「ガチ中華の聖地」、池袋でガチデビューしよう!

東京ディープチャイナ研究会(TDC)のウエブサイトやSNSの運営を始めて早3年が経とうとしています。

「ガチ中華」を愛好し、SNSでゆるくつながるコミュニティであるTDCは、これまでメンバーのみなさんが日々訪ねた「ガチ中華」の店や食材店、食フェス、食事会、料理やレシピなどの楽しい投稿を共有・交換してきました。

おいしい話題はみんなでシェアしよう。その方がずっと「ガチ中華」の世界も見えてくるだろうと考えてのことでしたし、何よりこのコミュニティを通じて多くの素敵な方々と知り合えたことがいちばんの収穫だったと思います。

これは何度も繰り返しお話したことですが、「ガチ中華」とは海を渡って日本に来た中国語圏の人たちが提供している料理のこと。これまで日本人が親しんできた中華料理とは別物です。彼らが故郷を懐かしみ、自分たちの好みに合わせて提供するようになった本場の味です。

「ガチ中華」には大きくふたつの特徴があります。これまで日本では味わえなかった中国語圏各地の地方料理が増えていることと、海外の外食チェーンや若い中国系オーナーによる個性的な店が次々と現れ、最新の現地の食のトレンドが日本にいながら体験できるようになったことがそうです。

池袋西口の中華フードコート「友誼食府」
池袋西口の中華フードコート「友誼食府」
池袋東口にある中国最大の火鍋チェーン「海底撈火鍋」
池袋東口にある中国最大の火鍋チェーン「海底撈火鍋」

こうした「ガチ中華」が都内で最も多く出店しているのが池袋です。それが「ガチ中華の聖地」と呼ばれているゆえんです。

池袋西口(北)出口から見た街の光景
池袋西口(北)出口から見た街の光景

もっとも、2022年には流行語大賞にノミネートされるほど、そこそこの認知度を得た「ガチ中華」ですが、実際にどんな料理なのか、どこに行けば食べられるのかなど、まだ一般の方に広く知られていないかもしれません。実際に池袋の「ガチ中華」の店を訪ねても、一部の店を除き、まだそれほど多くの日本の方たちが食事を楽しんでいる姿が多いようには見えません。ちょっと残念な話ではないでしょうか。

池袋西口にあるガチな中華BBQの店「太陽城」
池袋西口にあるガチな中華BBQの店「太陽城」

そこで、誰でも「ガチ中華」を気軽に楽しめるようにとの思いから企画したのが、『東京ディープチャイナ「ガチ中華」セレクションin池袋』(ライフエスコート)という電子書籍です。

東京ディープチャイナ「ガチ中華」セレクション in 池袋 Kindle版

この本は、ひとことでいえば、「ガチ中華の聖地」として知られる池袋にある「ガチ中華」の店の案内書です。西池袋だけでも、100軒以上の「ガチ中華」の店がひしめくこの町で、ぼくや研究会のメンバーのみなさんが実際に訪ねて食事をし、店のオーナーやスタッフの方たちとご縁のある店をセレクトして紹介しています。

東京ディープチャイナ「ガチ中華」セレクション in 池袋 Kindle版

メインのコンテンツは、それぞれの店で食べられる料理の紹介です。その料理の地方別のジャンルや店の「日本語対応」のレベル、主な料理の「辛さ」の度合いの目安を表記しています。また、すべての店はTDCのウエブ記事にリンクしているので、ここではとうてい書ききれない多くの情報を詳しく知ることができるしくみになっており、店選びの参考になると思います。

東京ディープチャイナ「ガチ中華」セレクション in 池袋 Kindle版

東京ディープチャイナ
https://deep-china.tokyo/

さらに、この本の特長は、「ガチ中華」のオーナーや調理人、スタッフの人たちの顔ぶれも紹介していることです。料理以外の要素をなるべく採り入れようと考えたのかについては理由があります。

「ガチ中華」を多くの人に知ってもらうには、料理の説明が大事なのはもちろんですが、それらの店をどのような人たちが経営し、調理している人、サービスを提供しているスタッフたちについて伝えることが大切だと思ったからです。

ぼくは「ガチ中華」のことを、いま日本で進行している多文化社会が生み出した新しいグルメの一ジャンルだと考えています。

ですから、その世界を楽しみ、理解を深めていくには、彼らの存在を知ることは欠かせないと思うのです。

2月10日からぼくが案内人を務める『池袋「ガチ中華」街歩きツアー』を始める予定ですが、この企画も、同じような動機に基づいています。

このツアーでは、池袋にあるすべての店を案内することはできませんが、人気店はもとより、珍しい地方料理の店、海外のチェーン店、ユニークなオーナーの店などなど、知られざる穴場店にみなさんをお連れできると思います。

それからぼくがどうしてもみなさんにお話したいのは、なぜこんなに池袋に「ガチ中華」が増えたのか。その背景についてのあらましです。ツアーでは、人気のフードコートでいったんお茶でも飲みながら、お話しするつもりでいます。

ぼくは学生時代から池袋を歩き、その変化を見てきました。その頃、いまぼくがこんなことをすることになるとはまったく思ってもいませんでしたが、この町の変容の経緯や顛末をある程度知っていたことが、「ガチ中華」の全体像を大まかに把握することにつながったのだと思っています。

東京ディープチャイナ「ガチ中華」セレクション in 池袋 Kindle版

すでに2月のツアーは締め切りましたが、3月以降もやるつもりです。日程が決まり次第TDCのSNSにて報告します。

「ガチ中華の聖地」池袋

ぼくは電子書籍を出すのは今回初めてのことで、制作スタッフの方たちに大変ご苦労かけました。お疲れさまでした。この場で感謝のことばをお伝えしたいと思います。

「ガチ中華の聖地」、池袋で多くの方がガチデビューしていただくことを歓迎します。

東京ディープチャイナ「ガチ中華」セレクションin池袋

(東京ディープチャイナ研究会・中村正人)

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