「勝手に月餅グランプリ」の試食審査会が楽しかったので実況を報告します

「勝手に月餅グランプリ」の試食審査会が楽しかったので実況を報告します

2025年の中秋節は10月6日。中秋節に中華圏でよく食べられている月餅について、日本でも商品がたくさんあって人気があることから、TDCでは「第0回勝手に月餅グランプリ」を開催しました!

審査結果はこちらをご覧ください。

今回はその大試食会の様子をお伝えします!!

その夜のためにお腹を空かせ、夜ご飯の代わりを月餅にする予定で、ワクワクしつつも今夜のカロリー摂取にドキドキしながら東京中心地の会場まで集まった勇士は7名。甘いものが好きな人もいれば、そうではない人もいます。

審査員の面々

【審査員】

審査委員長 中村 正人(東京ディープチャイナ 編集長)
審査副委員長 多賀井 隆之(株式会社ライフエスコート 代表取締役)
特別審査員 菊池 一弘(羊齧協会 主席)
村田 洋祐(フレンチシェフ、株式会社UN-BE 代表取締役)
審査員 和田 茜(東京ディープチャイナ ライター)
aokinapple(東京ディープチャイナ ライター)
文香(東京ディープチャイナ ライター)

今回のグランプリにノミネートする月餅の基準はこちらです。

  • 日本国内の店舗又はオンラインで購入できる
  • 自分がおススメ又はみんなで食べてみたい、と思ったもの

今日のために、多賀井さんはオンラインで購入、文香さんと和田さんはデパートやオンライン併用で、私は実際の店舗に絞って買い回り、中村さんは遠く横浜中華街まで行って奔走し……皆それぞれ買い集めてきました!

それらを全部並べたのがこちら!!

グランプリにノミネートする月餅

大きいのから小さいのまでずらーり。

並べて写真を撮り終わったら、さっそく食べましょう♪ 

最初は、コンビニでもスーパーでも一年中買うことのできるヤマザキの月餅。年中買えることや、見た目が本格的なものよりは饅頭に近いこともあって、食べたことのない審査員も多かったです。

ヤマザキの月餅。単品売りもあれば、4つ入り、他の饅頭と組み合わせのパッケージもある

餡は胡麻餡です。皮の食感はやはり饅頭の皮のようで、あんこはとても甘かったです。私は冬にヤマザキのあんまんをよく食べますが、その餡の味と甘さと親戚のようなものを感じました。

これを筆頭にどんどん切って試食し、味・見た目・独自性・食べやすさ・ギフト要素などで点数をつけていきました。

いつのまにか私は月餅撮影とカット係…(笑)

色々食べてみるとあんこやナッツだけをとっても、店ごとに味や見た目がだいぶ違うなーと思いました。それぞれのジャンルで分けて様子をレポートしたいと思います。

あんこ

小豆、胡麻餡、中華圏でよくみるハスの実餡、珍しい棗(なつめ)餡、日本の秋に合わせた栗やさつまいも餡もありました。甘さは控えめから、グッと甘いものまで、また蛋黄(アヒルの塩漬け卵)の有無の違いもあります。ただ、蛋黄が入っているからと言って必ずしも塩味があるとは限らないこともわかりました。ナッツの食感は月餅には入れますが、”つぶあんは”一つもないのはちょっと不思議です。

五仁(ナッツ)

月餅では定番でポピュラーな味です。どこの店も5種類以上のナッツが入っています。

ナッツは細かくてもぎっしり入っていると、ナイフで切るのに硬くて切り応えがあります(笑)粗目に入っているものから、砕いて入っているものまで、割ると見た目がだいぶ違うので、中々興味深いです。刻んだドライフルーツが入っているものもありました。

見た目とギフト性

通常時から素敵な箱に入った月餅もあれば、中華圏の中秋節には、日本で昔、もっと頻繁に行われていたと思われる、中元や歳暮の送り合いよりも想像を上回って、こぞって送り合う習慣があるため、この時期ならではのギフト包装にも力を入れている店もあります。

また、月餅の見た目がひと際印象に残るものもありました。

和田さんの持ってきた「CcC点心」の月餅には「花」「好」「月」「圆」が1文字ずつ焼かれていました。つなげると「花好月圆」という熟語になり、「花が美しく咲き、月が丸く欠けることのないという意味で、十五夜または結婚式でよく使う縁起のいい言葉」と教えてくれました。

CC点心の月餅

私が買ってきた亀有の「華菓日和」には月餅の種類が10種類以上あり、模様はどれも繊細できれいでした!

ここまで来て半分、まだ大丈夫という私もいれば、もう胃が大変になってきた、という人も出てきました…(笑)でもまだまだあるし、まだまだ切ります!

あーだこーだ言いながら、何だかんだ楽しんで食べるみなさん

大きさ

月餅は本来、家族などで一緒に大人数で分けて食べるものですが、1人でも食べられるサイズの月餅がずいぶん前から売られています。文香さんが「楊貴妃」から買ってきたものは「ミクロ月餅」という名前がついていました。面白いですね(笑)。

他にも「味坊」の月餅もリニューアルして一口サイズになっていました。

お店の文字を1文字ずつ入れて、同じ味を2個セットで販売

もちろん今でも「重慶飯店」等では、おっきくて、ずっしりと重たい月餅が売っています。

直径はなんと8cm!

中村さんは中華街の「重慶飯店」で展示用の「巨大月餅」を見たことをシェアしてくれました。

重慶飯店にある展示用の巨大月餅

温めたり冷やして食べる!

レンジやフライパンで加熱して食べる月餅は初めて見ました!

こちらは都内北区にある「李百萬」の「流心月餅」。レンジで5秒温めてから切ると、クリーム状の中身が溶けて出てきます。何種類かありますが、今回はココナツ風味のものです。

また、多賀井さんは池袋「永祥生煎館」の「肉月餅」と呼ばれる、パイ生地の中に肉まんの中身が入っているものを持ってきました。これはフライパンで焼いて食べます。ジューシーで、甘いものが苦手な人でも食べられるのと、私たちには甘い月餅の箸休めになってちょうど良かったです。

永祥生煎館の肉月餅

冷やして食べる月餅があることも知りました。「氷皮(ビンピー)月餅」と呼ばれ、中村さんが高田馬場の「虫二」で買ってきてくれました。調べると香港発祥のようです。

左から、杏クリームチーズ、リンゴクリームチーズ、ピスタチオ味

この見た目は和菓子の練切(ねりきり)も少し思い起こさせます。生地は求肥(きゅうひ)のような食感で、中にクリームチーズやリンゴの果肉が入っていました。

後半はお腹も苦しく、味の違いが判るか不安になりながらも、買ってきた全てのお店の月餅の試食が終わりました…!

もう当分甘いものはいいやという感想や、菊池さんは「(塩気のある)蕎麦が食べたい」と言っていました(笑)

全27種類をみなさんと6、7等分して食べたので、小サイズ(手のひらの指以外の部分に収まる)の月餅を4個くらいは食べているのはないかと思います。カロリーは怖くて計算できません(笑) でも1人では絶対できない興味深い体験ができて面白かったです!

最後にみんなで話していたのは、「月餅は味も種類も本当に多く、調べていけばいくほど奥が深いものだということも初めて知った」ということです。

ヤマザキの月餅のように日本人になじむようにローカライズが起きていたり、紅茶やチョコレートを使って現代アレンジされた月餅もありました。

エントリーした月餅の一部

これ全部じゃありませんが、こんな感じでカットしていただきました

番外編

今回、和田さんは中国の知人が送ってくれた蘇州の月餅、私は台湾から買ってきた「小月餅」も試食しました。

蘇州の月餅は切ると中身が緑!

中身が緑色な蘇州の月餅

ミルフィーユ状のパイ生地の中に、ココナツとナッツが入り、甘くした海苔の味がしました!すごく斬新なものでしたが、実は食べやすく、みんなに好評でした。

蘇州の月餅については、和田さんが次のような記事を書いています。

台湾の月餅については私が記事を書いたので、そちらを読んでみてください。

来年は「第1回月餅グランプリ」として開催する予定なので、みなさんのお勧め月餅も教えてくださいね!

                                 (aokinapple)

Writer
記事を書いてくれた人

ライターaokinappleさん
aokinapple

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