大阪天満宮の「葛宝 葛・お粥カフェ」で十徳のある葛粥三昧

大阪天満宮の「葛宝 葛・お粥カフェ」で十徳のある葛粥三昧

「大阪南森町、大阪天満宮目の前の葛宝。
日替わりで、かぼちゃ粥出ました!
激ウマですね。
蘿蔔糕も大根に甘みが出てきていい感じです」

先日、東京ディープチャイナ研究会のFacebookにこんな投稿がありました。

投稿してくれたのは、京都在住の阳子(Yangzi)さんです。

最近、関西在住の方からの熱い投稿が増えていて、うれしいです。一応東京から始めたので、便宜上「東京ディープチャイナ研究会」ということにしていますが、もちろん全国のみなさんからの投稿は大歓迎です。

さて、初登場となる阳子(Yangzi)さんの食レポです。ご自身の職場の近くのお店だそうです。


今回ご紹介するのは、大阪天満宮の北側にある「葛宝 葛・お粥カフェ」です。

日本のお粥というと、病気になったときに食べるもの?というイメージが強いかもしれませんが、広東省では、町に沢山のお粥屋さんがあります。香港で飲茶を食べたときにトロトロのお粥を食べて、思い出に残っているかたも多いはず。

広東省のお粥は、日本のお粥と違い、しっかりと味がついていて、種類もたくさんあります。

私が一番好きなのは、皮蛋瘦肉粥(ピータンと薄切り豚肉のお粥)です。

オーナーの中山碧さんは、もう日本に来て30年。お店の近くで語学学校を経営されていて、中国にも葛の加工工場と日本語学校を経営されているやり手のオーナー様です。

なぜお粥屋さんを開いたのか?

みんなに葛の良さを知ってほしいため! 私の葛への愛はすごいよ~と、とっても明るいお母さんです。

日本にも葛根湯というお薬がありますが、風邪のひきはじめによく効きますよね?

葛は漢方にも使われているし、体にとっては自然のお薬ですよね。

葛粥には、10の徳があります。


  1. 資色  血行が良くなり顔色を鮮やかに
  2. 増力  体力気力が高まり毎日元気に
  3. 益寿  毎日食べて長生きに
  4. 安楽  胃も喜び心も楽に
  5. 弁説  頭もすっきり言葉もサラサラに
  6. 消宿食 趙がきれいに体がまろやか
  7. 除風  身体をほかほか風邪から守る
  8. 除飢  色々な具材で栄養たっぷり
  9. 消渇  かわいた体に巡る水分
  10. 辞清 きれいなお腹で毎日自然なお通じ

そんな葛愛を語る中山さんですが、13年前までは、葛のことなんて気にしたこともなかったそうです。

中山さんは、広東省の中山市でも日本語学校を経営しているのですが、13年前のある日、中山市の市長から相談を持ちかけられます。

中山の山間の村では、葛は沢山取れるけど新鮮なままでは、時期になると価格が安い。農民が生活できるように何かいいアイディアがないかと聞かれたそうです。

それから日本に戻り、日本にはくず粉を使ったお菓子や葛根湯などの薬にも沢山使われているが、ほとんどが日本産ではないことに気づきました。それから、何年もの間、葛について調べ、葛の加工場を地元で作りました。葛の価値を上げることに成功し、農民の生活が豊かになり感謝されています。

中国では、中山さんの葛は、品質がよくおいしいと人気がありますが、日本では知られていません。葛の良さを広めるために、2019年8月8日にこの店をオープンさせました。

本当は、葛専門店を作りたかったそうですが、商品としてお粥を作ったらとても人気で、お粥店としてオープンさせたそうです。

お昼はいつも、地元の方や、店の向かいにある落語を繁昌亭に見に来られた方で満席です。

お昼は日替わりセットがメインで、1000円で食べられます。食材も季節のお野菜、無農薬、無添加にこだわっているのにこの価格!

日替わりのお粥。えびせんとザーサイ、飲茶が2つ、デザートがついてきます。

こちらはエビ団子のお粥。

私の会社は、お店から徒歩10分のところにあるのですが、お昼時間に会社にいるときは、必ずここに食べに来ます。無添加で、いらないものが一切入っていない、ゆっくりと時間を注いで作られたお粥は、私の胃にじんわりとしみ込みます。優しい味を体が求めているようです。

日替わりの他にも単品があります。850円です。セットは1200円也。

単品のときの日替わり(エビ団子粥)

お魚のお粥(予約制)まだ食べてないのでわかりません(笑)

海鮮のお粥、ホタテやエビ、あさりなどが入っています。海鮮の出汁がでて、あっさりしていますが、めっちゃおいしい。

鶏肉のお粥。ホロホロになった鶏肉が絶妙なんですね。

セロリとナツメのお粥はまだ食べてないのでわかりません。

ピータンと豚肉のお粥(皮蛋瘦肉粥)はピータンのコクと、赤みの豚肉にすごく味がありめっちゃおいしいんです。私はこれが一番好きです。

皮蛋と豚肉入りで餃子、揚げワンタン、デザートが付きます。

ピータンとは、ご存じの方も多いと思いますが、アヒルの卵を灰や木炭や塩と一緒に粘土で包み、発酵させた中国の食品です。黒い見た目が特徴ですが、普通の卵よりも発酵することにより、コクがましてピータンならではのうまみがあり、調味用としても使われます。

セットで出てくる飲茶もすべて手作りで、週に一度点心師と呼ばれる飲茶を専門で作る料理人が作りに来られています。単品での注文も可能です。毎回違うのでとても楽しみです。

飲茶のすべてに葛粉が使われています。

私が好きなのは、萝卜糕(大根餅)と春巻きです。中に入っている腊肉も中山さんの自家製です。

こちらも皮蛋瘦肉粥で、小鉢は萝卜糕

腊肉(ラーロウ/là ròu)とは、中国料理における漬け干し肉のこと。特に四川省や重慶市、湖南省、広東省などでは腊肉づくりがさかんです。中山さんも冬になると腊肉を作り、萝卜糕や春巻きに入れています。

大根もやっぱり冬の方がおいしいですから、春巻きも大根餅も冬のほうが甘みがあります。春巻きの外はパリッと中はトロッと。本当においしいです。

朝からオーナーの中山さんが心をこめて、時間をかけて作ったお粥は、本当に心の中からあったまります。店は家族経営で、中山さんの娘さんも手伝っています。お近くに来られた際は、ぜひお試しください。

店舗情報

葛宝(GEBA0) かっぱう

大阪府大阪市北区天神橋2-4−1
中山ビル1F
TEL. 06-6940-4988
営業時間 月〜金:11:30〜15:00
定休日 土、日、祝日
最寄駅 南森町駅、大阪天満宮駅「7号出入口」から徒歩約2分

※お持ち帰り可。Uber Eatアカウントで注文もできます。日本語、英語、中国語のできるスタッフがいます。

Writer
記事を書いてくれた人

阳子 YANGZI

プロフィール

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