東京ディープチャイナ・ライターのAmy松田です。
ビャンビャン麺でおなじみの秦唐記のビャングッズに新しく、ゆる~いイラストバージョンの「八大怪Tシャツ」と「八大怪トートバッグ」が加わりました。
じつはこの「八大怪」シリーズは東京ディープチャイナと深い関係があるのです。製品化までの秘話とイラストにまつわる「八大怪」という故事をご紹介します。
ビャンビャン麺の人気のお皿のイラストが今回のモチーフに
もともと秦唐記の店舗や通販サイトで販売されているビャングッズは、ビャンビャン麺を打つときの音をあらわした、画数が多いことでも話題のあの『ビャン』の漢字をデザインしたものでした。それもそれでカッコいいのですが、もう一つ、ビャンビャン麺のお皿に書いてあるゆる~いイラストもなかなかいい雰囲気なんです。
あれがTシャツになったらいいのにとずっと思っていたのでした。お店の壁やメニューにあるイラストの写真も何度も撮りました。
その後、東京ディープチャイナの食事会が秦唐記錦糸町店で開かれたときも、お皿のイラストが話題になりました。
また、facebookでもビャンビャン麺のお皿を購入しましたという投稿に反響がありました。でも、あのお皿は大きいんです。お皿が大きい理由はあとで、このイラストにまつわる故事からわかるのですが・・・。お皿は持って歩けないし、やっぱりTシャツやバッグがいい!
そうだ!社長に提案してみよう!
そしてとうとう私は、東京ディープチャイナの中村代表に秦唐記の経営者であるソンメー商事の小川克実社長を紹介してもらいました。ただただあのイラストが好きというだけで「公式Tシャツを作ってください」という企画書を書き、翌週には秦唐記永代総本店を訪ね、小川さんの返事は「面白いじゃない、やりましょう」ということでした。
やったー! その後、小川さんはお会いするたびに「楽しみにしていてね」と製作の進捗を知らせてくださり、ご提案から半年後、日本に荷物がついて、段ボール箱を開ける日に立ち会うことができました。
Tシャツを出して広げたとたん、奥の厨房で仕込みをしていた料理人の方が大きな声で「好看! 好看!(いいねいいね!)」と駆け寄ってきました。それがこのTシャツ。M、L、2Lの3サイズ、色は白地に黒と黒地に白の2種類で、1枚2200円。そしてトートバッグはしっかりしたキナリの生地に黒のプリントで1650円です。
秦唐記の店舗と通販サイトで販売しています。
さて、このイラストの「八大怪(バダアグアイ)」とは?
八大怪とはビャンビャン麺の故郷、西安のある陝西省に古くから伝わる地元の文化や風習のことです。つまり、「陝西省の8不思議」のようなもので、古くからの言い伝えなので諸説ありますが、今回の「八大怪グッズ」にあるイラストの順番でビャンの漢字の左上から時計回りに「八大怪」を簡単に紹介します。
- 面条像裤带
麺はベルトのよう。陝西省の麺はビャンビャン麺のような幅広麺が好まれています。 - 鍋盔像锅盖
パンはお鍋のフタのように大きい。ここで言うパンは、中国の内陸でよく食べられている小麦粉をこねて円盤状にして焼いたものです。 - 盆碗不分开
お盆とお椀の区別がつかない。地元では大きなお碗に麺もおかずも一緒に盛って食べていました。なるほど、ビャンビャン麺のお皿が大きいのはこれが由来なんですね。 - 油潑辣子一道菜
熱い油をかけた唐辛子はおかずのひとつ。お店のメニューにある「ヨーポー麺」の具がこれにあたります。 - 帕帕頭上戴
頭の上には白頭巾。地元の人は昔、白い手拭いを頭に被る習慣がありました。 - 板凳不坐蹲起来
椅子があっても座らずしゃがむ。 - 秦腔不唱吼起来
「秦腔」という伝統芸能は歌うというより叫んでいる。 - 房子半辺盖
家は半分屋根。伝統的な家の構造は屋根が片側にしかかかっていない作りだ。
「八大怪」のうち3つがビャンビャン麺に関係のあるもので、これを知るとビャンビャン麺を食べるのがますます味わい深くなりますね。6番はお店で真似しちゃだめですよ。
(Amy松田)
店舗情報
西安麺荘 秦唐記
- 永代総本店
江東区佐賀1-1-16
Tel:03-5875-9685 - 新川本店
中央区新川1-13-6
Tel:03-6280-5899 - 神保町店
千代田区神田神保町3-2-5
Tel:03-6256-9787 - 錦糸町店
墨田区江東橋3-2-2
Tel:03-6659-9175