南洋中華好きなアジアンフードマニアの伊能すみ子です。
東南アジアの国シンガポールから海南鶏飯の名店「チャターボックス」が東京に初上陸し、話題となっています。
この店は、日本のシンガポールガイド本にも掲載されている1971年創業の人気店で、海外では「チャターボックス カフェ」として香港、マカオ、台湾、フィリピンでも展開しています。当初は、「チャターボックス」のセカンドラインが2022年、福岡県に日本初上陸しましたが、コロナ禍で惜しまれつつ撤退。満を持しての東京オープンなのです。

訪れたのはJR東京駅から目の前の丸の内ビルディング(丸ビル)。店内は本店同様に南国のリビングルームにいるような雰囲気でゆったり過ごせます。東京駅舎が見られる最高のビューで、撮影スポットとしてもめっちゃおすすめです!
メニューは本店と同じく、代表料理である海南鶏飯「マンダリンチキンライス」を筆頭に、潮州スペアリブスープ「バクテー」、マレー系やきそばの「ミーゴレン」、フルーツサラダ的な料理「ロジャック」、さらには、サテ(串焼きピーナッツソース)やキャロットケーキ(大根餅と卵の炒め)など、かつて中国からの移民によって多様な融合がうまれたシンガポールならではの料理がたくさん提供されているので、大変興味深いです。
使用している食材の多くはシンガポールから届くので、現地の味をおもいっきり堪能できますよ。
料理の紹介の前にお店について少しだけご説明を!
海南島出身のシェフが活躍 名物料理誕生へ!
「Chatterbox」は1971年、シンガポールの名門ホテル「マンダリン・オーチャード・シンガポール(現:ヒルトン・シンガポール・オーチャード)」にて誕生しました。
それまでのシンガポール料理は、路上での屋台販売から屋台集合施設へ集約した頃で、シンガポール料理として親しまれてきた海南鶏飯をはじめとする屋台料理を、ホテルレストランの舞台へ引き上げたのです。ローカルフードから国際的料理へと押し上げた先駆的ブランドといえるでしょう。

当時、ドイツ人総料理長とその部下にあたる海南島出身のシェフが屋台料理をレストラン仕様に仕上げるべく、海南鶏飯、ラクサ、チャー・クイティアオ(中華系米粉麺)をレストランの目玉メニューにするために尽力しました。

現在の総料理長である刘殿雄氏は中華系シンガポール人で40年近いキャリアがあります。近年は東京同様に、海外出店が増え、2023年にはシンガポール本店の大改装を行いましたが、開業当初からの想いや味を変えることなく、ブランドを引き継いでいるのです。
海南鶏飯は1人分から丸ごと1羽まで現地と同じ提供方法
では、同店の料理をご紹介しましょう。
日本だと丸鶏を使った料理というと、クリスマスにみられるグリルチキンのように特別なイメージがありますが、アジア諸国のレストランや屋台では丸鶏が吊られていて、丸鶏の販売が日常の光景だったりしますね。
マンダリンチキンライス
お店のスターメニューとなる「マンダリンチキンライス」、蒸し丸鶏のチキンライスで、シンガポールの国民食です。要となる鶏肉は山梨県を中心に育てられた銘柄鶏の「信玄どり」が採用されています。しっとりとみずみずしさのある肉質が見事です。刘シェフは様々な鶏肉を試食して、やっと出会ったのが「信玄どり」だったといいます。

そんな鶏肉に合わせるソースは3種類。要である自家製チリソースの爽やかですっきりとした辛さは鶏肉と相性抜群です。
また、ジンジャーピューレも艶々で香りの良さが食欲をそそります。海南チキンライス好きな私にとっては、ごはんの上にダークソイソース(老抽王)をかけただけでもテンションが上がってしまいます。香り豊かなジャスミンライスと合わせれば、もう食べる手が止まりません。
1人前ならば、ごはんとスープのセットでちょうど良い量でしょう。2800円という料金設定なので、びっくりする方もいるかもしれませんが、本店はホテルレストランですし、厳選した食材とシンガポールから届く食材とを考慮すれば納得の金額といえます。
ちなみにシンガポールだと同メニューでS$25≒3100円なのでお得かも!
チキンは他に、1/4サイズ、1/2サイズ、1羽と選べます。1羽ならば4人分が目安でしょうか。大人数で丸鶏を注文したら盛り上がりそうですね。
ロブスターラクサ
シンガポールでは、ココナッツミルクをベースとした麺料理として人気なのが「ラクサ(叻沙)」です。小麦麺と米粉麺の2種類入りで、まるで中華と南洋がひとつの器に混在するような料理となっています。

このラクサも濃厚なうま味たっぷりのスープになっていて、スパイシーなエビのペーストが甲殻類の香り満載となって食欲をそそられます。何といっても具材がロブスターですからね。香りの良さだけでなく、食べてもプリップリとした食感で贅沢な一品なのです。
こちらの麺は丸みのある米粉の押し出し麵です。つるんとした食感がよく、するりとスープと一緒に口の中に入っていきます。レモングラスやチリの南国の味と濃厚なココナッツ、さらにロブスターがドーンと鎮座する料理は、なかなか他では味わえないのではないでしょうか。
濃厚なスープを堪能するために、スープを少し残して、ごはん(別料金)をスープに入れてリゾット風にしても絶品ですよ。
バクテー
日本でも知名度が上がりつつある豚スペアリブの漢方スープです。「中国茶と一緒に食べる」ことから(諸説あり)、「肉骨茶」と書くバクテー(福建語読み)としてシンガポールでも人気の料理となっています。

チャターボックスの秘伝スパイスを加えた豚骨付き肉の薬膳スープ仕立てとなっています。特に胡椒の香りや刺激があり、後味もすっきりです。ほろりとほぐれる柔らかな肉とスープが相性抜群ですよ。
楽しみ方としては、油条をスープに浸したり、ごはんを入れたり、肉を老抽王につけて食べてもおいしいです。油条がスープを吸ってジュワジュワとしてたまりませんね。
続いては、こちら!

塩漬け卵黄といえば、月餅の餡の中央にも入っているアレですが、シンガポールでもパウダー状にした黄身を調味料のように料理の味付けに使用します。濃厚な黄身のままの味わいが鶏肉と合うのです。

こちらのエビのフリッターに絡めたソースは、濃厚なバターの味わいにレモンの爽やかさが加わっていて、口の中に幸せが広がります。
同店は、シンガポール料理とワインを一緒に楽しむために、数多くのワインを揃えています。このエビも、ちょっとドライで軽さのあるシャルドネと合わせると、バターのコクが引き立って相性抜群でした。それぞれのシンガポール料理とワインとのペアリングは新しい味の発見や特別な日の思い出にもなりそうですね。
さて、オープン当初からお店は大盛況で、予約で満席の日も多いようです。私もまだ食べたい料理がたくさんありますのでチャンスを狙わなければ!ご興味ありましたら最新の情報を確認してぜひお出かけくださいね。
(伊能すみ子)
店舗情報
チャターボックス カフェ丸の内店

千代田区丸の内2-4-1 丸の内ビルディング5F
03-6257-5866
ランチ 11:00~14:30 、ディナー 17:00~21:30
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記事を書いてくれた人
