【大阪ディープチャイナ】住所非公開!屋台文化が沁みる台湾料理店

先日テレビでSNS等のネットで全く宣伝をしていないパティシエの店を1回限りということで取材していた番組がありました。東京の庶民の町で、文化住宅の2階がお店兼厨房でした。それでも店内は一流店のようであったことを覚えております。

大阪ディープチャイナ第一弾は、こちらもネットで全く宣伝していない台湾料理のお店です。店の名前は「台湾料理 台湾」といいます。

みなさま、台湾の夜市は行ったことがありますか? あのグルメの夜市です。台湾の高雄では六合夜市や瑞豊夜市、台北では士林夜市等が有名ですが、台湾の屋台は独特の雰囲気があります。台湾の夜市を知らない方は博多の屋台を思い浮かべてください。まさにあの雰囲気の強烈形なのです。

屋台文化というものは、博多でも台湾でも一朝一夕でできるものではありません。日本の屋台村の中にはハードさえ作れば良いといった安易な考えから、作られた可哀そうな施設もあり、心が入っていないためにお客様が逃げてしまったという悲しい結果に終わった所もあります。やはり夜市は屋台の心を持った方が接客を通して生まれる心の文化であり、博多や台湾はこれが保たれていると思います

博多や台湾の屋台文化には売り手作り手と客の間に流れるなんともいえない連帯感を作り出すノウハウというか文化の源を感じるのです。ここ「台湾料理 台湾」は小規模居酒屋でありながら、高雄の屋台文化が沁みております。

何が屋台文化風なのかと申しますと、まずこの大根餅。これは台湾屋台文化の結晶というべき料理です。大根餅を食べればその料理屋の腕が解ると言われるほどのものなのです。

この店の大根餅を食べていると、エビの味を感じながら、高雄の屋台で食べているような感じが蘇ります。大根餅は「餅」という字を使っておりますが、全く餅っぽくありません。日本で言えばコロッケに相当するかもしれません。味は全く違いますが。

大根餅はビールや紹興酒、また白酒(バイジュウ)にも合います。万能の酒の肴なのです。「台湾料理 台湾」ではときどき売り切れがあります。メニューには(予約)のマークが付いております。

次に鯛の蒸し煮料理。鯛の蒸し煮は日本料理でもありますが、この醤油と油、刻みショウガが非常に鯛に沁みております。この居酒屋いちばん高い商品です(600円)。

醤油の辛さと油がマッチしていて、刻みショウガが非常に効いており、魚の臭みを消して、かつ引き立てているバランスの取れた魚料理です。日本料理で鯛等の白身魚の酒蒸しは多いですが、その台湾料理版です。

日本の鯛の酒蒸しは日本酒を飲むうえで最高のアテですが、台湾の酒蒸しも味では負けておりません。根本的な違いはポン酢をかけて美味いかどうかでしょう。ポン酢で美味しいのは日本の鯛蒸し、ニンニクやショウガやネギと醤油で美味しいのは台湾や中国ではないかと思いますが、江蘇省で食べたスズキの酒蒸しは、ずばりポン酢が欲しかったです。

料理のレシピをこの店のママさんが実践してくれました。鯛の白身をレンジでチン。本当は蒸すのがいちばんだそうです。

その間にネギとショウガを糸状にスライスします。鍋に植物油を入れて熱を加えて、鯛を投入します。油がなじんだところで今度は醤油を投入。30秒後に出来上がり。皿に盛りつけ刻みネギとショウガで盛り付け完成です。

ネギとショウガが醤油油の鯛とマッチして独特の香と味が沁みます。これは家でも実践できそうです。私の場合は、油種にゴマ油を使用し、醤油は濃口、白ネギと土ショウガを使う予定です。あとは鯛を釣ってくるだけです。今週末に鯛釣りに行くので、この料理をぜひ挑戦したく思います。

台湾風野菜炒めうどんは、また違った味がします。うどんの上に野菜炒めを掛けた料理です。これは日本にはありません。うどんに絡まる野菜炒めの味が際立ち、うどんと野菜炒めを同時食べることができるような感じでした。

台湾で小籠包と言えば鼎泰豐ですが、鼎泰豐が1店舗でやっていたときと、チェーン店化してからでは、どうしてもレベルが低下しつつあります。中華圏では3大小籠包というものがあり、台湾の鼎泰豐、天津の狗不理,上海の南翔馒头が代表的です。

なかでも鼎泰豐は中国各地にチェーン店を展開しており、味的には合格です。日本国内でもチェーン店があるのですが、そこへ行かなくても、「台湾料理 台湾」でよく似た味が楽しめます。近所で食べることができることは嬉しい限りです。

あと今回満腹で食べることができなかった台湾の天津丼と呼ばれる魯肉飯や米苔目(銀色の丸い鍋に入った白キクラゲのようなスープ)、台湾風卵焼き、(予約)マークのビーフン、豚足等があります。台湾粽(チマキ)はいつ出してくれるのかが楽しみですが、毎月メニューは増えております。

最後に「台湾料理 台湾」のママさんの卓さんを紹介しましょう。彼女は台湾の高雄出身の女性で、旦那さんは日本人です。旦那さんの停年後、卓さんは自宅の1階を改造して、座席数わずか20名(カウンター11名、座敷6名、外のテラス屋台席3名)という極めて小規模のこの店を始めました。それも大通りに面してない住宅街のど真ん中に存在するのです。

卓さんから「秘密にして」と言われましたので、住所は非公開ですが、だいたいの場所は「大阪府吹田市岸辺北3丁目」付近です。

目印は府道大阪高槻京都線沿いの「和牛焼肉だいこく家」の裏手付近です。JR京都線岸辺駅から徒歩約12分です。

ディープチャイナの取材の話を卓さんにすると、初めは「やめて頂戴、ネットで見てお客さんが入り切れなくなるので」とのことでした。ここのお客様は大部分、地元の方か卓さんか旦那さんの知り合いです。しかしながら、開店以来、私も何回か訪問しましたが、後から来られたお客様で満席になることもしばしばありました。満席で遠くから来たお客様を返すことを卓さんは気にしております。やさしいお店なのです。

それでも、「東京ディープチャイナ」という東京中心の情報サイトであることを説明したうえで「このような素晴らしいお店はぜひ紹介しなければならない」と説得しました。この記事を見て訪問する方は、ママさんに「水谷浩からの紹介です」と言ってください。

私がこの店を知ったのは、私の中国ビジネス関連の知り合いの紹介です。もともと卓さんはケアマネージャーの仕事をしており、その関係で近所のお年寄りの面倒をみております。そのなかに長く中国ビジネスをやっている私の知り合いがおり、その人のお母さんのケアマネが卓さんという関係です。それから、何より私の自宅から徒歩15分という近さであることです。

ちなみに、このお店を訪問するときは、休日は火曜日と水曜日ですのでご注意ください。

店舗情報

台湾料理 台湾

大阪府吹田市岸辺北3丁目付近

Writer
記事を書いてくれた人

水谷浩

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