兆奎餃子」は、実はこれまでに何度も足を運んでいるお気に入りのお店です。

見慣れた店内と、食べ慣れた餃子たちですが、こう取材メンバーとして改めて触れてみるとすごく新鮮で違った観点からの楽しみ方ができた感じがします。多種多様な餃子に囲まれ、たくさん堪能できて最高でした。

さて、あなたが今この記事を読んでいるということは、少なくとも餃子のことをそれなりに好いているということでしょう。BUMP OF CHICKENファンを名乗っておいて『天体観測』しか知らないのはあまりよろしくない事態であるように、餃子好きを公言するならば「兆奎餃子」のことを少なくとも知っておく必要があります。それでは本題に入っていきましょう。

44種類の餃子!?

兆奎餃子ではなんと・・約44種類(4種類の調理方法×11種類の具材)の餃子メニューを楽しむことができます。

兆奎餃子44種類の餃子
兆奎餃子

日本で餃子といえば「焼き餃子」「具材はニラやキャベツ、豚ひき肉」が定番ですが、中国の餃子は調理方法も具材もバラエティに富んでます。

また中国では餃子は“主食”であり皮が厚くもちもちしているのが特徴。日本でよく食べる薄皮×焼き餃子は中国から伝わったのち、日本の食文化に合わせて“おかず”として食べやすい形にローカライズされた形だったりします。

兆奎餃子

全種類食べるぞ〜!と意気込んでいましたがメニューの多さに無理だと悟り、今回はおすすめの調理方法×具材を挑戦してきました。餃子ってこんなに種類あるんだ〜と驚いたり、どの餃子を食べようかな〜と悩んだりする経験は初めてでした。それでは、調理方法別で紹介していきましょう。

茹で・・・水餃子

お湯で餃子を茹でて作られる水餃子。中国で餃子といえばこの水餃子を指します。日本の餃子と比較をすると皮は厚めでもっちり。ひだがなく、ぎゅっと具材を摘むような包み方です。そして何より大きい!

水餃子

具材は豚肉、海老、卵、ニラ(肉三鮮)と盛りだくさん。具材の旨味が凝縮されておりジューシーさもバッチリ、油を調理で使わないため重さは感じません!えびが細かく切られており食感にもメリハリがありました。またタネにしっかり旨味があるので、醤油なしでもいけちゃいます。ガチ中華としては邪道ですが、ご飯とのコンビネーションは醤油をつけるとなおよし。

蒸し・・・蒸し餃子

セイロで蒸して作られる蒸し餃子も中国でよく食べられています。水餃子と焼き餃子の良いとこ取りでもっちりと香ばしさの共存が絶妙な食べ方でした。特に一瞬肉まんかと思うぐらいの濃厚な小麦の香り。皮の美味しさを堪能するならこれだと思いました。

蒸し餃子

具材は豚肉と白菜の漬物(猪肉酸菜餃子)、白菜は酸味はありつつも発酵感はマイルドで味を引き締めてくれるので食べやすいかなと。

スープ・・・酸辣湯餃子

酸辣湯スープの中に水餃子を入れる酸辣湯餃子。陝西省等では酸湯水餃と呼ばれる黒酢入りの辛くて酸っぱいスープで食べる餃子があり、それの酸辣湯バージョンといった感じでしょうか。スープの中にもっちり小麦生地が入り、食べ応えもバッチリ。

酸辣湯餃子

具材は豚とセロリ(猪肉芹菜餃子)。しっかりとセロリが効いており、餃子を持ち上げると湯気とともにセロリの香りがふわっと立ち上がります。

酸辣湯≒酸辣湯麺というで、麺に酸味のある熱々スープを絡めていただくイメージでしたが、セロリ入り餃子はスープの味に負けない存在感で、まったく新しい味でした!強い味×強い味のコンビネーション、最高でした。

焼き・・・焼き餃子

お馴染みの焼き餃子。中国でも焼き餃子は食べられていますが日本とは少し異なっており「残った水餃子を焼いて食べる」という立ち位置であります。

焼き餃子

厚めの生地で焼き目がつくことで生地の香ばしさが引き立ちます。ボリューミーながら油っぽさは控えめでとても食べやすいです。具材は豚肉、えび、ネギ(鮮虾餃子)でこちらは大きめにカットされたエビが主役。皮のカリカリ感とエビのぷりぷり感を楽しめる逸品でした。

美味しい餃子の裏側

兆奎餃子では注文を受けて餃子が作られます。お店に入ってすぐに餃子を作るスペースがあり、生地を切り、延ばし、具材を包む・・様子を見ることできます。

生地を伸ばす様子
生地を伸ばす様子
具材を詰める様子
具材を詰める様子

この手捌きがなかなかに華麗で一つのショーを見ているようなので、兆奎餃子を訪れた際には覗いてみてください。

常連客が語る兆奎餃子の魅力

兆奎餃子は、2013年に「朋来聚」という名前で始まり、2021年3月に「兆奎餃子」としてリニューアルオープンしました。

兆奎餃子の外観

瀋陽の老舗有名餃子店「老辺餃子」で働いていた腕利きの料理人をヘッドハンティングしたことを機に、餃子をメインに置いたメニューのラインナップになったそうです。これによって他店との差別化も図られ、日本人にもより受け入れられやすくなったんでしょうか。いわゆる神アプデってやつですね。

何度か足を運ぶうちに気付かぬうちに常連化してしまっていた、こちら兆奎餃子の魅力は「どこで食べる餃子よりも美味しく大きく食べ応えもあって大満足」というのがやはり一番です。

また自分一人で食べに行くことよりも、友人などを連れていくことが多いです。遠くから東京に遊びにきてくれる人の印象に残るような店に行きたい時、餃子ファンと遊んでいる時、ガチ中華に少し興味があるけどカジュアルに攻めたい時、など、様々なシチュエーションでこの店を選んでしまいます。

兆奎餃子の店内

店はカジュアルな雰囲気で過ごしやすく、多種多様な餃子以外にも中国東北地方のものを中心に色々な地域の中華料理が取り揃えられているので、餃子だけを食べたいという人だけではなく、中華料理を広く楽しみたいという人のニーズも見満たしているというのがGOODなポイントです。

兆奎餃子メニュー表
メニュー表は40ページ強もあります、メニュー表の重さに驚きました

定食や、食べ放題、宴会コースもあるので、どんなシチュエーションにも対応できるのが強みです。

兆奎餃子宴会メニュー
宴会メニュー。ガチ中華慣れしていない人も楽しめそうなラインナップ
兆奎餃子定食メニュー
定食メニュー。夜にも定食メニューがあるのはソロ活ガチ中華勢としてはとてもありがたい

そして最後は、中国の大連出身であり、1998年から日本に住んでいる小林さんの人柄の良さもまた、このお店の魅力の一つです。

兆奎餃子小林さん(写真左)と中村代表
小林さん(写真左)と中村代表

小林さんの素敵な接客が完全に店内の空間の空気を作り出しています。体感、照明四個分くらいは明るいです。ただ機械的に明るく振る舞うのではなく、心からの暖かさが感じられるような、そんな素敵な接客です。

そこまでの高頻度でこのお店を訪れていたわけではないのですが、しっかり顔を認識してくださっていて、それを知った時に嬉しかったのを覚えています。取材当日も「久しぶりー!!」と声をかけてくださりまして、「久しぶり」という言葉が出てしまったほどに前回の来店から時間がかかってしまったことを悔いました。

兆奎餃子の小林さんとお客さんの様子

本場の餃子を食べに兆奎餃子へ

さて、ここまで読んでくださった方は今、餃子のことで頭がいっぱいかと思います。まあそうでなくても、早速今日の晩御飯、もしくは次の休みの予定を確認しましょう。

都心部で勤務されている方は、次の出勤時の昼休憩に、もしくは仕事終わりに最高の餃子で一日を締めくくるというのもまたいいんじゃないでしょうか。一人でも誰かとでも行ってみてくださいね。それでは!

執筆後記

東京ディープチャイナライターの文香です。ふ味園取材第三弾「兆奎餃子」は主担当を常連客の夏木さん、餃子紹介をこむじゃさんと私でお送りしました。ここでは執筆後記として感想などを書かせていただきます!

私は取材直前に母と西安を旅行し、ローカルチェーン店で水餃子、酸湯水餃をいただきました。私はガチ中華に浸かりすぎて感覚が鈍っていますが、ガチ中華初心者の母が「日本の餃子と比べると違う。皮が厚くて、皮がモチモチで美味しい」と気に入っており、水餃子は日本人にも受け入れやすい本場中華だと思っていたところでした。

西安で食べた水餃子
西安で食べた水餃子

さて、兆奎餃子の餃子はそんな西安で食べたものと皮の厚さ、食感等がとても近く、ガチ中華初心者がガチ中華をハードル低く体験できるお店だと思いながら取材していました。

味は本文の通りですが、皮が厚いとはいえ、具材もたっぷりで主食感がありつつも栄養も取れて罪悪感なく食べられました。また、日本の餃子とは異なり油やニンニク感もないので前後の予定を気にせず食べられてありがたいなと思いました。

また取材で印象的だったのが「日本人客の多さ」、東京ディープチャイナの和田さんから「中国人の間で餃子が美味しいと評判のお店」と伺っていたので、一般的なガチ中華店(中国人に囲まれ食事をする)を想定していましたが、女子会をする常連と思われる日本人、一人で定食を食べる日本人がいて驚きました。

美味しい餃子を軸に多様なメニューがあることも要素としては大きいと思いますが、小林さんのファンも多いのではないかと思いました。

今回は餃子を取り上げましたが、他にもぜひ注文してほしいメニューが沢山あります。

麻辣香锅
麻辣香锅:汁なし麻辣湯。味が香ばしく、具沢もエビ、イカ、ジャガイモ、キクラゲ、蓮根、エリンギ、湯葉、など盛りだくさんで食べていて飽きません。特にエビは大ぶりで皮までパリパリでおすすめ
凉拌海带丝
凉拌海带丝(千切り昆布の和え物):大連産の昆布を使ったサラダ。昆布が肉厚で良いです

新大久保駅から近く定食等もあるので、ふらっと立ち寄りやすいと思います。ぜひ訪れてみてくださいね。

(夏木&ふ味園)

店舗情報

兆奎餃子

兆奎餃子

新宿区百人町1-10-10 新大久保KMビル 1F
03-5937-0586

Writer
記事を書いてくれた人

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