2015年9月、突如として池袋に日本初出店した火鍋チェーン「海底撈火鍋(かいていろうひなべ)」は、中国で大ヒットした数々のこだわりのサービスと趣向を凝らしたエンタメで有名です。
麺職人がアクロバティックなパフォーマンスを披露する「カンフー麺」と京劇パフォーマンスがそうです。先日店を訪ねたときも、麺職人のお兄さんが張り切って麺を宙に回しながら踊りまくっていました。
もちろん海底撈火鍋の売りはこういうエンタメばかりではなく、中国の外食業界でも信じられないほど徹底した顧客サービスが評価され、中国最大手の火鍋チェーンと目されることになり、海外にも多数出店していたのです。
たとえば、この入口脇の部屋はテーブルが空くまでお客さんにくつろいでもらう待合室です。中国系の飲食店はトイレが苦手という人も多いですが、海底撈火鍋のトイレはピカピカかつゴージャスで快適です。
そして、お手拭きだけでなく、スマホやメガネ吹き、女性用の髪留めゴムバンドなどの一式を渡してくれます。ここまでする店は日本でも少ないでしょう。
そして、ここ池袋店は店内もビルの5階と6階を吹き抜けにした造りで、上から眺めるとこのとおりです。
実は東京ディープチャイナ研究会の学生メンバーと新宿店を訪ねたことがあります。そのときは、ちょうど記事を書いてくれた永井美有さんの誕生日が(当日ではないけど)近かったということで、お店のスタッフにお祝いしてもらったりしました。
このなかなかにイケイケ感のある中国の火鍋店チェーンですが、この店を訪れたことのある日本の人の多くは、中国の友人知人と一緒に来たというケースが多いのではないでしょうか。
もし日本人だけで行くとしたら、スープや具材の注文などを自分でしなければなりません。それって少し気が重いというか、なぜなら中華火鍋のスープや具材、そしてタレについての基本的な知識がないからだと思います。なにしろ種類が多すぎて、よくわからないのですから。
というわけで、今回池袋店の店長、周航さんの協力で、
- スープ選び
- 具材選び
- タレと薬味選び
という3つのポイントをなるべく具体的に紹介したいと思います。
ではまず「スープ」選びから。
以下の9種類のスープから選びます。お店のおすすめは麻辣ながらもマイルドな味わいの「ミルキーマーラー秘伝旨辛鍋」だそうです。
- 麻辣牛奶鍋(ミルキーマーラー秘伝旨辛鍋)
- 経典麻辣鍋(特製マーラー鍋)
- 清油麻辣鍋(マーラー鍋)
- 番茄鍋(トマト鍋)
- 檸檬鍋(レモン鍋)
- 猪肚胡椒鍋(豚ガツスープ鍋)
- 三鮮鍋(白湯鍋)
- 日式味噌鍋(和風ミソ鍋)
- 清水鍋(しゃぶしゃぶ鍋)
レモン鍋とかトマト鍋とか、日本の人も気に入りそうなヘルシー鍋があるのですね。これはいろいろ食べ比べてみたくなります。新宿店に行ったときは学生メンバーの女子たちの間ではトマト鍋が人気でした。せっかくなので、麻辣鍋ともうひとつは辛くないスープの2種類を頼めば、火鍋を堪能できるのではないでしょうか。
次は具材です。
種類があまりに多いので、ジャンル別に分類しつつ、周さんのおすすめを紹介します。
肉
定番は羊肉や牛肉、牛バラ肉、豚肉などですが、おすすめはホルモン系も含めた以下の4つだそうです。
海鮮
定番はエビやイカ、カキ、ホタテなどですが、新感覚のエビチーズ巾着や魚卵入りのつみれなども美味しいです。つみれの種類も多いです。
海鮮盛り合わせを頼むと一気にゴージャスになります。
豆腐
豆腐の種類は多くて、鍋にはピッタリの具材です。それぞれ食感が違うところが通好みの具材といえるかもしれません。
野菜
葉野菜の盛り合わせを頼んでしまえばひと安心と思ってしまいますが、なかなかどうしてこういうのも鍋に入れるのかという具材があります。
その他
中華火鍋ではおなじみの鴨の血(ヤーシュエ)や春雨もサツマイモ素材のものがコシがあって美味しいです。
しめにインスタント麺を入れてもいいです。
いかがでしょう。次回、ちょっと試してみたくなったのではないでしょうか。
そして、最後はタレと薬味選び。
なにしろこの店では18種類のタレと薬味が用意されおり、中国の人たちは自分の好みのタレと配合具合を知っているのか、思い思いに手早く選んでいる姿を見かけるのですが、こちらは全くどのスープや具材にどのタレが合うのか見当がつきません。
ゴマだれ/ポン酢/ラー油/豆豉/自家製醤油/黒酢/海鮮タレ/キノコタレ/ゴマ油/豆板醤/パクチー/万能ねぎ/ザーサイ/牛肉そぼろ/セロリ/タイのトウガラシ/ダイコンおろし/ニンニク
いつも適当にエイヤーと選んでしまうのですが、実は海底撈火鍋ではおすすめタレの組み合わせを推奨してくれていました。
それによると、おすすめNo.1の組み合わせは「海鮮タレとキノコたれ、自家製醤油、パクチー、ニンニク、万能ねぎ」だそうです。
ほかにも羊肉や麻辣鍋に合う組み合わせなどがあるようです。
火鍋のあとは口に優しいデザートも用意されています。
それからひとり用の鍋セットもあります。
この店は大型店なのでスタッフの数も多いです。中国各地から来たフレッシュな5人を紹介します。
ちなみに最初に登場したパフォーマンスを披露してくれた麺職人は胡明軒さんです。
店長の周航さんは山東省威海出身で、来日後、別の業界にいたのですが、飲食業界に転職したそうです。威海は山東半島の最東部にある海鮮のおいしいところです。
どうでしょうか。これで中華火鍋の食べ方の基本がだいぶわかったのではないでしょうか。これなら日本人だけでチャレンジできますね。あとは場数をふんで、さまざまなスープや具材、タレの組み合わせを試してみながら、自分の好きな味を探求していくという、これもまた果てしない道のりが待っているのかもしれません。
(東京ディープチャイナ研究会)
店舗情報
海底撈火鍋池袋店
豊島区南池袋1-21-2 5F-6F
03-5956-9666
※新宿、秋葉原、上野、千葉幕張、川崎、横浜中華街、横浜駅前、大阪心斎橋、兵庫三宮、福岡などにもある。