お祝い日は至れり尽くせりのエンタメ火鍋屋「海底撈」に行こう

今回は東京ディープチャイナ研究会の私の初めての取材で、研究会の中村さんと研究生の美佳子ちゃん、正羽くんの3人で、新宿にある「海底撈(ハイディーラオ)」へ行ってきました!

とにかく海底撈はサービスが充実しているということを聞き、こちらに決めました。

新宿歌舞伎町は本格的な中国の激辛火鍋を食べられるお店が集中しているところです。海底撈もそのひとつ。どんなお店なのかとても気になります。

店内はとても広く、ソーシャルディスタンスを取りつつも、お客さんでにぎわっていました。

席に着くと、中国人の店員さんがおしぼり、マスクを入れるジッパー付きビニール袋、お店のエプロン、そして写真のような赤くて小さなパック、一緒に行った美佳子ちゃんは髪の毛が長いので、ヘアゴムまで届けてくれました!

気になるこの赤いパックは、なんと眼鏡拭きでした! 火鍋で油が飛ぶので、眼鏡をかけている人にはこの眼鏡拭きを渡してくれます。さらに入口には超音波の眼鏡クリーナーがあるので、気にせず火鍋を楽しむことができます。

テーブルの下にはコードがついています。滞在が長時間になることが多かったり、写真もたくさん撮ったりするので、充電ができるということはとてもありがたいですね!

しかも3種類あるのでどのスマートフォンにも対応しています。荷物は、ソファーの通路側の側面に床から座面までのスペースが引き出しになっているので、その中にしまっておけば、油で汚れたり、ニオイがついてしまったりといった心配はいりません。椅子の上に置いていても、上から布をかけてくれます。

なんという至れり尽くせりのサービスでしょう。

お手洗いにはマウスウォッシュとハンドクリームが置かれていました。ニンニクやネギ、パクチーを薬味として使っているので、お口のニオイが気になるところですが、気にせず、お腹いっぱいおいしいものを食べられますね!

注文はすべてタブレットで行います。最初に店員さんが、日本語でタブレットの使い方を説明してくれます。コースを頼む方法と、単品を頼むふたつの注文方法がありますが、コースの方は人数分を注文しなければならなくなってしまいます。

さまざまな食材を楽しみたい方や、苦手なものがあったり、食べたいものがコースになかったりする方は、ぜひ単品から注文してみてください! 

鍋のスープは赤と白の2種類を選ぶことが多いようですが、私たちは「秘伝旨辛鍋」と「トマトスープ」の、どちらも赤色のスープを注文しました。これは4種類まで選ぶことができます。

スープの濃さや辛さも調節できます。私たちは「うま辛」を選びましたが、先に言っておくと、それでも相当しびれたし、辛かったです! なので、あわせてココナッツミルクジュースを注文して、小休憩をはさむことをおすすめします! セルフサービスでバナナも食べられるので、それでもいいと思います。

料理を待つ間に、タレをつくりに行きます(こちらは「調味料」を注文しないと使えません)。客席の入口すぐ右にセルフサービスで、お好みの味のタレをつくることができるスペースがありました。

下の棚からお椀を取り、上のソースやネギ、ニンニクなどのトッピングをいくつか混ぜ合わせます。ありすぎてどの組み合わせがいいのかまったくわからない!と思った方もいるかもしれませんが、ちゃんとオススメの組み合わせが書いてあります。

迷っていたら、スタッフの方が声をかけてくれます。食べてみたいソースに合う組み合わせなどを教えてくれます。ちなみにニラのソースはかなりしょっぱいらしいので、取りすぎ注意です。一番上の段にはバナナや冷やしキュウリ、中国のスナック菓子が並べられています。このスナック、止まらなくなってしまうんです。病みつきになる味ですよ~。

ここで席に戻ると、料理が運ばれてきました。スタッフの方々が席まで運んできてくれることもありますが、ほとんどはロボットが席まで運んできてくれ、それをスタッフの方がテーブルに配膳するという形をとっています。

テーブルごとに担当のスタッフが決められているようで、常に目を配り、気にかけてくれます。日本の飲食店だとホールにはせいぜい5人くらいで回されているという印象がありますが、ここはざっと15人くらいのスタッフが動いていました。だからこそ、細かいところにまで目を配ることができ、最高のおもてなしができるのかなと思います。

ついに注文したものがすべて届きました!

上から時計回りに、野菜の盛り合わせ、具入り魚団子、スパム、揚げパン、サツマイモの春雨、ハチノス、特性ラム肉、豚肩ロース、天使のエビ(これは極上エビのことです)、ココナッツミルクジュースです。スープは左側がトマトスープ、右側が秘伝旨辛鍋です。

具材が届くまでの間、スタッフの方が、パクチーと小葱をお椀に入れ、トマトスープをそこに注いでくれました(ちゃんとパクチーと小葱が苦手ではないか聞いてくださるので、苦手な方は断れば大丈夫です!)。トマトスープって、酸っぱすぎたり、甘すぎたりするのかなあと思っていたのですが、トマトのうまみが凝縮され、お箸が止まらなくなる味でした!

トマトスープを堪能した後、どんどん火鍋に食材を入れていきます。

ラム肉は臭みがなく、とっても食べやすいと思います。ちょっとぷるんとしていて、初めての食感でした。

揚げパンというと、砂糖がかかった甘いパンを想像するかもしれませんが、油で揚げただけのもので、辛いスープにも、トマトスープにも意外によく合います。そのままだと固いので、ちょっと長めにスープに漬けておいて、ふにゃふにゃになるくらいのほうが、スープも染みていておいしいです。

スパムは日本で売られている青色の缶に入っているのとは違い、寒天で固めたような、プルプルの食感でした。また、日本でよく見るスパムは塩辛いですが、これは、スープと合わせるためか、しょっぱくなく、トマトスープとよく合うと思います。

具入り魚卵は、中にちょっとしょっぱくて、つぶつぶのタマゴがはじける感じが数の子に似ていて、それがはんぺんのような魚のすり身にくるまれています。どのスープとも相性抜群です!

中国の春雨にはサツマイモから作られているものがあるそうです。日本でよく見るものよりも太く、平たい麵になっています。そのため、食感がよく、弾力があり、コシが強めです。また、時間が経っても伸びにくいので、スープに浸しっぱなしにしていてもつるつるな食感が楽しめます。

私は野菜の盛り合わせの中に入っていたミズナと一緒に食べたのですが、山椒が絡まり合っていて、口と鼻から山椒特有の香りがこれでもかというくらいブワーっと抜けていき、しびれました。皆さんも山椒を口の中に入れすぎないように注意してください(笑)。

私は今まで火鍋を食べたことはなく、メディアなどで紹介されて見たことがある程度で、健康や美容に効果的である薬膳鍋というイメージがあり、香辛料をふんだんに使っていて、独特のクセがあるのかなと思っていました。

ですが、今回の火鍋は鼻にすっと抜けてくるような山椒の香りが程よく、印象的です。日本の鍋は昆布や鰹節などを煮だしてとった出汁を使っていて、薄味ですが、この火鍋はスープ自体の味がしっかりしていて、豊かな味でした。一口食べるごとに中国へ近づいている気分でした。

ところで、この店はサービスがすばらしいだけでなく、エンターテイメントがいっぱいあります。

入口にあったプリクラ?のような機械が気になっていたので見に行ってきました。画面のQRコードを読み取り、LINEやWechatなどでログインしてから使えるようなのですが、中国語での説明が出てきて、ちょっとわからなくなってしまいました。

すると店員さんが声をかけてくれました。受付担当の張さんです。どうやらこれはスマートフォンなどで撮った写真を印刷するものだそうです。張さんが私たちの写真を撮ってくれ、印刷してくれました。

また、彼は奥の部屋から大きな男の子のぬいぐるみをもってきてくれました。これは、ひとりで来たお客さんがさみしくないように、その方の席に座らせるのだそうです。

実際、ひとりで来る客も多く、かなり出番があるそう。そして、日本人のスタッフを呼んでくれました。

「中国人のスタッフが多い中で、どうしてこの店で働いているのですか」と聞くと、「以前、お客さんとして訪れたときに、そのホスピタリティに感動し、自分もここで学びたいと思ったから」と話してくれました。

左胸のニコニコバッチがお気に入りだそう。このように日本人のスタッフもいるので、中国語がまったくわからなくても心配いりません!

7時からは京劇パフォーマンスが始まります。店内は日本の最新の曲が流れているのですが、ここで一気に中国の音楽へと切り替わり、雰囲気が一変します。

このパフォーマンスは中国の伝統的なもので、美しい刺繍や模様が施された衣装をまとい、バタバタと扇子で音を鳴らしながら通路を踊ってきます。このとき何度か、一瞬でお面を変えていくのです。

かなり近くまで来てくれて、変わる瞬間を瞬きせずに見ていてもわからないくらい、本当に一瞬なのです! 時代劇でしか見たことがなかった龍や雲の色鮮やかな刺繍が施された衣装や、次々と変わってゆく喜怒哀楽を表現するさまざまな種類のお面は、強く印象に残り、とてもワクワクしました。

京劇が終わると、「ハッピーバースデートゥーユー♪」の音楽が流れてきました。

フルーツの盛り合わせをもって、中国語で歌いながら、たくさんのスタッフが私たちのテーブルに来てくれました。実を言うと、海底撈を訪ねた前日が私の誕生日だったので、お祝いしてくれたのでした! 最後には店員さんから「おめでとうございます!」とプレゼントが渡されました。

開封してみると、サルのスマートフォンスタンドとワンちゃんの形にたたまれたハンドタオル、そしてなんか見たことあると思ったら、テーブルの下にあった、お店のロゴ入りスマートフォンのコードでした! さらに、メッセージカードまで書いてあり、うれしかったです!

林くんが、この店の誕生日のお祝いがすごいという話を聞きつけ、「誕生日サービス」の予約をしてくれたのでした。私は誕生日が夏休み中なので、いままで友達がお店でお祝いしてくれることはあまりなく、特別な時間に感じました。

ぜひ、お祝いごとがあれば、海底撈へ行ってみてください!
予約が必要ですが、無料で誕生日を祝ってもらえますよ。

山椒の利いた火鍋、京劇のパフォーマンス、中国語での誕生日祝いなど、初めての体験であふれ、一晩で中国旅行に行った気分になりました。

ぜひ日本で中国旅行を体験してみてはいかがでしょうか?

店舗情報

海底撈火鍋新宿店

新宿区歌舞伎町1-21-1第二東亜会館6F
03-6278-9799
https://shinjukuhaidilao.owst.jp/
※新宿店のほかに池袋、町田、千葉幕張、川崎、横浜中華街、横浜駅前、大阪心斎橋、兵庫三宮、福岡の10店舗があります。

Writer
記事を書いてくれた人

永井美有

プロフィール

会長からのひとこと

林くんから永井さんの誕生日のことは聞いていたのですが、まさかこんなサプライズがあるとはぼくも思っていませんでした。まさにこういうのが東京ディープチャイナ体験ですね。永井さんはこの店の至れり尽くせりのサービスをくまなく観察して詳しく書いてくれましたが、ここまで徹底しているとはすごいですね。

海底撈火鍋は中国で最も有名な火鍋チェーンです。創業は1994年だそうですが、店舗を中国全土に展開するようになったのは2000年代の半ば頃からで、ぼくが初めて行ったのは10年以上前のことです。その頃からほかの飲食店とはサービスの内容やこだわりがまったく違っていました。日本には2015年9月、池袋に初出店しています。現在、韓国やシンガポール、アメリカにもフランチャイズ店があります。

中国で独自の発達を遂げた外食チェーンが最近、続々東京に出店しています。林くんがレポートした「賢合庄」もそうですが、それぞれ趣向を凝らしたサービス合戦を繰り広げています。もっといろいろ訪ねてみましょうね。

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