【ニューオープン】高田馬場に本格香港火鍋「鴻運打邊爐(ラッキー)」登場!

東京の新たなディープチャイナの街として注目されている学生街・高田馬場。駅のロータリーに近いビルの2階に「鴻運打邊爐(ラッキー)」があります。「鴻運(ホウワン)」はラッキーという意味、打邊爐(ダービンロウ)は香港式火鍋の料理名です(香港式ということでとあえて漢字は広東語の読みにしています)。

鴻運打邊爐(ラッキー)

このお店が単なる火鍋屋さんではないことは、階段を上がって2階に行ったあたりでわかります。薄暗く狭い廊下にネオンサインの明かり、香港の道標、店中は香港の茶餐廳と呼ばれる気軽な喫茶食堂風。オーナーの本気度が伝わります。

現地から輸入したテーブルや装飾
現地から輸入したテーブルや装飾2

内装にもこだわって、テーブルや装飾なども現地から輸入したのだそうです。とくに香港feel(香港らしい感じを現地でこう言うと勉強したばかり)なのは、卡位(カーワイ)と呼ばれる対面ソファーのボックス席が並んでいること。6人で鍋が囲めます。奥には個室もあって、お誕生会などのパーティにもよさそうです。

ソファーのボックス席

オーナーの劉振軒さんは2008年に留学生として来日した湖南省出身の方。中華で最も辛いといわれる湖南料理「湘遇TOKYO」と「李厨」のオーナーでもある実業家です。

オーナーの劉振軒さん

どうして香港料理?

湖南人の劉さんがどうして全然辛くない香港料理のお店を作ったのか、その理由を聞きました。

劉さんが生まれ育った町は湖南省の南部にあり、すぐ南は広東省。そのため小さいときから家族で広州に行って広東料理を食べた思い出があるのだそうです。

湖南省には海はなく、家族で囲んだ海鮮をふんだんに使った広東料理は大切な思い出。こうして広東料理に触れるうちに香港の気軽な茶餐廳の味も大好きになったのだとか。中国に帰国するたびに大好きな香港料理を食べていたけれど、コロナのせいで簡単に帰れなくなり、東京で探したけれど本当にあの味が食べられるところは意外に少ない。「だったら自分でやることにした。自分でやるなら本物の味でやりたい」と、この「鴻運打邊爐(ラッキー)」を出店することに。

メニューもインテリアも妥協なしで作ったお店ですが、コロナによる自粛でオープンが遅れ、それでも駅に近いテナントの家賃を払い続けて、5月8日にようやくオープンしたのでした。それ以来、毎日予約で満席の状態が続き、すでに常連さんも増えています。

お店の名前にもある打邊爐(ダービンロウ)がここの代表的な料理ですが、じつはほかにも焼味というロースト類、煲仔飯(ボウジャイファン)という廣東・香港式土鍋ご飯、そしてソフトドリンクも香港式ミルクティ、レモンスライス多めの香港式レモンティ、コーヒーとミルクティをミックスした鴛鴦茶まであるこだわり様。劉さんの説明を聞きながら、実際に食べてみます。

新鮮な海鮮を鶏と魚の浮袋のスープでしゃぶしゃぶする打邊爐(ダービンロウ)とは

まずはもちろん、打邊爐(ダービンロウ)。お刺身でも食べられる新鮮な海鮮を鶏と魚の浮袋のスープでしゃぶしゃぶする独特の鍋料理です。

最初に運ばれてきたのは黄色い濃厚な鶏スープと魚の浮袋。魚の浮袋は香港の離島の特産品で、アワビ・フカヒレ・ナマコと並ぶ中華食材の四大高級乾物とされています。コラーゲンたっぷりの魚の浮袋をこれまたコラーゲンたっぷりの鶏スープに投入! 現地ではこのスープ1杯でフェイスパック10枚に匹敵する美容効果があるといわれているのだそうです。

打邊爐(ダービンロウ)

しゃぶしゃぶする海鮮はお刺身でも食べられる抜群の鮮度と聞きましたが、運ばれてきたお皿はまさに船盛のお刺身のよう。この日は高級魚のハタと蝦、アワビ、ミル貝、車エビです。魚と貝をまずはそのままお刺身として少し食べた後、湯がく程度のしゃぶしゃぶにしました。

しゃぶしゃぶする海鮮は船盛のお刺身のよう

こんな食べ方ができるのは、店内の厨房に海水魚用の水槽があって、生きたまま調理を待っているからなのだそうです。レストランの入り口に水槽があって、そこから食材を選んで調理してもらうのは香港をはじめとした中国の海の町でおなじみのスタイル。ここ「鴻運打邊爐(ラッキー)」では水槽は厨房の中にありますが、それでも高田馬場に海水魚の水槽をセットするのは管理もかなり大変なはず。劉さんは「それは大変よ。海水だから」と言いながらニコニコです。こんなに新鮮な海鮮を出せるなら苦労もいとわないということでしょう。

魚のつみれ、蝦のつみれ、牛肉丸など打邊爐(ダービンロウ)に欠かせない練り物もなんとキッチンで手作りした自家製です。「つみれは普通の火鍋にもある食材だけど、うちのは冷凍じゃなくて自家製。これもこだわり」だそうです。

薬味
メニュー

鍋以外のメニューも充実しています。なかでも人気があるのは鳩のロースト。お店で食べておいしくてすぐにお持ち帰り用を追加注文するお客さんも多いそうです。そして今の時期がおいしいシャコ。中国沿岸部では6月前後が旬で、この日もおすすめメニューになっていました。

鳩のロースト
今の時期がおいしいシャコ

飲み物のメニューも充実です。気軽な食事から奮発したお祝いのパーティまで、食事と一緒に楽しめるようにと幅広い品ぞろえになっています。ガチ中華には白酒ですが、これもカジュアルな江小白から最高級の貴州茅台酒まで、そしてソフトドリンクは火鍋で熱くなった気を冷ます涼茶の王老吉(ワンラオジー)、香港のミルクティやレモンティ、鴛鴦茶……。

飲み物で劉さんがとくにこだわっているのがワインの品ぞろえだそうで、全種類のボトルを出してくれました。左から1万円、16,000円、19000円、5万円、10万円のワインです。

豊富なワインの品ぞろえ

日本の方にも本物の味を食べに来てほしいとのこと。ランチメニューはありませんが、単品の煲仔飯(ボウジャイファン)を食べに早い時間にもまた行きたいです。

人気店なので予約をおすすめします。日本語で大丈夫です。

店舗情報

鴻運打邊爐餐廳の店内

鴻運打邊爐餐廳

新宿区高田馬場1-26-12
高田馬場ビル2F
03-6265-9969

Writer
記事を書いてくれた人

Amy 松田

プロフィール

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