今年9月21日は旧暦の8月15日にあたり「中秋節(チョンチンジエ)」と呼ばれる、中秋の名月の日です。
池袋にある「東来順(トウライジュン)」は、北京の有名な火鍋店です。中秋節の日にお食事をしたお客さんに、無料で月餅を配っているそうです。
今回、黒木真二さんは東来順を訪ねて、お客さんに贈る月餅をつくる様子を取材しました。中国の本場の月餅のレシピが見られるなんて、興味津々です。
まずはYoutubeのレポートをご覧ください。
火鍋屋の美味しい月餅!中秋節の日に行くともらえます!
黒木さんは話します。「こちらで配る月餅はすべて手づくり」。
では、彼の説明に沿って月餅のレシピを説明します。
まず小麦粉にカラメルソースを加え、さらに油を加えてこねます。中国では大豆油を使うことが多いですが、今回はサラダ油を使用しています。
今回つくる月餅は「油酥月餅(ヨウスーユエビン)」。このつくり方だと、小麦粉を発酵させる必要はないそうです。
月餅の中に入れる小豆のあんこを用意します。
面白いのは、月餅の表面の模様を付ける器具です。いくつかの型があり、それを付け替えることで模様が変わります。
適度な量の生地を手にとり、少し丸めて真ん中にくぼみをつくり、お碗の形にします。そして、丸くしておいたあんこを生地の中に入れて包み、丸くして形を整えます。
これを先ほどの器具の中に入れて、お皿の上で圧をかけます。ギューッと圧をかけながら、少しずつ器具から押し出します。型の大きさは一定なので、生地の量や包み方で月餅の厚さや皮の厚さが決まります。
そして、オーブンで焼きます。
出来上がりです。
「中身はこんな感じ。あんこたっぷりです。とっても美味です。
外側歯応えサクサク、あんこもこの皮も甘いですが、ちょうどいい甘さで、甘ったるくありません」
こちらの月餅は、最近中国で流行っている「冰皮月餅(ビンピーユエビン)」。この皮は米粉でつくられているそうです。
「餅のようにやわらかい皮、そして中にたっぷりあんこがつまっているので、とっても美味です」
冰皮月餅にはパイナップル味もあります。「このモチモチの皮にパイナップルの果肉の歯応えも加わっています。そして、味も酸っぱさが加わって大変美味です」
黒木さんは、この店のオーナーの陳軍さんに「なぜ中秋節に月餅を食べるのか」尋ねています(詳しい話はYoutubeをご覧ください)。
陳軍さんはこう話してくれました。
「中秋月は中国の代表的な祝日なので、中国の皆さんに東来順に来てもらい、故郷を感じていただきたいです。それで月餅をお客様に贈ることにしました。もちろん、日本のお客様にも差し上げます」
東来順では毎年、中秋節の月餅サービスをやっているそうです。
さて、今回の黒木さんが触れていなかった東来順の本格火鍋「銅鍋涮肉(トングオシュアンロウ)」について簡単に紹介しましょう。
東来順は1914年創業という100年以上の歴史を持つ北京の火鍋店で、2019年3月に東京にオープンしています。
銅鍋涮肉はひとことでいえば、北京風の羊のしゃぶしゃぶで、一般には銅製の古風な鍋でいただきますが、東来順では中国の伝統的な工芸品である七宝焼き「景泰藍(けいたいらん)」の鍋を使っています。
さらにこの店の特徴は、新鮮な手切りラムを使っていることです。臭みがなくラム肉本来のうまみを楽しめます。
銅鍋涮肉のスープは四川火鍋のような麻辣味ではなく、ネギやショウガ、キノコ、ナツメなどを入れた淡白なもので、激辛が苦手な人でも食べられます。
スープは優しい味ですが、好みによって付けダレで味を調整できます。ゴマダレをベースに醤油や豆板醬、ゴマ油、ネギ、パクチーなどを入れてつくります。
ぜひ東来順の銅鍋涮肉も楽しんでください。
店舗情報
東来順
豊島区西池袋1-23-1 エルクルーセビル 6F
03-6914-2271