名古屋の上海料理店「上海朱家角生煎包」で生煎包のレシピを学ぶ

愛知県名古屋市在住のnonです。

このたびは、名古屋市中区栄にある「上海朱家角生煎包(シャンハイシュカカクサンチェンポウ)」さんにお邪魔をさせていただきました。

名古屋市中区栄にある「上海朱家角生煎包(シャンハイシュカカクサンチェンポウ)」

ご主人の呉さんは、上海の朱家角のご出身で、28歳の時に日本へ来られたそうです。

30代で調理師の免許を取得しておられます。その後35年にわたり、日本でお住まいとのことでした。
お店は、25年目とのことでした(2023年現在)。

こちらのお店では、本格的な上海料理がいただけます。

なかでも、お店の名前にある「生煎包(サンチェンポウ)」はお店を代表するメニューです。

底面にしっかり焼き色の付いた生地に、ゴマとネギがアクセントになっている一品。

こちらのお店では、注文を受けてから調理をしてくださいます。

できたての味をいただけることが、嬉しいです。

出来立ての生煎包、上はフワフワ、下はサクサク、中は肉汁がしっかりという食べ応えのある内容です。

皮は少し厚みがあり、豚肉の肉汁のうま味がしっかり閉じられています。一口でいただける大きさですが、口の中で熱々の汁が味わえます。

生煎包(サンチェンポウ)

肉汁がしっかり皮の中に閉じられているのにも、お店ならではの工夫があるそうです(ゼラチンで汁を固めてはいないとのことでした)。

皮については、塩を入れると皮が固くなってしまうため、米粉と水のみで作られているとのことでした。

また、米粉は発酵してしまうため、皮は作ってからすぐに調理をされているそうです。

実際に、作り方を見せていただきました。

生煎包(サンチェンポウ)作り方-生地をちぎって丸める
生地を取り出し、手早くちぎって丸めていきます。
生煎包(サンチェンポウ)作り方-皮を一枚ずつ伸ばす
皮を一枚ずつ伸ばしていきます。
生煎包(サンチェンポウ)作り方-伸ばした生地に具材を入れる
伸ばした皮に、具材を詰めていきます。
生煎包(サンチェンポウ)作り方-具材を入れる
皮は一枚辺り、約5秒できれいに包まれます。

つなぎ目が美しく閉じられていきます(※動画もあります)。

生煎包(サンチェンポウ)作り方-丸める
生煎包(サンチェンポウ)焼く前の様子
焼く前の様子です。つなぎ目を下にしています。
生煎包(サンチェンポウ)フライパンに並べて焼く
フライパンに油を敷いて、生煎包の生地を並べます。
生煎包(サンチェンポウ)蓋をしてしっかりと焼く
蓋をしてしっかり焼きます。生地が少しずつ膨らんできます。
生煎包(サンチェンポウ)一度フタをとってゴマとネギをまぶす
一度蓋を取り、ゴマとネギをまぶします。
生煎包(サンチェンポウ)はテイクアウトにも対応
再度焼き目を付けて、完成です。

テイクアウトにも対応して下さいます。

生煎包(サンチェンポウ)をテイクアウトする様子

出来立てを自宅でも楽しむことができるのは、ありがたいですね。

こちらのお店では、生煎包の他にも、小龍包、湯包、雲吞、春捲、焼売、粽子などの点心もいただけます。

生煎包(サンチェンポウ)のメニュー一覧

生煎包は、焼き小籠包と呼ばれることもあるようですが、ご主人のお話では、生煎包と焼き小籠包は別物であるとのこと。

また、小籠包も、日本ではなじみのメニューですが、生煎包と小籠包とでは、生地の性質が違うとのことでした。

こちらのお店では、生地もこだわりをもって作られている様子です。

上海では、餃子より生煎包の方が人気があるとのこと。

その昔、中国が経済的にあまり豊かではなかった時代に、お腹がより膨れるという理由から、餃子よりも広がったとのことでした。

上海料理は、揚州料理が元になっていることや、他の土地の良い所を吸収して料理の幅が広がってきたということも教えていただきました。

豚の角煮などの煮込みで使われるしょう油については、中国の物と日本の物とでは、味わいが全く違うというお話もまた興味深いところ。

中国では炒めたり煮たりする料理が多いため、しょう油に甘みがあるのだそうです。色はやや濃い目。種類も豊富なのだとか。そのため、お料理を作られる際には、日本のしょう油ではなく、中国のしょう油を使われてみえるようです。

お店で見せていただいたしょう油は、海鮮しょう油でした。ホタテの貝柱のエキスが入っている物でした。

ホタテの貝柱エキスが入っている海鮮しょう油

お料理について分からないことを尋ねると、ご主人が快くお話を教えてくださいます。

メニューも色々。

この日はピーナッツミルクとヘチマ炒めもいただきました。

ピーナッツミルクはさっぱり口当たりの良い一品です。ピーナッツを牛乳で煮て、砂糖やはちみつで甘みを付けた一品。夏に良いそうです。

ピーナッツミルク

ヘチマ炒めはテイクアウトで。

テイクアウトのヘチマ炒め

調理の様子も見せていただきました。

中華鍋で、一気に火を通す時の音が、とても心地良いです。出来上がった一品は、あっさりしていて口当たりがよく、美味しくいただきました。

お料理を作ってくださる司徒さんは、ご主人の呉さんと同い年とのこと。

調理中の様子も、快く見せていただきました。手際よくお料理を作ってくださいます。

中国野菜のメニューや魚料理も気になるところ。

上海料理では、ヘチマやチシャトウ(茎レタス)、空心菜やマコモなどよく使われるそうですが、こちらではそれらのお料理もいただけます。

お魚は、黄魚(イシモチの一種。お腹やひれが黄色くなることが特徴。キグチとも呼ばれる)をいただくことができます。

こちらは、結婚式などのお祝い事で、食卓に並ぶことがあるそうです。日本ではあまり目にする機会はありませんが、中国ではなじみのある食材とのことでした。

上海朱家角生煎包のメニュー表の黄魚メニュー

他にも、現地の味を色々と楽しむことができます。

下はメニューの一覧です。

お料理について伺うなかで、日本と中国の文化や国民性の違いについても、尽きることなくお話を教えていただきました。

「日本の人は、仕事が終わってからも仕事の話をすることが多いようですが、中国の人は仕事が終れば、お互いに友人として楽しみます」

「中国の人は、人生を楽しむことを大切にしています」

そのようなお話がありました。

残業が話題になる日本の働き方とは別に、仕事は仕事、余暇は余暇としてしっかり区別をしながら、人と人との交流を、立場を超えて楽しまれている、中国の方の様子がとても素敵だと感じました。

また、「中国の人は、自分の思いをはっきり伝えて喧嘩になることがありますが、日本の人ははっきり言わないことが多いです」

「例えば、お店の料理が辛い時、中国の人は『辛いです』とはっきり言いますが、日本の人は『辛い』とは言いません。むしろ、合わないと思ったら、その後は来ないことを選ぶこともあります」

「日本の人が、相手に何かを伝える時には、『あなたたちの今後のために、こうした方がいいですよ』という意味が含まれているような感じです」

「それぞれの伝え方がありますが、日本の人の言い方は丁寧で優しいと思います。場合によっては、その伝え方の方が良いこともありますよね」

というお話もありました。

ご主人のお話を伺うと、日本をまた違う見方で知ることができ、とても新鮮でした。

「日本は人が優しく、住みやすい所です」

「そして、安全で綺麗です」と話してくださるご主人。

中国と日本、それぞれの良い所に触れてくださるお人柄に、ご主人の温かさを感じました。

そして、中国のことはもちろん、日本のことにも思いを寄せて、とても大切に考えてくださるご主人の言葉をとてもありがたく感じました。

ご主人から伺う、文化や国民性のお話は特に興味深い内容です。

美味しい上海の味に、ご主人のお話も含めてたっぷり触れることができます。

名古屋にいらした際は、ぜひ上海の味や文化の香りを求めて、足を運んでみてはいかがでしょうか?

※お話:呉徳民さん、司徒偉良さん(調理)

(non)

店舗情報

上海朱家角生煎包(シャンハイシュカカクサンチェンポウ)

上海朱家角生煎包(シャンハイシュカカクサンチェンポウ)

名古屋市中区栄5-4-23
第53プロスパービル1F

052-251-4715

営業時間
月曜~金曜17:00~翌2:00
土曜日17:00~0:00
日曜定休

Writer
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