東京ディープチャイナのSNSには、日々いろんな方からの最新「ガチ中華」情報が届いています。先週、楽しい報告をしてくれたシミズンさんの投稿を転載します。
新しく開店した「齐齐哈尔烤肉 池袋本店」(東京都豊島区西池袋)に行ってきました。
「烤肉」というのは中国の焼肉のことで、大勢でワイワイ食べてきました~!
場所は人気のフードコート「友誼食府」の南側あたりで、東武デパートからほんの数歩のところです。
冷蔵スペースには、すごい塊肉が! これは期待できそうです。
さて、各テーブルのグリルで焼いていきます。
まず、白い紙を敷いて、酸菜(塩漬けの発酵した白菜)を周りにぐるりと置いて土手のようなものを作ります。写真で焼かれているのは、ラム肉。
真ん中で肉、赤玉ネギ、パクチーを焼いていきます。赤玉ネギを使うのにも理由があり、普通の白い玉ネギでは独特のおいしい味が出せないそうです。
その他にも、ハラミ・和牛肩ロース・カルビなどを次々焼いていきます。
花椒料(ホワジャオリョウ)という特製パウダーをたっぷりつけて頬張りましょう。
この粉は、ゴマ、クミンにいろいろと加えた秘密のレシピによるものです。
秘密の部分はここには書けないので、気になる方はお店に行って直に訊いてみてね。
なかなかすごいですよ~。
下に引いた紙を取り換えて、次の肉を焼いていきます。
紙を変える時に、やけどをしないように気を付けましょう。
お店の方にまかせた方がいいかもしれません。
今度は、エリンギで外側の土手を作りました。
先ほどの酸菜のように外側を囲むことで、中の肉の旨味をしっかりと吸い込んでいきます。
肉の旨味をたっぷり吸ったエリンギは絶品でしたよ~!
さて、次の肉は何の肉でしょう~?
はい、カエルでした。
私は食べませんでしたが、鶏肉のようだけど鶏肉よりずっと美味しいと食べた方は言っていました。
肉だけでなく海の幸もいきましょうか。
タコやエビも、どんどん焼いていきます。
唐辛子、ゴマ、クミン、特製パウダーが入ったものが各テーブルにあるので、好みで自分の皿に加えましょう。
他にも、春雨・干し豆腐・パクチーの酢の物の「家常涼菜」も頼みました。
お肉の後に食べるとさっぱりして、また次の焼肉に挑戦したくなります。
冷麺、クラゲ、餃子・・・調子に乗って次々に注文していきました。みんなよく食べますね~!
パクチーは毎日1kg仕入れるそうです。すごいですね。
にぎやかで楽しい集まりでした!
シミズンさん、ありがとうございました。
ところで、「齐齐哈尔烤肉」というのは、中国黒龍江省の一都市、齐齐哈尔(チチハル)で食べられている焼肉のことです。
当研究代表の中村がこの店を偶然見つけたのは、12月上旬のこと。友誼食府のエレベーターの脇にこんなポスターが貼られていたからです。
なにしろ中国黒龍江省チチハルの名を付けた「ガチ中華」は、東京では初めてのことだったので、住所を頼りに店を訪ねると、張宏さんという同地出身の老板がいて「チチハル焼肉は日本でここだけ」と話してくれました(実は、ある方がSNSに投稿してくれた情報によると、大阪の日本橋に同名の店があるそうです)。
チチハルは黒龍江省西部に位置する同省第2の都市で、清国時代には同省の中心都市でした。黒龍江省といえば、現在の省都のハルビンが有名ですが、ここはロシアが東清鉄道を敷くために20世紀初頭に建設された新しい都市です。チチハルは内蒙古自治区と接していて、モンゴル族や満州族のほか、ダフール族やエヴェンキ族といったかつて森に住んでいた少数民族も暮らしています。
市街地の東北部に扎龍自然保護区という湿原があって、夏はタンチョウヅルなどの飛来地になっています。
中村はこの湿原を訪ねたことがあるので、その話をしたら、張さんは驚いて急に笑顔になりました。あとで同じチチハル出身の味坊の梁宝璋さんにウィチャットでこの店のことを教えると、彼は「老板私の朋友です」と返信してくれました。
そりゃそうですよね。チチハルの人って日本では珍しいので。そこで、梁さんと一緒に店を訪ねる約束をしました。
そのとき、思いました。ふたりだけで行くのはちょっとつまらないので、グループの皆さんにもお声かけして、いらっしゃれる方には来ていただこうかなと。すでにこの店を発掘した投稿はしていたので、そこに以下のような告知を加えました。
「来週13日(火)17時半からこの店で食事会をすることになりました。梁さんも来ます。いらっしゃれる方はひとことご連絡ください。ゆるい集まりなので、人数が増えても減っても気にしませんが、だいたいの人数は把握しておきたいので。よろしくお願いします」
すると、シミズンさんをはじめ、多くの方から参加したいとのコメントが入りました。結局、12名の方が参加してくれました。
40名とかたくさんの方を集めた食事会も楽しいですが、このくらいの人数だと参加された方全員とゆっくりお話ができるのでいいですね。今回は北京で23年仕事をしていたという中国通の女性も参加してくれました。このグループは本当に面白い方が多いです。
でも、実際にはそれだけの数ではなかったのです。というのは、味坊の梁さんにとってこの店のオーナーの張さんは同郷の弟分のような存在であり、大勢で押しかけて店を応援してやろうという思いがあったのでしょう。味坊集団のスタッフの人たちが9名も参加して、総勢21名の食事会になりました。
実をいうと、この店は以前、友誼食府に出店している三宝粥店の本店でした。
最近、「ガチ中華」のオーナーたちは、店のリニューアルや業態の転換に積極的です。これだけ店の数が増えると、競争も激しいので、なるべく誰も手がけていないジャンルの料理を出すことで差別化したいのだと思います。
店には個室もあります。
基本注文はタッチパネルです。日本語表記があるのと、焼肉なので具材を選ぶだけでほぼ注文できるので、利用しやすいです。
今後もこのスタイルのゆるい食事会をやっていけたらと思いました。みなさんも、もしよろしければこのグループのSNSを活用して、自分の発掘した、とっておきの店があったら、一緒に行っていただける方を呼びかけてはいかがでしょう。
(東京ディープチャイナ研究会)
店舗情報
齐齐哈尔烤肉(チチハル焼肉)
豊島区西池袋1-28-1
第二西池ビル6F
03-5956-8881