マーラータンの次は? 日本の粥とは違うしっかり味つけの中華粥セレクト6店

2026年のTDCの最初のレポートは「中華粥」がテーマです。

昨年、大流行したマーラータンは、ガチ中華不毛の地といわれていた地方都市にも次々開店していますが、いったいこの快進撃はどこまで続くのか。では、今年のガチ中華界では、次に何が来るのか? 

月に2度、定期的に開催しているTDC編集部のオンライン会議でも、SNS投稿での多くの皆さんの高い反応率から、次はガチ中華のお粥ではないか……そんな話をしていたのでした。実際、ここ数年、都内では中華粥の出店が増えているからです。

TDCの常連投稿者のSさんもまた同じ考えだったようです。

以下はSさんがお粥の最新レポートを書いてくれました。精力的に新旧のお粥の店を訪ね歩いたレポートの【前編】では、「横浜中華街で中華粥の歴史をたどれる店」と「(都内にあって)現地の方が作り、本場の味を味わえる店」の2ジャンルからセレクトして、6店を紹介しています。要チェックのお店ばかりです!

読者の皆さんは「お粥」と聞いて何を思い浮かべるでしょうか? 

我々が普段口にするお粥は「七草粥」や「病院で出てくる回復食」など日常から離れた食べ物の色合いが強く、「味が付いていない」「無機質」「食べ飽きる」などややネガティブな印象があります。

しかし中国本土、香港、台湾はじめタイなどのアジア諸国の中華圏には実に様々なお粥があり、日常的に食されています。その美味しさやバラエティの豊かさ、ヘルシーさが話題となり、近年は日本各地で中華粥の専門店が増えブーム前夜の様相を呈しています。

日本のお粥と中華粥の違い

日本のお粥と中華粥には明確な違いがあります。一つは「しっかりした味つけをしていること」。

無味な日本のお粥とは異なり中華粥は鶏ガラや貝柱、干し海老などで出汁を取ります。出汁を沸騰させたのちに米や麦、ひえなどを投入し、ごま油などの油分を加えてしっかりした味つけを施しています。

そして「一食として成立する料理であること」

中華粥は肉や魚介、野菜など豊富な具材がたっぷり入り、ネギやピータン、搾菜、香菜、生姜などの薬味を入れて味を調え、朝食から夜食と時間を問わずしっかりした食事として楽しむことができる料理として位置付けられています。

中華粥の歴史

中国では4000年前にはすでに粥の調理法が確立され、稲作文化の地に粥食の習慣が根付きました。当時は食事目的と神事の供え物として扱われていたといわれています。

日本の中華粥の普及には横浜などの中華街が果たした役割が大きいと言えます。日本には外国文化との交流が本格的に始まる江戸時代末期に外国人技術者の従者や料理人として中国人が多数横浜に入国し中華街を形成、並行して粥文化が普及しました。

ほどなく我々日本人が食す機会があっても自然で、日本最古の中華料理店として知られる聘珍楼(2025年5月閉店)では1884(明治17)年にはすでに中華料理を提供しています。

また横浜中華街には古くから「安記」、「謝甜記」という中華粥の2大専門店があり、東京近郊在住者で初めて中華粥を口にしたのは横浜中華街という方も少なくないのではないでしょうか。筆者も初めてこちらで中華粥を食したと記憶しています。

横浜中華街で中華粥の歴史をたどる

「安記」 

「安記」 の中華粥

1932(昭和7)年創業。古き良き中華街の佇まいでクラシックな中華粥を。

「謝甜記 弐号店」 

「謝甜記 弐号店」の中華粥

1951(昭和26)年創業。弐号店は早朝から営業し、22種類の粥を提供。定休日は1号店へ。

中華粥の製法

広東地方で確立された粥の製法は「生滾粥」「老火粥」「明火粥」などいくつかあり、店舗の調理バリエーションにより異なります。

  • 生滾粥 生米から炊く方法で、あらかじめお粥のベースを作り、注文時に生の肉(具)を入れ加熱して提供する。素材の食感、米本来の甘みが引き立つ製法
  • 老火粥 炊いたご飯を煮る製法で、手間がかからず調理時間も短く済む
  • 明火粥 沸騰したら弱火にし、30分程度煮詰める方法

現地の方が作り、本場の味を味わう

「五千」

「五千」中華粥

香港式粥。点心とのセットは絶妙。東銀座にも支店がオープン

「老生 粤熹粥檔(ゆきえいこんじゅく)」

「老生 粤熹粥檔(ゆきえいこんじゅく)」

広東風。土鍋で煮た熱々の粥が名物

「老生 粤熹粥檔(ゆきえいこんじゅく)」中華粥

「香福味坊」

「香福味坊」

ガチ中華を代表する味坊グループの22時間営業店。800円のセットは満足度高し。

「香福味坊」メニュー

「3米3 神保町店」

「3米3 神保町店」中華粥

かわいらしい調度品に囲まれた店内で本格派の香港点心とともにいただく

「3米3 神保町店」メニュー

後編では、日本独自の発展を遂げた中華粥をご紹介します。

(S)

(後編に続く)

店舗情報

安記

安記

横浜市中区山下町147
045-641-3150
定休日 水曜日
営業時間 月・火・木・金10時~14時 17時~20時30分
土・日・祝10時~15時30分 16時30分~20時30分

謝甜記 弐号店 

謝甜記 弐号店

横浜市中区山下町189-9 上海路辰ビル1F
050-5869-0944
定休日 水曜日
営業時間 月・火・木・金8時30分~21時
土・日・祝8時~21時

五千

五千

台東区上野40-6-7 白鳥舎ビル2F
03-5834-4913
定休日 無休(不定休)
営業時間 9時~21時

老生 粤熹粥檔(ゆきえいこんじゅく)

老生 粤熹粥檔(ゆきえいこんじゅく)

新宿区高田馬場3-2-13 2F    
03-4361-2755
定休日 無休
営業時間 月~金7時~15時 16時30分~23時
土・日11時~15時 16時30分~23時

香福味坊

香福味坊

千代田区神田佐久間町1-21-B1F
050-5589-5710
定休日 無休
営業時間 7時~10時(粥は朝のみ) 11時~AM5時

3米3 神保町店

3米3 神保町店

千代田区西神田2-3-2     
070-3317-9242
定休日 不定休
営業時間 11時30分~15時 17時~21時

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