中医師・村木の“教えて!むー先生!”その1「中医師とは?」

中医師・村木の“教えて!むー先生!”その1「中医師とは?」

読者の皆さん、こんにちは。

1か月のご無沙汰でした、中医師の村木亜ゆみです。

姿を消していた1か月、山にこもって修行をしていたわけではなく、普段の生活の中で修業の日々でした(涙)。

その間、皆さんから質問をいただいておりましたので、こちらでお答えすることにいたしましたー!

むー先生が漢方やら中医学やらについての質問に答えていきますので、質問お待ちしております。

まずは、この仕事をしていてよく質問されること、

「中医師って何ですか?」

謎ですよねー。日本にはない資格ですし、インターネットで調べると「国際中医師」については

たくさん出てきますが、彼らとの比較で少しだけ「中医師」について書かれているサイトが出てくるぐらいです。

中国、というか中華圏では、西洋医療の治療を行う「西医」と中国の伝統医学の治療を行う「中医」に分かれていて、それぞれの専門課程を学び、国家試験に合格するとその資格が与えられます。

ですので、村木も中国の中医薬大学と呼ばれる専門の大学で学び、中国の中医師の試験に合格して中医師となりました。

台湾には台湾の、香港には香港の資格があるので、私の資格では台湾や香港では中医師として医療行為はできません。

村木は資格を取得したあと、家庭の事情で日本に帰国せざるを得ませんでしたが、中医師としてそのまま中国で仕事をしている日本人も増えてきました。

ネットに学校の様子などを書いていましたので、それを見て「中医師になりたい」という方から「どうやったら中医師になれるのか」と質問をいただくことがありました。

夢と希望を語るばかりだと挫折したときにダメージが大きいので、中国で中国語を使って専門知識を学ぶのはなかなかハードですよ、と伝えると「そんな苦労したくないし、中国でしか使えない資格を取るよりも、日本で学べて世界で使える国際中医師を目指します」と言われることがあります。

国際中医師については、あちこちに紹介するサイトがあるので、村木もそれを見てみましたが、「中医学を全世界に普及させるために」「中医師と同等の知識が得られる」てなことが書いてあります。

へー、そうなのか。「この資格で何ができるか?」という一番の興味事項には「医療行為はできませんが、中医師と同等の知識が得られ、アドバイザーができます」などと書かれています。へー、そうなのか。

村木の知り合いにも何人か「国際中医師」がいて、その資格で漢方のセミナーやったり、薬局で漢方相談したりしています。村木も日本では医療行為できませんが、海外では中医師として医療行為ができる国もあります。改めてその国の資格が必要な国もあるので、海外で活躍したい韓国人の同級生たちがいろいろ調べていました。

国際中医師になるには、日本なら中国の中医薬大学の日本校で学び、所定の単位を取得する必要があります。そして、国際中医師の認定団体の試験を受けて国際中医師となるわけですが、私たちとの違いは「現場に実習に行くかどうか」です。

私たちは2年間の病院実習を経て資格試験の受験資格を得ますが、日本で、日本語で中医学を学ぶ方々は、現場に行くことはありません。学校によっては本校に「研修」制度があったり、卒論のようなレポートを提出する学校もあるようですが、私たちのような臨床の現場を経験することはありません。

中医師と同等の知識は得られますが、経験は得られません。中医の現場は西医ほど生きるか死ぬかの緊迫したものではありませんでしたが、患者さんと接することで得た経験は貴重でした。

さて、日本だと「漢方専門医」「漢方認定医」という資格があり、それぞれ、日本東洋医学会が資格認定しているのですね。どちらも試験を受けるために「現場に携わってきた年数」や「有効な症例をいくつ提出」など、これまたなかなかハードな世界。村木も専門医の方に弟子入りして日本の漢方治療の現場の様子を見てみたいものです。

もう一つ日本の資格でいうと「漢方・生薬認定薬剤師」という方々がおられます。「漢方薬・生薬に関する専門的知識を修得し、能力と適性を備えた薬剤師であることを認定する制度」とのこと、村木の知り合いの薬剤師さんもこの認定のための勉強をしていて、以前講習会に連れて行ってもらったことがあります。

どんな立場であれ、漢方や中医学の技を使って、周りの人を健康にする人が増えてくるのはよいことです。一般の人たちが、漢方の知識を持って、自分の健康に気を遣い、元気で長生きすることが村木の願いです。

では、皆さんからの質問、お待ちしてまーす!

Writer
記事を書いてくれた人

村木亜ゆみ

プロフィール

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