中国の食のトレンドを伝えてくれる2020年の中国外食チェーン、ブランドランキングの解説。最後のジャンルはファーストフード(快餐)です。

これがそのランキングですが、ファーストフィードとひとことで言っても、ずいぶんいろんな種類があるようです。そして、ここに挙げられている外食チェーンが提供する料理や小吃(シャオチ―)こそ、中国の人気メニューといえます。どんなものがあるのでしょうか。以下、ひとつずつ紹介していきましょう。

●包子(バオズ) 

これはいわゆる肉まんで、小麦粉の蒸しパンの中にいろんな具が入っています。具の入っていないものは饅頭(マントゥ)といいます。

●麻辣燙(マーラータン) 

火鍋の派生形で、ずいぶん前から中国で流行しているひとり用火鍋ともいうべき料理です。中華山椒の花椒(ホワジャオ)のシャープなしびれとトウガラシの辛さをベースに、数十種類の漢方スパイスを使い、酸味や甘みなども含め、複雑な味わいを楽しむことができます。

具材は牛豚羊などの肉類にエビやエビ団子、イカ団子などの海鮮、各種豆腐、キクラゲやエノキダケ、白菜、チンゲン菜など、50種類以上から選べます。また麺も春雨や中華麺、インスタント麺、店によってはトウモロコシ麺などがあります。

ランキングで1位の張亮麻辣燙、2位の楊國福麻辣燙はすでに東京に出店しています。

●串串香(ツァンツァンシャン)

こちらも火鍋の派生形で、竹串に刺した具材を煮立った麻辣鍋に入れ、ゴマタレなどをつけて食べます。火鍋に比べ、辛さが苦手な人でも食べやすいので、人気です。

ランキングで1位の小群肝串串香は、高田馬場に出店しています。また都内に数店舗ある周黒鴨大夫人という中華煮込み(鹵味)のチェーンでも食べられます。

●冒菜(マオツァイ)

これもひとりでも注文できる火鍋の派生形で、具材を麻辣鍋で煮込み、お椀に入れて食べます。火鍋より油を使う量が少ないので、中国では女性に人気です。

●鶏排(ジーパイ) 

台湾名物のフライドチキン。花椒やシナモンなど数種類の香辛料をミックスした五香粉で味つけした鶏胸肉にサツマイモ粉をつけて揚げたもの。夜市の人気フードです。

●煎餅(ジエンビン) 

中華風ジャンクなお好み焼きで、小麦粉のクレープ状の生地を焼いたもの。魚肉ソーセージや油揚げなど、具材はジャンクですが、甘辛ミソで味つけされていて、おいしいです。

●肉夾饃(ロウジャーモー) 

「饃(モー)」というのは小麦粉をこねて焼いたパンのような食品のこと。煮込んだ羊肉や豚肉の細切りを詰めたもので、シルクロードの東の起点ある西安が発祥の地とされます。日本では「西安風煮込み肉入りバーガー」と呼ばれています。

●肉蟹煲(ロウシエボー) 

カニやエビ入りの土鍋料理です。当研究会では、この料理はまだ都内では発見していませんが、きっとどこかのチャイニーズ中華の店で出しているに違いありません。もし見つけた方がいらしたら、ご一報ください。

以下、続きます。

●焼餅(シャオビン) 

北京などの華北地方で、小麦や大麦の粉を使ってつくられる、小ぶりの丸いパンの一種です。これらは池袋の中華フードコートや東北料理店のメニューに入っていることが多いです。

●粥

お粥といえば、広東料理の飲茶のイメージがありますが、都内の東北料理のうち大連出身のオーナーの店でも提供しています。

●餃子 

日本では餃子といえば焼き餃子が一般的ですが、中国では水餃子が主流です。ランキング1位の喜家徳虾仁水饺は大連発の餃子チェーンですが、日本にはまだ出店していません。

●餛飩(フントゥン)

細かく刻んだ豚肉や野菜などを混ぜたあんを小麦粉の皮で包み、いったん茹でてからスープに入れる小吃。地域によって具や形状が違い、上海風は大ぶりです。

ここでは、牛排(ニウパイ)=牛カツやピザ(中国語で「比萨」)の人気外食チェーンが選ばれています。中国には最初ピザハット(必勝客)のような外資系のピザチェーンがいくつか出店しましたが、いまでは中国ローカル系のチェーンのほうが人気なのですね。

残りの6ジャンルも面白いです。

●寿司

ランキング3位が元気寿司(深圳)です。中国にはすでにローカルチェーンがいくつもあるようです。

元気寿司、中国本土1号店オープン 深センに: 日本経済新聞 (nikkei.com)

●甜品(スイーツ)

香港系の満記甜品など、南方系の中華スイーツチェーンが人気のようです。日本ではここ数年、タピオカや芋圓のような台湾系スイーツが人気ですが、それを意識したのでしょうか。最近では中華スイーツ専門の店が現れています。

●椰子鶏(イエズージー)

海南島名物の「ココナッツ火鍋」です。ココナッツ2個分を使用するたっぷりのココナッツウォーターと鶏肉のダシでスープをつくります。写真は広東省にある椰子鶏の専門店で撮ったものですが、最近まで上野の「花季 椰子鶏」という店で食べられました(現在、閉店)。

●涼皮(リャンピー)

中国では夏に女性がよく食べているのを見ます。小麦や米粉の平たい麺に甘辛く酸っぱいソースがかかっていて、ひんやりツルンとした食感がおいしいです。キュウリやパクチーを和える西北地方が発祥の料理です。都内の小吃を提供する店やフードコートの定番メニューとなっています。

●黄燜鶏(ホワンメンジー)

山東省済南が発祥とされるピリ辛の鶏肉のジャガイモ煮込み。味の濃いスープは辛さを加えることもできます。å

ランキング1位の楊銘宇黄燜鶏(ヨウメイウホンメンジー)は高田馬場(新宿区高田馬場2-14-8 2F)にあります。同店では、日本に合わせてご飯とスープ付き定食として食べられます。

●麻辣香鍋(マーラーシャングオ)

中国には汁なし鍋(中国では「干鍋」という)というジャンルがあり、麻辣香鍋は2000年代中頃に北京の若者の間で流行し、全国に広まりました。具材は麻辣燙と同じですが、スープがないぶん、辛さやシビれに慣れていない日本人にはこっちが合うのではないかと思います。麻辣香鍋の楽しみは、具材選びにあります。通常は2~3人で注文し、ひとつの鍋をみんなでつつきながら食べます。

都内の四川料理店では、麻辣燙や冒菜などと同様、人気メニューのひとつとなっています。池袋には麻辣香鍋専門店「寛窄巷子」(豊島区西池袋1-38-7 池袋MSビル2F)もあります。

このように、いまの東京では人気の中華ファーストフードのほとんどが食べられます。ぜひ訪ねてみてください。

(東京ディープチャイナ研究会)

店舗情報

料理店舗名/住所
黄燜鶏楊銘宇黄燜鶏
新宿区高田馬場2-14-8
麻辣香鍋麻辣香鍋専門店「寛窄巷子」
豊島区西池袋1-38-7 池袋MSビル2F
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