立教大学池袋キャンパスのすぐ近くに、中国本土のトレンドが楽しめるというディープな世界が現れます!
池袋西口C3出口のすぐ近くにある雑居ビルの3階に上がると、飲食店とは思えない海賊のオブジェが!
入り口のドアもイラストに手をかざすと自動ドアが開くという、なかなかにエンターテインメント性の高い仕掛け。まるでテーマパークのような入り口に、盛り上がること間違いなしです!
店内に入ると想像以上に広々としており、大人数での利用にもぴったり。
そして注目すべきは、店内中央にあるカラオケ用のステージ!
こちらのお店のカラオケは、日本で一般的な【個室カラオケ】ではなく、いわゆる「旅館の宴会場」的な【公開型カラオケ】なのです…!
私たちが到着した17時頃には、お客さん私たちだけ。
「他のお客さんの前で歌うのは少し恥ずかしい…。」という方は早い時間をオススメします!
「中国語の歌は自信がない。」という方も大丈夫。米津玄師やあいみょんなど、日本語のアーティストの曲も登録されています。
熱唱しているのは、学生ライターの林正羽くんです。
オーナーの姜(ジャン)さんによると、中国では串焼きが食べられるカラオケ店が流行しているそう。特にここ「卓尚記」は、姜さん曰く、「日本初の中国風串焼きカラオケ店」なんだそうです。
注文は席に置かれているタブレット端末で行います。
しかし、「メニューが豊富すぎて選べない!」ということで、姜さんにおすすめを聞いてみました!
① 碳烤鰈鱼头 (カレイの頭の炭火焼き)
カレイの頭の炭火焼きが、このように開かれた状態で出てきます。なぜか造花で装飾がされており、テーブルに華を添えてくれます。「骨の髄まで美味しいよ」という姜さんの言葉通り、コラーゲン質の身に、お醤油ベースの味付けが美味しい! 汚れる手にも構わず、夢中で食べてしまいました。
② 羊肉串
こちらは東京ディープチャイナ研究会定番のお料理ですね!
なんと姜さんは中国の有名店のレシピを授かったのだとか…!
スパイスの複雑な香りと辛さはクセになる味わい。ビールにぴったりです。
③ 牛肉串
「羊肉は苦手…。」という方には牛肉もおすすめだそうです。
ジューシーで食べやすいので、串焼き初心者にも!
※串焼きはほとんどが10本単位で出てくるので、注文の際は注意!
他に私たちがいただいたものはこちら。
④ 网红凤爪 (鶏もみじの甘酢サラダ)
よく見てください。鶏の足の爪の部分を調理したものです。
⑤ 锡纸花甲 (しじみと春雨のピリ辛ホイル焼き)
⑥ 猪蹄 (豚足)
ボリュームがあります。
⑦ 葱爆蚕蛹 (ネギと蚕蛹の炒め物)
この黒いのが蚕(カイコ)のサナギです。東南アジアで食べると聞いていましたが、中国でも食べるんですね。
⑧ 锡纸鴨血 (鴨血※のピリ辛ホイル焼き)
鴨血というのはアヒルの血を固めたもので、中国ではよく食べます。
他にもいろいろいただきました!
今年大学院に進学した中国出身の留学生の友人も一緒にいたので、料理を教えてもらい、紹介されるがまま、ずいぶんチャレンジングな注文もしてしまいました!
2021年5月、緊急事態宣言下にオープンした「卓尚記」は、オープンから1年を迎えます。「とにかくみんなが楽しめる店にしたい」と話してくれた姜さん。
今までは中国人のお客さんが多かったようですが、もっと日本人のお客さんに来てもらえるよう、日本語の歌を増やしたり、日本人受けするメニューを用意したりしたいそうです。
思い切って入り口の扉に手をかざせば、ディープチャイナの夜の盛り場はカジュアルに楽しめるエンターテインメント空間でした。
昼だけでは物足りなくなったら、夜のディープチャイナに足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。
店舗情報
卓尚記
豊島区西池袋3-29-4 ジェスト7ビル3F
03-4362-8739
Writer
記事を書いてくれた人
山田一衣
代表からのひとこと
卓尚記には、以前研究会のメンバーの佐々木遼さんや山端拓哉さんと一緒に行ったことがありました。オープンしたばかりの頃です。
この記事を見たからでしょうか。今回みんなで「卓尚記」に行くことになったのは、学生ライターの植田美佳子さんが「中国カラオケに行ってみたい」と言ったのがきっかけでしたね。でも、実際に行ってみたら「クラブみたいなところかと思っていたけど、だいぶ違った……」。それが彼女の印象だったようです(笑)。
確かに、不思議な空間でした。内装のデザインや飾りつけの遊び心やセンスが日本とは違っていて、これは何だろう……そこらかしこで、そう感じさせられます。なかでもぼくが気になったのは「SERENDIPITY(セレンディピティ)」という英語のLEDネオンで、これは「偶然の産物」を意味する言葉。たとえば、何かを探しているとき、偶然に素晴らしいものを発見することや、そういう発見が得意な才能を言います。ここでは偶然の出会いが待っているということかな。
ぼくは中国で現地の友人に連れられて、このような【公開型カラオケ】に何度が行ったことがあります。中国ではカラオケでも何を食べるかは重要で、食事が充実しています。この店のメニューは炭火焼きのバーべキューが中心ですが、料理の種類も多いし、そもそも食材がユニーク。中国に実在する店がそのまま池袋に移設されたような世界で、面白いです。
おかしかったのは、この店には専属の歌手のような男性がいて、配膳もしながら、ある時間帯からは中国語の歌を延々歌っていて、なかなかみんながマイクを握れなかったことでした。確かに彼は歌がうまいのだけど、曲名も歌詞もよくわからないので、早く終わらないかなあ~という感じ。どうやら最近の中国の飲食店には彼のような「歌手」がけっこういて、カラオケで歌を聴かせるのが仕事のようなのです。う~ん。なんでだろう?
いろんな意味で異文化ギャップを感じさせる場所でした。まるで海外旅行先での出来事みたい。このあたりのギャップを面白がれるかどうかも、ディープチャイナの世界を探訪するポイントのひとつですね。