皆さん、こんにちは。中医師の村木亜ゆみです。
今日も皆さんからの質問にお答えしますよー。
やはり質問には「薬膳」というキーワードが多いですね。
今日はその中から、まず
「薬膳ではあれはダメこれはダメがないとのことですが、何を食べてもOKですか?」
という質問にお答えします。
実は、「何を食べてもよい」というわけではないのです。
薬膳の基本は「今、その人がどんな状態か」「どんな体質なのか」によって食材を選んで調理することなので、「今、その人の状態や体質にあっていなかったら」食べてはいけない、ということになります。
繰り返しになりますが、熱がある時には熱を冷ますものを飲んだり食べたりしますよね。冷えているときには温めるものを摂る。
ですので、のぼせやすい、赤いニキビが出やすいなど熱の症状が出やすい人には、身体を温める食材は「なるべく避けたい」わけです。
どんなにブームになっていても、自分に合うかどうかは人それぞれです。食養生はまずは自分の体質や体調を知ることから始めましょう。
という話をしていましたら、知合いが
「アタシはニンニク食べた後で胃が痛くなったりするんだけどそれも薬膳に関係ある?」
ないことはないですねえ。
生のニンニクにはアリシンという刺激成分があるのはご存じかと思いますが、うちの業界的にいうとニンニクは身体を温める性質があるので、人によっては胃に熱がこもってしまって胃が痛むことが考えられます。
アリシンは熱や酸に弱いそうなので、加熱したり、酢漬けしたりすると胃に負担がないのだそうです。
食材の特性を知り自分の体質や体調を知って摂りましょう。
胃の弱い人は生で食べるのは控えて加熱したものを、量を控えめにね。
ちなみに、本場で食べる餃子は中の具材にニンニクは入っていません。ニラが入っていることが多く、肉なしでニラしか入っていない餃子にも出会ったことがあります。
村木のお気に入りはセロリ入り。当然ですが焼き餃子ではなく餃子といえば水餃子。
ニンニクが入っていないので、北方の人たちは生のニンニクをかじりながら餃子を食べるのだそうで、村木が餃子食べている向かい側で生にんにくをバリバリかじりながら餃子を食べている人がいましてな。
この人たちは北方人? 胃が強いんだなあと思いましたとさ。
さて、次の質問は、
「果物は身体を冷やすと聞きましたが、冷やさないものもありますか?」
生野菜や果物は「生もの」と呼ばれ、身体を冷やすので冷えのある人は控えましょうと言われますね。
実は、果物の中でも身体を冷やさない「温」の性質、或いは冷やしも温めもしない「平」の果物があります。
桃や杏、さくらんぼは「温」、ぶどうや梅は「平」とされています。
「温」だから体温が2度上がって冷えが治るとかいうわけではなく、スイカや柿のように
身体を冷やすものではない、とお考え下さい。
桃を食べてホカホカ温まったって体験、村木はないなあ。
昔の人の経験でもありますが、成分的なものもあるのかもしれません。食材について栄養学的な成分を語ったものと、中医学的に効能と性味を語ったものとミックスした本があるかと思いますので、参考にしてください。
春の象徴のようなイチゴも出回るようになってきました。
季節ごとの美味しい果物が食べられるのはありがたいですね。
次の質問は……おおっと、時間切れだ!
引き続き皆さんからの質問、お待ちしてまーす!