「食べるぞ！世界の地元メシ～ガチ中華in大阪」今里「紫金城」で開催

東北拉皮（太い春雨の和え物） 

拉皮とはすごく太い春雨のこと。和え物によく使われますが、地方によってアレンジが変わり、新疆に行くと新疆拉皮、陝西省に行くと陝西拉皮と名前も変わります。本日の料理はその名も東北拉皮。ゴマダレで和えるのが東北風です。

芹菜水餃・蝦水餃（セロリとエビの水餃子） 

東北料理の最も代表的な食べ物は水ギョーザ。現地では豚肉だけでなく、牛、羊、卵、地方によっては魚を使った水ギョーザもあります。本日は紫金城一番の名物セロリギョーザと日本の方にも親しみやすい味で、エビ水ギョーザをご用意しました。

カニやホタテにフカヒレ入りも！鶯谷の美味なる海鮮蒸し餃子

中国の餃子どころ、大連（遼寧省）では海鮮蒸し餃子が有名です。餃子の具に魚やホタテ、フカヒレまで入っていて、油ギトギトの肉入り焼き餃子とはまったく別物の、ヘルシーかつ上品な味わいです。都内で海鮮蒸し餃子を食べられる鶯谷の餃子専門店「鴻福餃子酒場」を紹介します。

川白肉（白菜の漬物と豚バラ肉と春雨の煮物） 

川白肉とは、五花肉（3枚バラ）と白菜漬け、春雨を煮込んだ東北を代表する料理です。白いスープの中に春雨と肉が漂っている様からこの名が付きました（全中国的な呼名だと酸菜燉排骨の方が一般的かも知れません） 。

東北地方は極寒の地なので、他の地域の料理と比べ、煮込み料理がとても多いのが特徴です。またかつて東北では、冬に生鮮野菜を調達するのが難しかったため、秋になると家で白菜を漬けて、それを炒め物や煮物にして冬を凌ぎました。ノスタルジックですが、当時は命を繋ぐ貴重な食材でした。春雨も多用されますが、食材の乏しい東北では、料理のボリュームが増し満足感が高いところから人気です。川白肉は、今でこそご馳走料理ですが、元来は東北人の生命力がギュッと詰った伝統料理なのです。

木須柿子（トマトと玉子の炒め） 

店長のおまかせコースでも必ず入れさせていただく一品。私がこの店で一番好きな料理です。中国人の料理店に入ったとき、これを注文すれば、その店のオーナーやコックのセンス、技術がわかる（と個人的に思う）素朴だけど、奥深い家庭料理です。

干煽土豆片（じゃがいもの薄切り揚げ炒め） 

スパイシーな大人味のポテトチップスです。ビールがどんどん進む一品。これはもともと当店の定番料理ではなかったのですが、今日も参加してくださっている窪田さんが山東省で食べた思い出の料理を再現するために作った一品。今では人気メニューのひとつです。

糖醋里脊／タンスゥユッ（韓国式酢豚） 

これまで中国の中華料理を紹介してきましたが、こちらは韓国の中華料理。紫金城のもうひとつの名物です。 日本で一般的な酢豚は各種調味料を炒め合わせて作るのに対し、豚の天ぷらに甘酢ソースをかけて食べるのが韓国式です。

韓国式中華は19世紀末、仁川に山東出身の華僑がチャイナタウンを形成し、そこで生み出された料理です。亡き先代老板は、韓国華僑の家に生まれ御両親は中華料理店を営んでいました。その後更なるチャンスを求め先代が10代の頃、家族でアメリカに移住したそうです。ですので、先代は韓国式中華とアメリカンチャイニーズの二刀流でした。この料理も先代を懐かしむ料理でもあり、また最近の韓流ブームで今でも紫金城で一番注文の多い看板メニューでもあります。

【海外現地化系】新宿職安通りの黒くて甘いチャジャンミョンは韓国中華

中国生まれの料理がいったん海外に伝播し、その後各国で現地化したご当地中華「海外現地化系」。なかでも面白いのが韓国中華です。真っ黒で甘いミソがかかったチャジャンミョン（ジャジャン麺）は、しょっぱい肉ミソがかかった中国山東省の本家「炸醤麺」とはまったく別物です。東京と大阪で食べられる店を紹介します。

香辣肉絲（香菜と唐辛子と豚肉の細切り炒め） 

これは東北の代表料理でもありますが、今では中国全土で食べられる人気料理です。パクチーの味が前面に押し出されたこの料理は私がこの店の店長になった頃は、日本の方は食べない料理でした。ですが、昨今のパクチーブームで日本の若い方々にもとても人気のある料理になりました。

孜然羊肉（羊肉クミン炒め） 

北方料理の特徴はいくつか挙げられますが、そのひとつが羊肉を多用すること。「羊」が「大」きいと書いて「美」という字ができているのも、羊肉を重用していたことから来ています。またクミンを使うのも北方の特徴。さまざまな食材のクミン炒めや煮込みがあります。このふたつの要素を併せ持つ北方を満喫できる一品です。

西芹蝦仁（小エビとセロリの炒め） 

こちらは特別な特徴があるわけではないのですが、個性的な料理ばかりだと皆さんの口も疲れてしまうので、シンプルな料理も加えてバランスを良くしました。

地三鮮（三種の野菜のとろみ炒め） 

地三鮮は大地で採れた3種の野菜=ピーマン、ジャガ芋、茄子を軽く素揚げにして醤油ベースの味付けで炒め合わせる料理です。数ある東北菜の中でも最もこの地方を代表する料理です。またこの「地三鮮」という名前、中国料理の名前の付け方からすると「地三様」=3種野菜の炒めものでもいいですし、その方が一般的です。ですが三鮮=採れたてをそのまま料理にしています!!という大自然に育まれた東北人の郷土料理に対する愛情も感じる一品でもあります。

宮保鶏丁 （ピーナッツと鶏肉の炒め） 

宮保鶏丁は鶏肉とピーナッツ、彩り野菜を豆板醤風味で炒めた料理。料理名は清朝時代の高官、丁宝楨が好んで食べた事に由来し、彼が太子太保という役職にあり「丁宮保」と呼ばれていたことによります。この料理は四川料理に分類されますが、大変ポピュラーな料理で中国だけでなく世界中の中華圏で愛されています。

当店の宮保鶏丁も実は純四川風ではなく、今は亡き初代老板が修行を積んだアメリカン·チャイニーズ(サンフランシスコのチャイナタウン発祥のアメリカ独自の中華)のレシピです。ちょっぴり甘めでコクのある味で、古くからの常連さんには亡き老板との思い出の料理でもあります。

干煽四季豆　(インゲン辛口炒め) 

インゲン豆のことを中国では四季豆と呼びます。由来は年中収穫できるから。三度豆が年に3度もとれるからというのに似ています。唐辛子と生姜でカラッと炒めたこの料理が選定メンバーに大変好評で、急遽メニュー入りを果たした料理です。

揚州炒飯（中国式チャーハン） 

揚州と名前が付くと何か特別なもののイメージですが、日本の中華料理で供されるチャーハンを中国ではこう呼びます。このほかにも、レタスチャーハンや醤油味のチャーハン等、中国にはさまざまなチャーハンがあります。

抜絲苹菓（リンゴポテト）

リンゴの素揚げを飴に絡めたデザート的な料理。大学イモのリンゴバージョン。日本ではサツマイモしかありませんが、中国ではリンゴやバナナなども飴がけにして楽しみます。 大阪では大学イモを中華ポテトという名で販売している店があり、それを見た先代が「そうかこれは日本では『ポテト』というのか」と認識して、リンゴ作ったポテトなので、当店では「りんごポテト」という名で販売していました。昔からのお客様には変てこだけど面白いと今でも話題にのぼります。

青島ビール

「セカジモ」オフ会は今回で3回目ですが、第1回よりご協賛いただいているのが池光エンタープライズ様です。今回は、青島ビールをご提供いただいております。

商品名は山東省青島で造られていた事に由来します。19世紀末から20世紀初頭にかけて、青島はビール大国ドイツの租借地で、その影響を受けビールの製造が始まりました。その後、第一次世界大戦後のベルサイユ条約で日本が青島の権益を譲り受け、大日本麦酒(アサヒビールの前身)が青島工場で大規模生産を始めました。味わいはすっきりライト、どんな料理にも合う万能選手です。ぜひご賞味ください！

「中華料理といえば青島ビール」である理由を解説します

青島ビールは、1903年にドイツの醸造技術によって生まれた由緒あるビールです。海外輸出量は中国一で、よく知られたラガービール以外にも、限定醸造の「プレミアム」や黒ビールの「スタウト」、クラフトビールの「ウィート」などが日本でも楽しめます。青島ビールの魅力を解説します。

白酒

中国独自の酒といえば黄酒（紹興酒に代表される褐色の醸造酒）と白酒（茅台酒等の透明の蒸溜酒）が挙げられます。今回の宴会では、日和商事様からのご厚意で白酒をご提供いただいています。

茅台王子酒（左）

茅台酒は貴州茅台鎮で造られる酒。国酒と評され白酒の頂点に立つ酒です。スパイシーで味わいが特別深いことを指し、茅台酒を評するためにある様な香型です。1972年日中国交正常化の時、田中角栄総理と周恩来首相が酌み交わした酒として日本でも有名になりました。 味や香りが強い中国料理に白酒はよく会います。

汾酒（中）

山西省汾陽県で造られているのが名の由来。白酒は蒸溜を何度も繰り返しアルコール度を上げるのが一般的なのに対し汾酒は2回の蒸溜後カメでじっくり熟成させるのが特徴。フルーツの様な香りも高くクセも少なく初心者にも飲み易い銘柄。これまで品評会等で数々の賞を取り、中国8大銘酒のひとつに挙げられています。 

五粮醇（右）

四川省の銘酒「五粮液」と同じ原料と製造方法を用いた姉妹品です。アルコール度数は45度と控えめで、大変香りがよく、まろやかな味わいの甘口白酒です。