3年8カ月ぶりの上海、日常の延長でぼんやり過ごすカフェ「一尺花园」

2019年12月31日、原因不明のウイルス性肺炎が噂され始めた上海から帰国して以来3年8カ月も行けなかった上海に、この夏漸く訪れることが出来た。

未だマスクする人も少なくない2023年8月の上海で、駐在中の友人から教えられたのは、前は無かったという素敵なカフェチェーン。その名は「一尺花园」(イーチーファーユアン、英語表記: One Step Garden)

私が最初にこのカフェに出会ったのは上海市の郊外、松江区にある广富林遗址公园だった。

この公園は湖に沈んだ建物であるかのようなデザインの博物館で有名であるが、とてつもなく広いこの公園は、全体を統一感あるしゃれた意匠で演出している。

広い公園を博物館に向かって歩くも、この日は東京と同様の猛暑の上海、冷気を補給したいと思った矢先、パラソルを広げた飲食店らしき建物が。

「あ、イーチーだ!」駆け寄る友人。

「入りましょう。ここ、本当におすすめなんです!」

中は植物を多く配した我々日本人も好む落ち着いた空間が広がっていた。

何て素敵な…ここに、ここに座って一日ぼんやり過ごしたい…。

私は日頃からこうした天井の高い啓かれた空間でのんびり過すのが好きなのだが、ここ上海にこんなに適した空間があるなんて!

カフェ入口にあったリーフレットを見ると、この店は上海をメインとして北京、江蘇省、浙江省、山東省、山西省、広東省、そして韓国済州島と36店舗もあり、どこもその土地の建築を生かしたおしゃれな作りになっている。

中でも上海市から崇明島を挟んで北側にある啓東市にある店舗はまるでツリーハウスのような構造になっており、これを見て、一尺花园全店舗制覇の旅という新機軸が生まれるのを感じた。

「ここに載っていない店もまだあります!」

これだけ繁殖した一尺花园の次の店に出会うのは、そう時間は掛からなかった。

数日後、高速鉄道で訪れた水郷の街、蘇州。平江路歴史街区を散策していると、そこにまた、一尺花园があった。相変わらずの溶け込みっぷりである。

中はとても落ち着いた空間。朝早かった事もあり、客がまだ少なかったのであちこち撮影して回った。

公式ホームページによると、一尺花园は2015年に設立された上海市浦東新区を本社としたカフェ運営を中心としたライフスタイルブランド企業で、コーヒー文化普及のためバリスタ養成もしている模様。

この日の外気温は36℃。

私は普段コーヒーを飲まないが、冷たいものを摂りたいと、コーヒーとライムジュースのツートーンが美しいアイスコーヒーを頼んでみた。

中国の人たちは、彼らの思う心地良さや現代的な雰囲気としてこういうカフェを作ったんだろうけれど、それは隣の島国からやって来た私達にも全く同じ感覚で受け入れられた。

ここは中国ではあるが、非日常ではなく、日常の延長。中国人も日本人も求めているものは同じ様だ。

中国らしさと言えば唯一、一緒に注文したチーズのパンシチューの肉が鶏やベーコンでなく豚の細切り肉だったところだけかも知れない…いや、違う!

隣に来たカップルが肉まん持ち込んでいた!やられたーー、日本人は持ち込みまで思いつけなかったわ…。

(小太刀明子)

店舗情報

一尺花园(广富林店)

上海松江区广富林路3088弄朱雀门集贤坊1~3号

一尺花园(平江路店)

江苏省苏州平江路212号

Writer
記事を書いてくれた人

小太刀明子

プロフィール

最新情報をチェックしよう!