2021年9月のオープンから早2年。池袋の第3の中華フードコートである「沸騰小吃城(フットウシャオチーチェン)」の人気はもはや定着し、平日は日本人客の比率が高いほど「ガチ中華」ファンの支持を得ています。
これまでテレビで何度も紹介されたこともあるでしょうが、客層も若者から旅行好きの中高年まで世代も幅広いです。人気の理由は、とにかく気軽に利用できること。お茶1杯注文するだけでも大丈夫ですし、食事もお酒も種類が多いので、さまざまな楽しみ方ができるからでしょう。
もうひとつの理由は、池袋駅西口(北)から徒歩5分ほどの場所にある沸騰小吃城の入店しているビルは、2階が中華火鍋屋、3階がこのフードコート、4階は中国カラオケ、そして地下1階には香港スイーツ店があるなど、まるごと中華テーマパークのような世界であること。
そして、この雑居ビルの中に忽然と広がる空間は、ちょっと昔の香港のフードコートに似ていて、とても自由な感じがするからだと思います。
この店のオーナーの夏川絢さんは福建省福清出身のせいか、中国南方のゆるい世界観が感じられるのです。香港や台湾を旅したときのようなのんびり気分にひたれます。
店内は広く、中国各地の地方料理のブースがたくさんあります。ここは「友誼食府」や「食府書苑」のように、都内に実在する店が出店しているのではなく、店内に福建や上海、東北、重慶、湖南、香港などの料理コーナーを設置し、各地方の料理人を集めて営業させたものです。
だから、中国の北から南まで、各地の味を一度に楽しめるのです。
この店での注文はスマホによるQRコード読み取りでメニューを見て選びます。メニューを開くと、地方ごとに料理の写真が並びます。支払いはpaypayでも現金でもかまいません。
さて、沸騰小吃城では常に新しいメニューが登場しています。昨年頃から特に中華スイーツ系のメニューが増えていましたが、今回はこの夏の最新メニュー26品を一挙紹介したいと思います。
まず香港の点心シリーズから。
具材の異なる蒸し焼売がいろいろあります。
チマキやチョウフンもあります。
これはちょっと珍しい揚げ春巻きです。
中華スイーツも続々登場。
これはフルーツや小豆、餅など全部入れかき氷。
人気の豆花です。福建と台湾は食文化が近いので、この店は台湾風です。
台湾スイーツの芋圆です。
中国には汁なし鍋(乾鍋/干鍋)という料理のジャンルがあり、肉や野菜などを麻辣風味で煮込んだものです。
中国ではこれ人気です。
これ最強です。
四川料理のメニューも増えています。暑い季節、口から火を吹く麻辣料理で汗をかき、スカッとしましょう。
これは肉や野菜などを麻辣風味にして和えたもの。「拌」は混ぜるの意味です。
これは四川料理の定番ですね。
台湾の豆花とは違い、ラー油を加えた麻辣味の豆腐料理です。
土鍋もいろいろあります。
これはハチノス入りの麻辣鍋。春雨入り。
牛肉と野菜、トマト入りでスープは酸味の利いたトマト味です。
おなじみの中華野菜炒めも登場。これあるとうれしいですね。
ほかにもこんなものが。
最近、「ガチ中華」界では羊肉料理が席巻していますが、これは羊のホルモン入りスープ麺です。モチモチの中国西北風小麦麺です。
これは黄燜鶏(ホワンメンジー)といって山東省済南が発祥とされるピリ辛の鶏肉のジャガイモ煮込み。高田馬場に「楊銘宇黄燜鶏」という中国のチェーン店があります。
そして、先ほど述べたようにこのフードコートのオーナーは福建の人ですから、福建料理の種類が多いです。
福建名物のピーナッツソースの混ぜそば(拌麺)や薄緑色のサツマイモ団子「番薯丸」などが有名です。
蒸しサツマイモ団子の「蒸番薯丸」は、厳密にいうと、オーナーの故郷の福建省福清の名物で、モチモチ感と歯応えがあり、中に豚肉や野菜が入っています。絶品です。
最近、沸騰小吃城では冷凍香港点心の販売を始めたそうです。
彼女はこのフードコートの看板娘、孫慧さんです。出身は黒龍江省ハルビンですが、子供の頃に日本に来たので、日本語は普通に話します。
実は、同じビルの2階にある中華火鍋屋(沸騰三国)や4階のカラオケ屋、ビルの裏にある福建料理店「福清菜館」も経営しています。そちらももしよかったら訪ねてみてください。
(東京ディープチャイナ研究会)
店舗情報
沸騰小吃城
豊島区西池袋1-43-7 福住ビ3F
03-4530-9131
沸騰三国(火鍋)
豊島区西池袋1-43-7 福住ビル2F
03-4530-9125
福清菜館
豊島区西池袋1-43-9
03-4530-9161