【TicWatch Pro 5 Enduroレビュー!】YAMAPもヤマレコも使える高性能GPSスマートウォッチ

【TicWatch Pro 5 Enduroレビュー!】YAMAPもヤマレコも使える高性能GPSスマートウォッチ

Google社とフォルクスワーゲン社が出資するMobvoi社が手掛けるスマートウォッチ、Tic Watch Pro 5 Enduroに新色が登場しました。

公式サイト:
https://www.mobvoi.com/jp/pages/ticwatchpro5enduro

こんにちは!東京ディープチャイナの林です。近年、ますますAndroidユーザーが増えてきております。

いまやAndroidスマートフォンのシェア率はほぼ4割※。これは一人一台と考えても、5人に2人はAndroidユーザーであるという数字です! 

※出典:https://www.auncon.co.jp/press/release/2024-06-27/ 
アウンコンサルティング株式会社様より、6月末時点

実は私もGoogle pixel 6aを愛用するAndroidユーザーなのですが、Android向けのスマートウォッチって種類がたくさんあって困っちゃいますよね。登山によく行くのですが、山で使えるかで選ぶと、どれがいいのかわかりません…。周りの友人はiPhoneユーザーが多くて、時計型デバイスというとAppleWatchやGarminシリーズを購入する人がほとんど。

いつか便利なスマートウォッチが欲しいな~、でも毎日充電する面倒だよな~と思っていたところ、このTicWatch Pro 5 Enduroに出会いました。これ、すごいですよ。「めんどくさがりでアウトドア派なAndroidユーザー」にとって最良の選択じゃないかと思っています。

この記事では、埼玉県小鹿野町の霊峰である両神山に向かい、実際の登山・アウトドアシーンにおける使用感について正直にレポートしていきます。アウトドア派にうれしいアピールポイントは主に3つ!

  1. 高い耐久性&防水性能
  2. 山ごもり・縦走もできそう!長いバッテリー持続時間
  3. YAMAP・ヤマレコの地図が見られる

驚くべきは最大45日間(エッセンシャルモード)も充電いらずという、バッテリー持続時間の長さ。スマートモードでもほぼ4日持つため、野外環境での安心感も抜群。この長持ちなバッテリーは“超省エネディスプレイ”のおかげ!しかも運動時には心拍数に合わせてバックライトの色が変化する便利機能つき。

また、LINEや音楽アプリ(Spotify・YouTube Music)、通話機能など、日常で使う機能や、睡眠評価・バイタル計測など健康管理に役立つ機能も豊富です。後半では普段使いの感想についてメリット・デメリットにまとめながらレビューしていきますので、是非参考にしてみてくださいね。

TicWatch Pro 5 Enduroの総合評価

評価感想
デザイン★★★★☆柔和な雰囲気の新色「スレートグリーン」は主張しすぎない高級感。細部のタフな意匠に遊び心あり。
電池もち★★★★★最大45日も充電要らず。2層式のスクリーンをスマートに切り替える。登山でGPS使い続けても2日間は余裕。
機能性(アウトドア)★★★★★米軍規格の耐久性。スマホを使わない登山は一度試せば戻れない。YAMAP・ヤマレコなど地図アプリ対応。
機能性(普段使い)★★★★★各種バイタル計測、睡眠管理が生活習慣に見直すきっかけに。走り出せば勝手に計測してくれる。音楽再生も余裕。
価格★★★★☆ほぼ5万円。多彩な機能とアウトドアで使えることを考えると安い部類かも?

総括
★★★★★平均スコア4.6の23/25点、個人的にかなりの高評価です!アウトドア環境では激しい運動に使用できる耐久性・素晴らしいバッテリー性能という強力な武器を備えていながら、日常環境でも満足感のある機能の数々。TicWatch Pro 5 Enduroは、山でも街でも寄り添ってくれる最高の相棒になるはずです。

TicWatch Pro 5 Enduroのデザイン評価 ★★★★☆

新色「スレートグリーン」は穏やかなアースカラーで、バンドがこの色に統一されています。艶消し加工された胴体・鏡面仕上げのベゼルは高級感がありパッと見て柔和な雰囲気ですが、赤いアクセントが施された回転ボタン(リューズ)や、ベゼル側面の模様など、細部にタフで野性的な意匠があります。

文字盤の色やデザインはスマホのアプリから自由に変えることができ、好みに合わせてカスタマイズできます。メイン画面下部の小窓には、心拍数や歩数計、ストレス度などよく使う機能を常に表示させることも可能。デザインによっては機能を表示できる小窓が3か所あるものや、ミニゲームが遊べるものまであり、飽きさせません。

全体としては「アウトドアで使えるのに(良い意味で)あまりアウトドアらしくない」印象を受け、筆者自身は気に入っていますが個人で好みが分かれるかもしれません。そんな方は精悍な雰囲気のオブシディアンブラック(既存色)もチェックすべし。

TicWatch Pro 5 Enduroのバッテリー評価 ★★★★★

超省エネディスプレイ(FSTN液晶)とマグネット式高速充電テクノロジーを採用し、公式によると、前モデルであるTicWatch Pro 5を超える90時間のバッテリー駆動時間(スマートモード)を実現しているとのこと。その秘密は2層ディスプレイにあります。超省エネディスプレイ(FSTN液晶)の下層にAMOLED(有機EL)がある構造なんですね。

普段使いにちょうどいいスマートモードは、腕の動きを検知し端末を見ている際のみFSTN液晶ディスプレイのバックライトが点灯するモードを指し、そこから必要に応じてロック画面を解除して有機ELの方をタッチ操作します。

最大45日間のバッテリー駆動時間を可能にするエッセンシャルモードでは、FSTN液晶のみで操作します。省電力モードながらコンパス・心拍数・消費カロリー・血中酸素濃度・ストレスレベルなど有難い機能を利用可能という賢さ!なんと生活習慣に合わせて睡眠時に自動でこのモードに切り替えてくれるそう。

高速充電技術も前作のPro5から進化し、忙しい朝でも30分の充電で2日間の使用が可能に。私はついつい充電を忘れてしまうので、これは大変助かります。電池もち評価は文句なしの満点。

TicWatch Pro 5 Enduroの機能性(アウトドア)評価★★★★★

米軍規格であるMIL-STD 810の認証を受けており、耐衝撃性・耐水性・防塵性・防湿性を高いレベルでクリアしているため、近場の低山ハイキングから北アルプスの縦走まで使えるポテンシャルを持っています。

実際に小雨の降る両神山への登山で使ってみたところ、何よりも便利だと思ったのはいちいち地図やスマホを取り出してルートを確認する必要がない点。YAMAPを事前に端末にダウンロードすることで、スマホに取り込んだ地図を同期して端末に表示してくれます。リューズやサイドボタンで操作できるため、雨の中でも誤反応や操作ミスが起きません。水深50mまでは完全防水なので、雨天の稜線上など休憩しにくい場所でも少しの時間でルートやバイタル・時間をスムーズに確認できました。

ディスプレイにはサファイアクリスタルが新たに採用されたことで、前作のpro 5と比べて傷がつきにくく、より丈夫になったそう。鎖場でも安心感ですね。

登山中の歩きスマホは滑落リスクが高く非常に危険です。GPSスマートウォッチがあればそのリスクを減らし、時間短縮や体力温存にもつながるでしょう。使用レビューの詳細はこの後にあるので、ぜひそちらもご確認ください。

TicWatch Pro 5 Enduroの機能性(普段使い)評価★★★★★

前モデルであるPro 5と同じくSnapdragon W5+ Gen 1ウェアラブルプラットフォームとWear OS by Googleを搭載しており、Androidスマートフォンとの互換性はばっちり。心拍数に合わせて超省エネディスプレイ(FSTN液晶)を照らすバックライトの色が変化する機能が常時あり、ランニングや散歩などの運動中も視覚的にわかりやすい工夫がされています。筆者のお気に入りは睡眠計測機能(スリープトラッキング)で、心拍数・血中酸素濃度・呼吸数などから睡眠を評価できるのですが、一旦入眠すると、レム睡眠・浅い眠り・深い眠りの三段階で端末が計測してくれます。身体がうまく休めているかを数値におこしてくれるので、慢性的な疲れに気づきしすいですし、登山前日や運動前の身体のコンディションを把握できます。

TicWatch Pro 5 Enduroの価格 評価★★★★☆

49,999円税込(2024年7月時点)。一般的なスマートウォッチと比較するとやや高級な部類でしょうか。ただ、本格登山向けの時計型デバイスで10万円~クラスの商品が並ぶ中、5万円でこれほど充実した機能を持つ端末は珍しいと感じます。

TicWatch Pro 5 Enduroの総括 評価★★★★★

平均スコア4.6の23/25点、個人的にかなりの高評価です!

アウトドア環境では激しい運動に使用できる耐久性・素晴らしいバッテリー性能という強力な武器を備えていながら、日常環境でも満足感のある機能の数々。TicWatch Pro 5 Enduroは、山でも街でも寄り添ってくれる最高の相棒になるはずです。

TicWatch Pro 5 Enduroはこんな人におすすめ!

  • ハイエンドなGPSスマートウィッチを求めるAndroidユーザー
  • よく週末に登山・ハイキング・川遊びなどのアウトドア活動をされる方
  • 文字が見やすく、あまりゴツゴツしないシンプルなデザインの時計を好む方
  • 忙しい朝のわずかな時間でも十分に充電でき、且つバッテリーが長持ちな端末を探している方
  • 日常的に健康に気遣い、バイタル・ストレス・睡眠データを可視化したい方
  • 山でも街でも使える、相棒のような一台を探している方

TicWatch Pro 5 Enduroのスペックと他社製品比較

TicWatch Pro 5 Enduroの大きな特徴とスペック解説

2層式ディスプレイや充電時間の速さ、耐久性能・耐水性能の良さは、すでに高く評価されている前作の性能を引き継いでいます。TicWatch Pro 5 Enduroで変更があったものを次にまとめました。

デザインの変更・回転ボタンのサイズアップ

ベゼル側面に模様が加わり、タフで野性的なキャラクターになりました。実用面では回転ボタンが大きくなり、運動中の操作の煩わしさが改善されています。

バッテリー持続時間の強化

前作Pro5もスマートモードで80時間の使用が可能でしたが、TicWatch Pro 5 Enduroでは90時間に!主要な機能に限定したエッセンシャルモードでは最大45日もバッテリーが続きます。一か月半も持つなんて、びっくりというよりちょっと怖いくらいですね。

スクリーン材質がさらに強くクリアに

前作Pro5ではコーニング社のゴリラガラスを採用していましたが、TicWatch Pro 5 Enduroでは、より高強度なサファイアクリスタルを使っており、耐久性と視認性が向上したようです。サファイアクリスタルはモース硬度9でダイヤモンドに次ぐ硬さがあり、高級ブランドの腕時計にはよく使用される素材です。

位置測定衛星の追加(GNSS)

前作Pro5の発売当初、Mobvoi社製品が位置情報の測定に利用できる衛星はGPS + Glonass + Galileo + QZSSの4つでしたが、2024年7月現在は5つ目となるBeidouが追加されました。Beidou(=北斗)とは中国の開発する測位システムで、5つの衛星サービスを利用することでより高精度な位置測定が可能になりました。

バンド材質にロケットと同じ素材を採用・装着感向上

シリコンゴムからフルオロラバー(フッ素ゴム)に変化。どちらも優秀な素材ですが、フルオロラバーは高価でシリコンゴムより耐炎性・耐油性・耐薬品性・耐摩耗性に優れており、ロケットやミサイルのパッキンに使用されているみたいです。また、手首側の面に波状の加工が追加されたことで、通気性が上がり蒸れにくくなりました!

他社製品との比較

商品名TicWatchPro 5 EnduroApple Watch Series9Google Pixel Watch 2Instinct 2XDual Power
メーカーMobvoiAppleGoogleGarmin
サイズ(縦×横×厚)50.15×48.0×11.95・41×35×10.7mm
・45×38×10.7mm
・41mm(直径)×12.3mm(厚さ)50×50×14.5 mm
重量44.7g(バンドなし)38.7g/39.0g/51.5g31g(バンドなし)67g
Androidとの互換性
耐水性・耐久性5ATM
MIL-STD-810H
5ATM
IP6X(防塵)
5ATM10ATM
MIL-STD-810H
ディスプレイAMOLED+FSTNLTPO-OLEDAMOLEDMIP
スクリーン材質サファイアクリスタル・Ion-X
サファイアクリスタル
ゴリラガラスパワーガラス
音楽アプリ
YAMAP/ヤマレコ
急速充電30分で2日間使用可能45分で80%30分で50%75分で100%なし
バッテリー持続時間45日間(エッセンシャルモード)約90時間(スマートモード)18時間36時間(低電力モードのとき)24時間(常に表示状態のとき)40日間+無制限(スマートモード・ソーラー充電のとき)
定価※2024年7月現在49,999円・59,800円
・109,800円
・51,800円
・59,800円
68,200円

3種類の端末と比べてみましょう。1つ目、Androidユーザーは使えないもののスマートウォッチといえば!のApple WatchシリーズよりApple Watch Series 9。

2つ目は、ハードもソフトもすべてGoogleが作ったGoogle Pixel WatchシリーズよりGoogle Pixel Watch 2。

3つ目に、エクストリームなアウトドア愛好者で名前を知らない者はいない、独自OSのGarmin(ガーミン)シリーズよりInstinct 2 Dual Powerです。

Apple Watch Series 9やGoogle Pixel Watch 2に関しては、都市での日常的な使い方に適した端末であると評価でしょう。Garmin社のInstinct 2X Dual Powerについては、ソーラー充電できるという大きなメリットがありますが、他の3つに比べると普段使いに利用できるアプリの数が限られているようです。

スポーツや健康管理に特化した端末と言えますが、ライフスタイルによっては日常ではやや不便に感じる方もいるかもしれません。その点、TicWatch Pro 5 Enduroは街と山、日常と非日常でシームレスに使えることがお分かりになると思います。

今回この表には乗り切りませんでしたが、TicWatch Pro 5 Enduroと同じくWear OS by Googleを搭載する端末はGoogle Pixel Watch 2のほかにも色々あります。その中でもバッテリー持続時間の長い端末としてSAMSUNG(サムスン)社のGalaxy Watch6がありますが、それでも最大40時間(AOD未使用時)で、TicWatch Pro 5 Enduroの半分以下です。Wear OS by Google搭載の端末のなかで、TicWatch Pro 5 Enduroは群を抜いてバッテリー持続時間が長いことをお伝えいたします!

TicWatch Pro 5 Enduroの開封レビュー

さて、いよいよTicWatch Pro 5 Enduroが手元に届きました!

そのへんにあった地形図を広げ、実際に開けていきましょう。箱の外装はこんな感じ。

シンプルな正面には新色「スレートグリーン」の写真が印刷されており、裏面には機能や性能がわかりやすく示されています。わくわくします!

外装をスライドさせると、TicWatchとだけ書かれた箱。

すこし焦らしていますね。高級感があります。

内容物です。書類は11か国語で情報を記載してあります。

  • 本体 TicWatch Pro 5 Enduro

黒いトレーに乗っています。スクリーンには簡易的なフィルムが貼られています。丈夫なスクリーンですが、念のため保護フィルムを別途Amazonなどで購入するのがいいかも。

  • クイックガイドQuick Guide 

地図折りされた方。製品説明やセットアップの方法が書かれています。

  • 製品安全情報 Product Safety Information

中綴じされた方。使用環境や取り扱い上の注意点が説明されています。

  • 専用充電ケーブル

本体裏側のセンサー横に充電ポートがあります。ケーブルが磁石で自動吸着してくれます。


 ※アダプターは付属しておらず、自分で用意する必要があります。

AndroidスマートフォンでGoogleと連携します。

Googleアカウントがあれば、セットアップは5分程度で完了します。

TicWatch Pro 5 Enduroの本体レビュー

続いて、本体をチェックしていきましょう。

上の画像〈左〉・〈中央〉は超省エネディスプレイ(FSTN液晶)、〈右〉は有機ELです。

TicWatch Pro 5 Enduroではこの2種類のディスプレイを組み合わせた2つのモードがあります。

スマートモード

〈左〉の状態から手首を上方向に動かすと〈中央〉のようにバックライトがつきます。このバックライトは心拍数に合わせて色が変化するので、ワークアウトの際にも便利です。

また、画面をタッチすると〈右〉の状態になり、ここからスワイプすることで各バイタル情報・音楽サービス・LINEなどのアプリにアクセスできます。バッテリー持続時間は最大90時間。

エッセンシャルモード

〈左〉の超省エネディスプレイ(FSTN液晶)のみで操作するモードです。音楽アプリやLINEなどは利用できませんが、側面の回転ボタンでコンパスや各バイタルを一つずつチェックできます。バッテリー持続時間は最大45日。下は画面表示の例(左からコンパス、心拍数、消費カロリー)。

【TicExercise】の機能を解説!

(画像:TicWatch Pro 5 Enduro公式サイト)

続いて、運動に関する機能紹介です。公式サイトによると、TicWatch Pro 5 Enduroの純正110種類のワークアウトに対応しているそう。運動前にアクティビティを設定することでワークアウトを追跡してくれます。また、人気の他社製フィットネスアプリ(Strava、adidasRunning、Nike Run Clubなど)にも対応しています。

ちなみに、日常的なランニングや散歩なら事前設定せずにいきなり走り出しても、心拍数やGPS記録してくれます。気分屋には嬉しいですね~

走り始めてから端末をチェックしてみると、心拍数に合わせてバックライトの色が変化しています。

走り終わると、事前に登録した身長・体重や、運動時の心拍数・移動距離などからワークアウトの細かい評価が行われます。どの数値もたいへん正確な印象、毎日の運動量を数値で把握できるため、健康管理に最適です。

TicWatch Pro 5 Enduroと登る!雨の両神山へ

ここからは、TicWatch Pro 5 Enduroを登山で実際に使用し評価を行っていきます。

その前にアピールポイントをおさらい。

  1. 高い耐久性&防水性能
  2. 山ごもり・縦走もできそうなバッテリー持続時間
  3. YAMAP・ヤマレコの地図が見られる!

①耐久性・防水性ついては、

本体は温度・高度・振動・衝撃・耐水など。過酷な環境条件で使用するための米軍による試験認証であるMIL-STD-810Hをクリアしています。天気が変わりやすく雨が降る山でも問題なく使えますね!スクリーンは前作から進化し、高強度なサファイアクリスタルを使っており、耐久性と視認性の底上げに貢献しています。

②バッテリー持続時間ですが、

スマートモード:約90時間
エッセンシャルモード:約45日

以上の2つのモードがあり、今回は地図を見たいのでスマートモードで登山していきます。

③YAMAPもヤマレコも使えます!

今回の参考ではYAMAPを使います。ヤマレコ版の設定方法やレビューについては、ヤマレコ公式サイトや他の方の情報を参考にしてみて下さい。

YAMAPの事前準備

登山前に事前準備として

  • TicWatch Pro 5 Enduroの方でPlayストアからYAMAPをインストール
  • スマホのYAMAPを最新版にアップデート
  • スマホのYAMAPで地図をダウンロード

この3点をおこなう必要があります。登山前夜は荷造りで大忙し。しかし登山口は電波が不安な場合が多いので、余裕をもって準備すること。地図さえダウンロードできれば他は5分で完了しますよ!

※詳しくはYAMAP公式サイトをご参考ください
YAMAP 
httnfo.yamap.com/archives/5571

TicWatch Pro 5 Enduroといざ登山開始!

東京から2時間。8時ごろ登山口に到着しました。

これから登る両神山は、深田久弥によって日本百名山に選ばれており、麓の小鹿野町からは存在感のある稜線が見えます。かつては修験道で栄え、古くから登られてきた信仰の山です。

この日の予報は曇りのち雨で、降水確率は40パーセント。ジメジメするものの暑すぎず過ごしやすい天気です。

登山前、TicWatch Pro 5 EnduroでYAMAPアプリを起動すると「スマートフォンに接続してスマホのYAMAPで活動開始」するよう通知があります。

スマホのYAMAPで活動を開始すると、自動的にTicWatch Pro 5 Enduroでも画面が変わり、記録をとってくれます。画面上の〈地図を見る〉をタップすれば現在地やルートを確認できます。

地図は、北を上に固定するモード・進行方向を上に固定するモードをタップで変更できます。

スマホをいちいちポケットから出す手間が省けて、ほんとに便利。

山に入ってしばらく。蒸れたりかゆみを感じたり、不快な感じはしません。

活動中はスマートモードのため、時間を確認する程度であればFSTN液晶で十分。

今回の登山に選んだのは日向大谷ルートで、両神山のなかでもメジャーなルート。山頂の手前には両神神社があり、この道は神社への表参道でもあるようです。

また、清滝小屋という避難小屋までは沢沿いを進むため、渡河点がいくつかあります。

TicWatch Pro 5 Enduroなら、万が一泥に汚れても沢でジャバジャバ洗えるでしょう。

両神山では日向大谷ルートの他に、珍しくも個人宅が登山口という白井差ルートや、鎖場地獄(天国)として知られる八丁峠ルートも。秩父・小鹿野のあたりは岩山が多く、両神山から北にある諏訪山を経由すれば、山というより崖な二子山もあります。「秩父のジャンダルム」と呼ばれてクライマーに愛されているんだとか。

八丁峠ルートに及ばないものの、日向大谷ルートもところどころ岩がちで、途中に鎖場があります。実は道中、誤ってTicWatch Pro 5 Enduroを一度岩にぶつけてしまいましたが、無傷そのもの。過信は禁物ですが、手を使う鎖場や岩場でも安心感があります! 

あ、紹介が遅れましたが、写真に映るのは探検部の後輩で友人のヒラモト君。今回の登山では撮影を手伝ってもらいました。生き物を愛してやまないナイスガイです。

清滝小屋につきました。このとき雨が降っていたので、屋根のある東屋で昼食休憩をとります。カップ麺と珈琲に使うお湯を沸かすついでに、TicWatch Pro 5 Enduroを山道具と一緒に並べてみました。こうして眺めると、全体のスマートで柔和な雰囲気と、赤いアクセントが施された回転ボタン(リューズ)やベゼル側面の模様のタフな印象がうまくマッチしているように感じます。汚れが気になる場合は、既存色のオブシディアンブラックを選んでもいいでしょう。

雨宿りをして遅くなりましたが、小雨で登れそうだと判断し、無事登頂。

サファイアクリスタルのスクリーンのおかげで視認性もばっちり。手元でいつでもルート確認できたことで立ち休憩を減らし、体力の温存につながった印象です。

【TicWatch Pro 5 Enduroレビュー!】YAMAPもヤマレコも使える高性能GPSスマートウォッチ
【TicWatch Pro 5 Enduroレビュー!】YAMAPもヤマレコも使える高性能GPSスマートウォッチ
【TicWatch Pro 5 Enduroレビュー!】YAMAPもヤマレコも使える高性能GPSスマートウォッチ

さて、今回の登山の結果を見ていきましょう。歩数や心拍がしっかり記録されていますね。

他にも血中酸素濃度の変化もスマホで確認ができました。

ここでひとつ、皆さんに謝らなければならないことがあります。

出発前にTicWatch Pro 5 Enduroでワークアウトを開始するのを忘れてしまったことです。TicExerciseでは110種類ものアクティビティに即した計測や機能があるのですが、今回の登山ではYAMAPのみ起動した状態でした。おそらく本来であれば、YAMAPとTicExerciseは同時に使用できるはずです。以前、TicExerciseを起動せずにランニングをしても記録がとれていたので、油断してしまいました…すみません!

YAMAPでは、登山中のバイタルはスマートウォッチに表示されても、下山後の記録には残りません。健康管理される方・運動時の身体の状態を振り返りたいかたはTicExerciseの起動を忘れずに!!

前作TicWatch Pro 5とのスペック比較

今回使用したTicwatch Pro 5 Enduroと前作のPro 5の詳細スペックを比べてみましょう。

商品名/メーカーTicWatch Pro 5 Enduro / MobvoiTicWatch Pro 5  / Mobvoi
サイズ50.15 x 48.0 x 11.95(mm)50.1 x 48.0 x 12.2(mm)
カラーオブシディアンブラック・スレートグリーンオブシディアンブラック・サンドストーン
重量44.7g(バンドなし)44.3g(バンド込み?)
持続時間スマートモード:約90時間
エッセンシャルモード:約45日間
スマートモード:約80時間
急速充電30分で2日間使用可能30分で2日間使用可能
バッテリー容量628mAh(代表値)628mAh(代表値)
防水性能5ATM オープンウォータースイム
※水深50mに相当する水圧に対応できるレベル
5ATM オープンウォータースイム
※水深50mに相当する水圧に対応できるレベル
耐久性能MIL-STD-810H認証
※米軍装備の試験規格で、温度・高度・振動・衝撃・耐水など過酷な環境条件で使用するための試験認証
MIL-STD-810H認証
※米軍装備の試験規格で、温度・高度・振動・衝撃・耐水など過酷な環境条件で使用するための試験認証
NFC決済あり(Google Wallet、13.56MHz)※FeliCa非対応あり(Google Wallet、13.56MHz)※FeliCa非対応
OSWear OS by Google (Wear OS 3.5)Wear OS by Google (Wear OS 3.5)
CPUSnapdragon® W5+ Gen 1 wearable platformSnapdragon® W5+ Gen 1 wearable platform
メモリRAM: 2GB / ROM: 32GBRAM: 2GB / ROM: 32GB
ディスプレイ1.43インチAMOLED(有機EL)+FSTN液晶、466*466 326ppi1.43インチAMOLED(有機EL)+FSTN液晶、466*466 326ppi
通信接続Bluetooth 5.2、Wi-Fi: 2.4GHzBluetooth 5.2、Wi-Fi: 2.4GHz
GNSS(位置測位衛星)GPS + Beidou + Glonass + Galileo + QZSSGPS + Beidou + Glonass + Galileo + QZSS
音声スピーカー・マイク内蔵スピーカー・マイク内蔵
センサー類加速度計、ジャイロセンサー、HD PPG心拍センサー、SpO2センサー、皮膚温度センサー、低遅延オフボディセンサー、バロメーター、コンパス加速度計、ジャイロセンサー、HD PPG心拍センサー、SpO2センサー、皮膚温度センサー、低遅延オフボディセンサー、バロメーター、コンパス
互換性Android 8.0以降 
(GoエディションおよびGoogle Playストアを搭載していない機種を除く)※iOSは非対応
Android 8.0以降
(GoエディションおよびGoogle Playストアを搭載していない機種を除く)※iOSは非対応
アプリケーションMobvoi HealthMobvoi Health
バンドフルオロラバー(FKM/フッ素ゴム) 24mm 交換可能シリコンゴム 24mm 交換可能
ケース材質ステンレス鋼、7000系アルミニウム合金、強化ナイロン、グラスファイバーステンレス鋼、7000系アルミニウム合金、強化ナイロン、グラスファイバー
スクリーン材質サファイアクリスタルゴリラガラス

実際に使ってみてよかったこと・気になるポイント

よかったポイント

スマホを出さずにYAMAP・ヤマレコの地図が見られる!

今回はYAMAPでしたが、ルート確認のために、立ち止まったり歩きスマホしたりしなかったのは本当に便利でした!私の場合はこまめに立ち止まると疲れやすいタイプなので、ルート外れがないか、時間に余裕があるかを歩きながらサッと見られるのは、ほとんど革命に近いものです。リューズやサイドボタンで操作できるため、手袋をしていてもOK。雨の中でも誤反応や操作ミスが起きません。完全防水なので、雨天の稜線上など休憩しにくい場所でも少しの時間でルートやバイタル・時間をスムーズに確認できました。

自戒ですが、やはり山での歩きスマホは街のそれとは比べものにならないほど危険です。時間がなくて判断力が鈍ったときにそのリスクを減らせる面でも、スマートウォッチを持つ必要性を強く感じます。

圧倒的なロングバッテリー!

登山前に100%に充電し、今回の登山では8時間ほど活動していましたが、下山後にバッテリーは8割ほど残っていました。このペースなら、充電なしでも1泊2日程度の山行は問題なく、場合によっては2泊3日でも大丈夫でしょう。さらに充電器を持っていけば、1・2回、30分の充電で1週間以上は山ごもりできる計算です。

アウトドアに適した高い耐久性&防水性能

雨の降るなか鎖場を登ったり、岩場で手を使ったりして登りましたが、全く問題ありませんでした。実は、鎖場で誤って端末を岩にぶつけてしまい、慌てて確認しましたが無傷そのものでした。相当頑丈につくられており、アウトドアでの実用性は抜群といっていいでしょう。ただし過信は禁物です。実際、説明書には強い衝撃が加わったあとの防水性については保証しない旨が書かれていますので、洞窟探索やケイビングには向かないでしょう。それでも、街で使うには余りある耐久性があることに間違いありません。

通気性による快適な付け心地

素材が柔らかいこともありますが、バンドが手首に触れる面に波状の加工が施されており、蒸れをあまり感じず快適でした!他の製品では、かいた汗がバンドに溜まって痒くなることもありましたが、TicWatch Pro 5 Enduroではそれが起こらなかったので、これもこの端末をオススメできる点かと感じました。

気になるポイント

使用環境によるバッテリー持続時間の変化

どのデバイスにも共通する悩みですが、念のため冬場はバッテリーが夏より少し持たないと考えるべきでしょう。説明書には、5~35℃の範囲内で使用し、-20℃~45℃の範囲内で保管するように書かれており、ひとまず3シーズン登山は問題なさそうです。常に身に着けていれば5℃以下になることもないでしょうから、雪山登山またスキー・スノーボードでも問題なく使えるように思いました。ただ、寒ければ寒いほど電池の消耗速度が速くなるので、雪山環境ではあまり露出させないのが賢明かもしれません。

日本語が若干あやしい

気になるというより、私個人はむしろ面白がっているポイント。日本語がちょっと変です!とはいえ、他社に比べると文章の完成度は高く、ほとんど意味がわかる内容なので大した問題ではなさそうです。たとえばスマホ上の他のアプリとの連携を行う際に必要な<サードパーティー認可>が<第三者の拘束力>と表記されています。思わず笑っちゃいますね!

ソーラー充電ではない

多くを求めすぎているのかもしれませんが、ソーラー充電があるとさらに便利だと感じました。調べたところ、有機ELを採用したものでソーラー充電できるものはアウトドア向けにはあまりなく、TicWatch Pro 5 Enduroではソーラー充電がない代わりに高速充電・ロングバッテリーを極め、欠点をカバーしているのだと思います。ですので、あまり充電しなくても大丈夫な時計を探している方も、検討の余地がありますよ!

TicWatch Pro 5 EnduroのQ&A

TicWatch Pro 5 Enduroはどんなメーカーが作ってるの?生産国は?

中国の企業であるMobvoi社がつくっています。読み方はモブボイ。日本ではそこまで知名度は高くないものの、洗練されたデザインや性能の高さがユーザーに評価されています。高度な音声認識・処理をAIで行うテクノロジー企業であり、音声認識分野のリードカンパニーとして世界的に認知されています。また、Google社やフォルクスワーゲン(中国)社とパートナーシップ協定を結んでおり、比較的信頼できるメーカーと言えそうです。ちなみに、本社は北京にあり、シアトル・サンフランシスコ・台北に支社があります。

TicWatch Pro 5 EnduroでsuicaやPASMOは使える?

残念ながら、どちらも使えません。ソニー社の非接触ICカード技術方「FeliCa」に対応していない為です。同じ理由でnanacoやWAON、楽天Edyなども使えないようです。ここがTicWatch Pro 5 Enduroの最も改善すべき点だと思っています。Googleウォレットは使えますが、登録できるクレジットカードに縛りがあります。お使いのクレジットカードに対応しているか、購入前に以下のページをご確認ください。

Google Pay
https://pay.google.com/intl/ja_jp/about/card-lineup/

 TicWatch Pro 5TicWatch Pro 5 EnduroはiPhoneに対応しているの?

こちらも残念ながら対応していません。基本的にiOSデバイスとの接続はできず、Android 8.0以降 を搭載しスマートフォンに対応しています。(GoエディションおよびGoogle Playストアを搭載していない機種を除く)

まとめ

岩場の多い登山で使用してきた実感として、TicWatch Pro 5 Enduroは
「高性能・高耐久・ロングバッテリーという3つの強力な武器をもった、アウトドアなライフスタイルに彩りを添える一台」 と評価でき、自然のなかで活動するために必要な機能を高いレベルで揃えています。

また、日常的に健康に気を遣い、普段から身体を鍛えたりランニングしたりする方にもおすすめできます。

5万円という価格設定に、たしかに少し迷う気持ちもありますが、所有する身からすると、むしろコストパフォーマンスの高いモデルだと感じています。もしあなたがAndroidユーザーなら、山でも街でも寄り添ってくれる最高の相棒になるはずですよ~!

Writer
記事を書いてくれた人

林 正羽

プロフィール

【TicWatch Pro 5 Enduroレビュー!】YAMAPもヤマレコも使える高性能GPSスマートウォッチ
最新情報をチェックしよう!