こんにちは。突然ですが、みなさんは「麺食」と聞いて何を思い浮かべますか?
「麺」のイメージが強いでしょうか。中国では「麺(中国大陸の簡体字では「面」)食」はパン、麺類、餃子、肉まん等の小麦粉で作られた食品全般を指します。小麦粉のことを「面粉」、台湾の繁体字では「麺粉」と表すのと、「食」は日中同じ意味なので、その食べ物という意味で「面(麺)食」なんですね。
実は、東京都葛飾区新小岩駅近くの商店街に、中国の「面食」を一同に集めたお店、その名も「劉記 中華面食」があるのです。
私は開店当初に行ったことがあるのですが、2号店「麦100%」ができたという情報を知って、また行ってみることにしました。
新小岩駅南口からルミエール商店街を歩くこと5~6分、左手に木材をベースにした自然な印象の外観に「麦100% 手作りおやきとパン」と書かれたお店がありました。
店内も木材仕立ての内装、木製の商品のトレイで温かい雰囲気の中、様々なパンやお菓子、肉まん等が並んでいます。タイミングが合えば蒸したてのカステラを買うこともでき、必要であれば温めもしてくれます。店頭では中国人のおばちゃんの店員さんがいつも元気に呼び込みをしていて、気さくに話しかけてくれます。


本店で女性店長の劉(りゅう)さんから詳しく話を聞くことができました。本店は商店街をさらに奥に少し進んで右に曲がったところにあります(実はこのあたりは区画が入り組んでいて、2つのお店はとても近いのに、こちらは江戸川区なんです)。



どちらの店にも毎日40種類以上の商品がありますが、全て手作りです。
劉さんはこれら全ての製法を母から学び、加えてパンやお菓子等ジャンルごとの調理資格もいくつも取ったそうです。
中国や台湾では、お菓子店・肉まん饅頭店とジャンルごとに店を持つのが普通なので、この店のように異なるジャンルが一同に売られている店は、中国でも日本でもここだけだと言います。
店長の劉(りゅう)さんは「日本人にも中国のパンやおやつを味わってほしい!」という気持ちから開業を決意し日本に来日。来日当初は日本語が話せなかったのですが、知り合いを通じて中国人の大家さんとつながり、本店の物件を契約。父の友人である王さんと一緒に2022年5月、自分の名前も店名に入れた「劉記 中華面食」を開店しました。
当初は王さんと2人で製造していましたが、現在王さんは店を離れ、追って来日した劉さんの母と祖父の3人で製造しています。こだわりは小麦粉は国産、添加物一切なし。来日してから自分の商品に合う国産小麦粉を探したはずで、さぞ大変だったろうと思ったところ、中国と同じ食感を出せる小麦粉を見つけるまで2年かかったそうです!
開店後、インスタグラムや小红书(中国のSNS)で口コミが広がり、客の割合は日本人と中国人半々だそうです。
売れ行きが好調なため、劉さんは、製造した商品をすぐに届けることができるという利点から、2024年11月に本店の近くかつ商店街のメインストリートで2号店「麦100%」をオープン。
日本語を習得し、今回は日本の大家さんと交渉したそうです。すごい努力家です。どうして本店と違う名前にしたのか聞くと、「麺(面)」だと日本人にはラーメンなどの麺類のイメージが強く、「麦」の字を使った方が、パンのイメージを持ってくれるから、とのことです。
劉さんの起業する前の気持ちがより伝わる店名になっていて、こちらも素敵な店名ですね。
さて、久しぶりに来て色々購入したので、いくつか紹介したいと思います。
1. 饅頭(まんとう:左)とほうれん草花巻(右)
(今回は緑色をしていますが、花巻のスタンダードも白色です)

劉さん曰く、日本人によく売れるジャンルとのことです。シンプルな楕円のものが饅頭、いくつもの帯にした生地を伸ばして丸く巻いたものが花巻です。どちらも日本でいう中華まんの生地の部分だけの食べ物です。見た目は似ていますが、材料にも違いがあると知りました。
饅頭には小麦粉と水のみ、花巻は小麦粉、水に加え、油、塩が入っているとのことです。日本の生地よりモチモチなのが特徴で、小麦の香りと、小麦本来の味が感じられます。饅頭は切り込みを入れて玉子焼きや角煮を入れて挟んで食べ、花巻はおかずにつけて食べるとのことです。中国で日本式のカレーを食べる時に、ごはんの代わりに花巻をカレーにつけて食べることもあるそうです。
それをヒントに職場でのお昼に、今回買ったほうれん草花巻を、作り置きしていた豆乳シチューにつけて食べました。

ほうれん草の香りも良く、いつもと気分が違うランチで心踊ります。花巻を少し浸すと、スープに染み込んでよりおいしく食べられました!
2. 小小酥(ミニパイ)


小豆、黒胡麻餡、緑豆等、常時5種類の味があり、6個組み合わせて購入します。
最初に来た時から買ったことのある好きな商品の一つで、伝統的な製法で作られたホロホロの生地、餡は甘さ控え目に作られていますが、私はこの中でも少し甘い黒胡麻味が好きです。
今回、オーブントースターで少し温めるといいと聞いたので、そのようにしてみました。ほんのり温かく、餡も少し柔らかくなり、そのまま食べるよりおいしかったです。2口で食べられるので、ほんのちょっとおやつが食べたい時や、誰かと分ける時にちょうどいいサイズです。
3. 枣糕(なつめのカステラ)


これも私が大好きなものです。黒砂糖ベースのカステラに、刻んだ干しなつめが入っています。食感はレーズンに近いです。黒糖となつめの相性は抜群で、日本人が好きな味だと思います。
4. 韭菜盒子(ニラと玉子のおやき)
土日限定の商品で、お店のお勧め商品でもあり、今回初めて購入しました。
もっと胃に重たいイメージだったのですが、あっさりと食べられます。生地は少し厚くモチモチしていて、おかずにもなるし、主食にもなる感じです。劉さんは中高生の頃、学校の帰りによく食べていたそうです。
5. 酸菜・猪油渣・粉条・玉米面包(酸菜と豚そぼろと春雨のとうもろこし焼きパン)



焼き目が猫の形に見えて、かわいくて思わず買ったものです。
一般の肉まんの中身と違い、少し酸味のある発酵白菜が入っているのが特徴で、その酸味が食欲を増進しておいしく食べられます。
とうもろこし粉で作る生地は、小麦粉とはまた違った弾力があります。とうもろこし粉だけで作ると生地が硬くなってしまうので、小麦粉も少し入れているとのことです。
6. 豪华五仁月餅(五目ナッツ月餅)


日本でも名の知られている中華菓子ですね。サクサクの生地の中に、6種類ものナッツ(アーモンド、クルミ、胡麻、落花生、ひまわりの種、かぼちゃの種)がぎっしり入っています。今までいくつかのナッツ入り月餅を食べたことがありますが、ここのものが一番食感が良いです。
いくつか紹介しましたが、私は揚げパン(油条)もまだ食べられていないのと、インスタグラムを見ると限定の味の商品もあり、気になるものだらけです。お店に行くと、劉さんや店員さんがどんな商品か丁寧に説明してくれます。皆さんもぜひ気軽に寄ってみてほしいと思います。
劉さん、お忙しいところいくつもの質問に答えて下さりありがとうございました!
参考文献:
https://toyokeizai.net/articles/-/688149 東洋経済オンライン
(aokinapple)
店舗情報
劉記 中華面食

江戸川区松島3-14-3
Writer
記事を書いてくれた人
