京都龍谷大学前「無名小吃」の汁なし鍋や内臓系は絶対はずれなし!

京都にも東京と同じく、コロナの時期にオープンした「ガチ中華」のお店がたくさんあります。この時期に20軒以上は新しくオープンしているはずです。

龍谷大学前は京都「ガチ中華」のメッカですが、なかでも私が好きな店はここ!

「无(無)名小吃(ウーミンシャオチー)」(京都市伏見区深草西浦町) 。

無名のスナック? 無名のファーストフード?

なんと訳せばいいかはわかりませんが、この店はすごい。いや、身体壊すよと言ってあげたい。朝から晩まで店が開いていて、一体いつ休憩しているのか。

オーナーの杜君杰さんは、中国山東省烟台のご出身で、2006年の11月に京都に来られました。中国の料理学校で2年間修業した後、烟台の5つ星ホテルでコックさんとして働いていたようです。

京都に来てからは、老舗である「龍門」の三条本店で5年働き、北山の「白龍」で9年働いた後、2021年にコロナの時期ではありますが、自分のお店をオープンさせました。

ちょっと方言がきつすぎて、取材をさせてもらったのですが、全然聞き取れませんでしたw

杜さんの場合は、長年働いて永住権も取れていたので、自分で店を持ったというパターンです。奥様も中国にいるときから連れ添った方で、ホールを担当されており、肉まんを包んだりする作業もしてくれるそうです。

このお店、ほんとにおいしいんです。留学生が集まる場所なので、お腹を満たすために量も多い。まずいものはない! そして安い。

まずい? ものがあるとすれば、お店では大人気の羊の内臓スープ「羊杂汤(ヤンザータン)」。私には合わないだけで、他はほんとにおいしい。でもこの羊杂汤を飲んだ後は、体がぽかぽかしてきて、汗が出るほど! 白コショウがたっぷり入っています。匂いが気になる方は、黒酢をたっぷり入れるとおいしいです。はまる人ははまるので、是非試してください。

ではこれからこの店のおいしい料理を紹介します。

まずは、冷菜。

よく頼むのは「夫妻肺片(フーチーフェイピエン)」。ネットの翻訳機能を使ったら、「夫婦の肺のスライス」? とんでもなく怖い食べ物ですね。

実際の夫妻肺片は、伝統的な四川料理。牛の内臓肉を香辛料で和えた冷菜で、1930年代に四川省成都で屋台の行商をしていた郭朝華と張田正夫妻が創案したとされます。牛の胃、心臓、といったさまざまな内臓肉を香料入りの煮汁で煮て、冷ました肉を薄切りにして盛り合わせ、ラー油、花椒、唐辛子などから作ったタレをかけた料理。牛肉を加えることも多いです。タレもおいしいし、臭みなし。

そして、胃袋とセロリの和え物の「芹菜炝猪肚(チンツァイチャンズードゥ)」。臭みもよく取れていて、胃袋の触感が気持ちいい。あっさり味付け。

「皮蛋豆腐(ピータン豆腐)」。これはよくあるやつ。

日本人受けしそうな甘辛味なのが、鶏肉の甘辛酢炒め「宫保鸡丁(ゴンバオジーディン)」と甘酢味のスペアリブ「糖醋排骨(タンツーパイグゥ)」

あさりのピリ辛炒めの「辣炒蛤(ラーチャオグー)」はときどきじゃりっとしますが、おいしい。

マトンとクミンの炒め「孜然羊肉(ズーランヤンロウ)」もおいしい。

クミン(孜然)はあまり日本では使いませんが、中国ではよく使われる香辛料で、特に羊肉の場合に使われます。

「水煮鱼(シュイジゥユィ)」は白身魚と豆もやしがたっぷり入った四川風麻辣味で、お野菜をたくさんとりたい人におすすめです。

この赤に対抗して緑色のスープの「酸菜鱼(スワンツァイユィ)」もおすすめ。できれば、2つ頼んで食べ比べを!

酸菜鱼は四川料理のひとつで、ソウギョなどの魚と、四川省で「酸菜」と呼ばれる青菜の漬物をトウガラシ、花椒と一緒に煮たもの。2019年に上海に行ったとき、地元で超有名な「太二酸菜魚」という店があるというので、行ってみましたが、待ち時間3時間というので、あきらめて帰って注文することにしました。

そのとき、太二はテイクアウトやデリバリーをやっていなかったのですが、「跑腿(Pao tui)」いう配達サービスを使って買ってきてもらいました。

これが「太二酸菜魚」のデリバリーのバッグ。

何でここまでやったのか? おいしいのは当たり前として、デザイン面白いですね。日本に支店できないですかね? 期待しています。

私がこの店で特におすすめしたいのは、汁なし鍋の「干锅(ガングォ)」、汁がなくなるまで炒めた「干煸(ガンビェン)」「干香(ガンシャン)」などの汁なしシリーズ。絶対にはずれがありません。お酒がいくらでも進みます。

スルメイカの山椒入りピリ辛炒め「干煸鱿鱼爪(ガンビェンヨウユィジュア)」

三度豆の山椒入りピリ辛炒め「干煸豆角(ガンビェンドゥジャオ)」。

ナスの山椒入りピリ辛炒め「干香茄子(ガンシャンチエズ)」

海老の汁なしなべ焼き「干锅虾(ガングォシャー)」はジャガイモやレンコンも入っていておいしいんです。

内臓系も多い店に思えます。日本人の方は好きでない方も多いかもしれませんが、大人数で行かれた時などは、試してみては。おすすめです。

主食の麺は自分では作っておられないそうですが、もちもちで、しっかりた麺です。汁なし油かけ麺の「油泼面(ヨウポーミェン)」がおすすめです。

水餃子も季節によってメニュー以外のものもあるようです。

茴香饺子(フイシャンジャオズ)がありました。でも、これは私が作った方がおいしかったw ネットでも冷凍が売っているのでぜひお試しください。

私が唯一作る料理が茴香饺子です。今年は茴香(フェンネル)がなかったので、作れていません。

ナズナの餃子「荠菜饺子(ジーツァイジャオズ)」もおいしいです。

ここの肉まんも150円でめっちゃ大きい。留学生はこれで生活をしのげますね。

中国産のモチモチのトウモロコシ「粘玉米(ザンユーミー)」も200円も売っていました。

ネットより安い気がする。

とにかくここのお料理はすべておいしいです。全品制覇を目指しています。

このあたりの店では珍しく朝食も販売しています。お粥や肉まん、中華風揚げパンの油条も曜日によっては販売しています。

そして、中華料理人を目指す人も募集中です。杜さんは働きすぎで、倒れられたら私の楽しみがなくなります。中華料理人に本気でなりたい方募集中です。

杜さんは日本語があまり話せないようですが、ちょっとはできます。

店舗情報

無名小吃

京都市伏見区深草西浦町3-15-1
営業時間 8時半~15時 16時半~21時 
火曜休日

Writer
記事を書いてくれた人

阳子 YANGZI

プロフィール

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