東京渋谷区の代々木八幡駅前に広東料理&点心専門店「宝味八萬」がオープンしたのは、2021年9月28日のことです。
千代田区神田にある人気の中国東北料理店「味坊」のオーナーである梁宝璋(りょう・ほうしょう)さんが手がけた都内7番目の店とあり、初日は営業前から店の前に行列ができ、開店を告げた店長の挨拶とともに約50席はすぐに客で埋まってしまいました。
宝味八萬は、広東省出身の点心師、何偉昌(か・いしょう)さんが、毎日その場でつくる海鮮焼売や蒸し餃子、小籠包、香港で焼味(シウメイ)と呼ばれるロースト料理など、飲茶気分を心ゆくまで楽しめる店です。
この店の楽しいところは、厨房で点心やロースト料理をつくっている様子がガラス越しに見られることです。
人気メニューは、厨房の外の上部に写真で並んでいます。でもそれがすべてではありません。紙のメニューも用意され、各テーブルに置かれています。ところが、そのメニューは中国語の表記のみです。
本格的な店であることはよくわかりますが、中国語でしか料理名が書かれていないので、ちょっと注文が難しいと感じる人がいるかもしれません(最近、テーブルの脇のパーテーションに写真入りで日本語の人気メニューの説明が貼られるようになりましたが、紙のメニューにあるすべての料理をカバーしてはいません)。
そこで、いま同店が提供している全メニューをなるべく簡単に写真付きで解説しようと思います。宝味八萬に行く前にこの記事をチェックしておくと、注文に困らないと思いますよ。
まずメニューの右上から始めましょう。
●笋尖鮮蝦餃(エビと刻みタケノコの蒸し餃子)
香港点心第一の人気メニューといえるエビ蒸し餃子です。飛び粉を使った透明な皮が美しく、タケノコ入りなので食感がちょっぴり複雑な味わいです。厨房の上の写真には「宝味蝦餃皇」と書いてありますが、同じものです。もちろん、手づくりです。
●海鮮焼売(海鮮シューマイ)
見た目もかわいい海鮮入り蒸しシューマイです。蟹ミソがのっています。
●春菊餃(春菊とシイタケ、春雨の蒸し餃子)
春菊がぎっしり入ったヘルシーな点心です。
●魚翅餃(フカヒレの蒸し餃子)
フカヒレ入りのジューシーで深みのある味わいです。
●小籠包
おなじみ蒸し小籠包です。
●水晶粉果(エビとニラの蒸し餃子)
エビとニラはよく合います。薄い皮から緑色のニラが透けて見えて美しいですね。
●付皮巻(湯葉巻き蒸しオイスターソースかけ)
オイスターソースで味つけされたかなり濃厚な味わいです。厨房の上の写真には「蚝油鮮竹巻」と書かれています。
●山竹牛肉丸(蒸しミートボール)
すいません。この写真は撮り忘れていました。牛ひき肉のミートボールを蒸した人気の一品です。
●虎皮风爪(揚げ鶏爪のピり辛蒸し)
コラーゲンたっぷりの鶏の爪(通称「モミジ」)をいったん揚げたあと、独特のスパイシーさの豆鼓と甘みのあるソースで蒸したもの。香港では複雑に絡み合う深い味わいが女性に人気です。
●豆鼓排骨(豚スペアリブの豆鼓蒸し)
骨ごとぶつ切りにした豚スペアリブを豆鼓で蒸した一品。肉は柔らかく、口の中で溶けていきます。
●鮮蛋腸粉(タマゴの腸粉)
米粉を溶いた乳液状のものを蒸したプルプルの衣にオイスターソースなどで味つけし、さまざまな具材を入れます。これはタマゴ入り。
●鮮蝦仁腸粉(エビの腸粉)
これはエビ入りです。エビの食感と腸粉はよく合います。ほかにも「香滑牛肉腸粉(牛肉入り)や「密汁叉焼腸粉(チャーシュー入り)があります。
●五目上素春巻
さまざまな具材入りの揚げ春巻きです。
●黒餡芝麻球
これは中華デザートの定番の黒あん入り揚げゴマ団子です。
●皮蛋咸肉粥(ピータンと豚肉のお粥)
点心ファンにはたまらないお粥も3種類あります。これは定番の「ピータンと豚肉のお粥」。ほかにも「鍋蛋牛肉粥(牛肉入り)」や「鮮蚝香菜粥(カキとパクチー入り)」があります。
●広東鍋煎餃
焼き餃子もあります。
●大根餅
おなじみのダイコン餅です。
●密汁叉焼酥(チャーシューあん入りのパイ)
いわゆるチャーシューパイ。デザートのような軽食のような点心です。
●松花蛋挞(エッグタルト)
香港スイーツの代表といっていいエッグタルトもあります。
●酥皮麺包(チャーシュー入りパン)
これも定番のチャーシュー入りパンです。こうやってタマゴの黄身を塗ってから焼きます。
たくさんあるのでひとまず【前編】はここまで。
【後半】もご覧ください。
(東京ディープチャイナ研究会)