中医師村木の「おしえて!むー先生!」その7「夏バテ防止は飲み過ぎ注意!」

読者の皆さんこんにちは。中医師の村木亜ゆみです。

今年は、季節の歩みが早くて、花粉症も早かったし、桜の開花も早かったですね。

5月なんか初夏とはいえ、最高気温が30度近い日があったかと思うと寒い日があったりして、体調崩された方も多いのではないでしょうか。

暑くなるのが早いということは、夏バテも早いってこと…??

毎年夏の終わりに相談されることの多い「夏バテ」ですが、今年は早く相談されそうなので、先手を打って夏バテについて漢方的に語りましょう。

一口に夏バテといっても体調不良のパターンは様々です。大体は冷房にあたりすぎ、冷たい飲食物の摂りすぎ、水分の摂りすぎで手足がだるい等、みなさん身に覚えのある症状ではないでしょうか。

今日は「水分の摂りすぎ」について話しますね。実は身近で危険な例があったからです。

暑くなりそうな日は、天気予報やニュースの中で「こまめに水分補給しましょう」と

言っていますが、これが夏バテを防ぐ第一歩。

「何を飲むか」と「どんな風に飲むか」がポイントです

私たちの身体は漢方でいうと「気・血・水(津液しんえき)」という3つの物質が動かしています。

何度も言いますが、この3つの物質が十分な量があること、身体を巡っていることが健康の必要条件です。

が、いろいろな理由でこの3つは不足したり滞ったりします。

人の体質・体調はそれぞれですので、もともと水(津液)の巡りが悪い人は、「何を飲むか」「どんな風に飲むか」に気を付けていただきたいのです。

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まず「何を飲むか」。水を飲むでしょ、答えが返ってきますよね。

ところが、普通の水を一度に大量に飲むと「水中毒」になる、と最近知られるようになってきましたね。水中毒は過剰な水分摂取によって血液が希釈されて血中のナトリウム濃度が低下し「低ナトリウム血症」を起こすこと。倦怠感、頭痛から痙攣、昏睡といった症状が出て、かなり危険な状態になります。

「水をたくさん飲めば飲むほどデトックスするから良い」と世間でいう人たちがいますが、がぶがぶ飲んで血中のナトリウム濃度が下がるとかなり危険な状況になりますので、もともとむくみやすいなど水の巡りが悪い方は要注意です。

先日、とある知り合いがこの「低ナトリウム血症」になりまして救急搬送されたといっていましたが、ナトリウムとかカリウムとか、いわゆる電解質のバランスが崩れるってマヂ危険なんですのよ。

だからといって水分の摂取量を減らすのではなく、水の巡りが悪くて体内にたまりがちな方は、不要な水を外に出しながら水分を摂ることが必要です。

ただの水ではなくハト麦茶やトウモロコシのひげ茶がよいでしょう。スイカやキュウリなどの瓜類もよいのですが、あまり好きではないという方は小豆や黒豆などの豆類を摂ることもよいでしょう。スポーツドリンクは疲労回復のために糖分結構入っていますので飲み過ぎ注意です。

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では、「どんな風に飲むか」、これは喉が渇く前に「少量をこまめに」飲むとよいといわれていますね。

喉が渇いてからではかなり水分を消耗している状態なので、その前に飲みましょう、といろいろなところで言われるようになりました。

暑い日に冷たいものを一気に飲むと、喉の渇きはいえますが、お腹が冷えてしまいますので、常温以上のものをゆっくり飲みましょう。最近は白湯までペットボトル入りで売っているのにたまげましたが、自分の体質、体調を鑑みながら脱水に気を付けて水分補給をしましょう。

汗からもナトリウムは出ていきますので、大量の発汗するような暑い日にも水分の摂り方には気を付けてくださいね。大量の発汗は五臓の心のはたらきにも影響します故。

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夏バテシリーズ、この後も続きます。

次回もお楽しみに~!質問もお待ちしてまーす!

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