読者の皆さんこんにちは。
中医師の村木亜ゆみです。
気が付けばもう年末やないですかい⁉ たまげだなやー(これを書いたのは、昨年末のことでした)。
と東北出身の中医師Aが言うので、一緒にびっくりする村木です。
年末といわれてて想像するものは…
クリスマスにお正月に忘年会にボーナスに…
クリスマスケーキにおせち料理に…。
あっ、大掃除と年賀状を忘れてた(涙)!
あと半月、やらねばならないことは何かを考えつつ、おせち料理のカタログをもらってきたのを思い出しました。
村木の母親は「お正月だからといって特別なことはしない」という人で、お雑煮と数の子と黒豆があればそれでOKでしたので、結婚してからおせちの準備をすることになって目を白黒させたもんです。
海外にいたから無理、と思いきや、駐在マダムの皆様は日本の食材売ってるスーパーで材料買ってきて準備してました。どひゃー。
さて、おせち料理のルーツはといいますと、中国から伝わった節句の祝いの料理がもとになっているといわれ、現在お正月に食べるおせち料理は、1年の五穀豊穣を祈り、神様にお供えするものとしておめでたいものとなっています。
うーむ、お正月の縁起物なわけですわね。
めでたさを重ねるということでお重に入っているそうですが、それぞれの料理もめでたい意味が込められております。
昆布巻きは「よろこぶ」、
黒豆は「色が黒くなるまで、まめで達者で働けるように」、
栗きんとんは栗金団、お金がわんさかあるように、という願いが込められています。
おせち料理のカタログを見ていると、本来の意味どこ行った?てなものも見受けられますが、これを中医学的に見たらどうなるんだろう?
という考えがわいてくる村木。
見てみましたよ~。
まずは昆布巻き。
昆布は薬膳では「鹹、寒、帰肝脾腎経」身体の熱を冷まし、余分な水分を体外に出します。
それから黒豆。
性味は「甘、平、帰脾腎経」で、腎を元気にするとされています。
アンチエイジングには腎によい黒いものを、といわれますが、おせち料理は黒っぽいもの多いですな。
冬だから五行の水グループに入っているものが多いのも当然かもしれません。
黒くないですが、海老も「甘、鹹、温」で身体を温めるはたらきがあります。
じゃ、黒くないものはというと…やっぱりみんな大好き栗金団ですかね、
栗は「甘、温、帰脾腎経」、疲れやすい、足腰がだるい人におすすめの食材。
さつまいもは黄色くて「甘、平、帰脾腎経」、脾にはたらいて胃腸を元気にし、食物繊維も豊富で便秘防止に。
腎は「先天の気」といって、出生時にもらってくるエネルギーを溜めておく場所、脾は「後天の気」、つまり出生後に私たちの成長を助けて声明を維持するためのエネルギーを作り出す場所。
この二つにはたらく食材が多いのもうなずけます。
他にも筑前煮の中のレンコンとか、鶏肉とか、蘊蓄語りたいですが、みなさんも村木もお忙しいのでこの辺で。
新しい年もどうぞよろしくお願いいたします。
もちろん、中医学やら薬膳やらツボやら、質問もお待ちしております。
(村木亜ゆみ)