みなさんこんにちは。中医師の村木亜ゆみです。
今回も漢方の話をわかりやすく説明していきますね。
今年は2月1日が春節(農暦の新年)で、2月4日は立春。もうすぐ2月も終わりますが、春の訪れが待ち遠しいですね。
春といえば「木の芽時(このめどき)」でもありますが、「東風吹かば にほひおこせよ梅の花~」という道真公の和歌を思い出します。
東風とは春を告げる風として知られていますが、「東」「風」「春」といえば、前回出てきた漢方を理解するうえでベースとなる「五行配当表」の「木」のところに入っています!
※前回の記事はこちら ↓
ということは、それぞれがつながっているということを意味します。
さらに表をみると、五臓に「肝」がありますね。
漢方でいう「肝」のいちばん大事な働きは、身体を動かすエネルギーである「気」を滞りなく全身にめぐらせること。
「気」についてはまた改めて話をしますが、「身体の様々な部位に存在していて、それらを動かしているもの」とイメージしておいてください。
人も動物も、冬は春に備えてさまざまなものを「蓄える」季節です。
冬の間に蓄えたものが不要になると、気をめぐらせて、それを外に出すために、肝が大ハッスルするのが春という季節です。
肝にある気は身体の上部に上がりやすい特性があるので、肝が大ハッスルする春は、頭痛やめまい、血圧の上昇などが起こりやすくなります。
そして、風が吹くと埃や花粉が飛んできて目や鼻の症状を引き起こします。
春は風から身を守ると同時に、大ハッスルの肝をメンテナンスする養生を行っていきましょう。
では、どうすれば肝をメンテナンスできるのでしょうか。
そのためには、肝が大ハッスルしなくても、身体を動かすエネルギーである気を身体中にめぐらせることができるよう、サポートする食材を摂ることが大事です。
それには、五行配当表にある「青」いものを摂りましょう。
青といっても、緑の葉野菜などのことです。緑色だけど「青菜」っていいますよね。春の葉物野菜は、冬に不足しがちだったビタミンも補います。
また、香りのする野菜類、たとえばセロリや春菊、香菜(パクチー)などもよいとされています。
春キャベツのような甘みのある野菜類は、消化吸収を担当する五臓の「脾」をいたわります。
柑橘類のさわやかな酸味もおすすめです。
そして、春といえば花粉症の季節。花粉症には「甜茶がよい」とよく聞きます。
村木のおすすめは「ハブ茶」。
キャー!沖縄にいる「ハブ」⁉ ではなく、このお茶は昔、ハブ草という植物を使っていたのでこの名前が付いていますが、今はエビスグサの種子を使っています。
これは、漢方では決明子(けつめいし)という生薬で、眼精疲労や目の充血に良いとされています。
またハッスルしてヒートアップしている肝をクールダウンさせます。ただし、おなかが冷えやすい方は要注意です。
春は入学や進学、卒業、就職など環境の変化もある季節なので体調を崩しがち。肝をサポートしながら楽しんでいきましょう! ではまた次回お会いしましょう。