『君花海棠の紅にあらず』 は見どころ満載!
BS12で放送された華流ドラマ『君花海棠の紅にあらず』(原題「鬢辺不是海棠紅」)は日中戦争が激しくなる激動の時代の北平(今の北京)が舞台。
京劇の花形役者であり、劇団水雲楼の座長でもある商細蕊(尹正)(以下、商老板)と豪商・程鳳台(黄暁明)(以下、二爺)を中心に人々が激動の時代に飲み込まれていく、かなりシリアスなストーリーです。
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http://www.contents7.co.jp/work/drama/hanakaido.html
大ヒットメーカーのスタッフと実力派俳優陣が数々の賞に輝いた話題作。
動乱の時代を生きる豪商と女形俳優との男の絆を描いた作品は見どころが多く、DVDでじっくり見直したい(DVD-BOX全3巻発売中)。
主演の尹正が妖艶な女形を演じる凄みは、香港映画ファンには1993年の香港映画『さらば、わが愛/覇王別姫」のレスリーチャンを彷彿とさせることでも話題です。
見どころは壮絶なストーリー以外にもいろいろ。何しろ各方面でゴージャスなのです。
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妖艶な女形を演じる商細蕊の絢爛な京劇のシーンも大迫力
まずは美しいセット。京劇の絢爛な舞台や衣装や化粧、豪商・程鳳台のお屋敷の豪華なインテリア、お姉さまのモダンな衣装……。
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豪商・程家のお屋敷や家族のファッションも毎回のお楽しみ。複雑な立場にある奥様役の佘詩曼の演技も高く評価されました。
私個人としては水雲楼の団員たちの普段着が何ともよくて、私はこのドラマを参考に綿麻のチャイナカラーのチュニックを縫ってしまいました。いつも小来が着ていたような当時の普段着風のものです。商老板がお出かけのときに羽織るベルベットのコートも狙っています。
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メインキャストのイケメンぶりも豪華です。主演の尹正、そしてゴージャスと言えばこのお方、黄暁明に加えて脚本家の杜洛城(七少爺)を李澤鋒、女形の花形役者のライバル陳紉香を檀健次が演じています。
主役級の俳優が惜しみなく出演している点も贅沢です。
ドラマの中のあれが食べたい
食べ物も気になります。このドラマではメインのイケメンたちがやたらとよく食べます。
おかげで商老板を演じた尹正は撮影中に太ってしまい、撮影後に自作の野菜中心のお弁当で体重を戻したことも中国のブログで話題になりました。
ドラマの中でいちばんのごちそうは、パトロンの二爺が商老板をレストランに連れて行ったり、程家から差し入れされたりする高級料理。
次が脚本家の七少爺と延々話すときに大量につまんで机の上に殻の小山ができるヒマワリの種。
そして3つ目が勝負メシのすね肉で、これは商老板だけが食べる特別なものです。勝負メシといっても実際はご飯ではなく肉料理です。
商老板が舞台に立つ前に世話人の小来が「すね肉、すね肉!」とお皿に乗せて持って来て、もぐもぐ食べるあのお肉、どうして舞台に立つ前にすね肉を? 作ってみるとわかるような気がします。
さっそくお買い物
すね肉は、中華食材店の冷凍の棚にありました。豚さんの膝から下、足首より上、ふくらはぎの部分が骨付きでぴったりラップされてカチカチに凍っています。
今回はドラマに準じたいので、あくまでも骨付き、皮付きの豚すね肉を使います。お好きなサイズでいいのですが、圧力なべに入る長さのものを選んでください。
骨付き肉なので、長すぎるとどんなにぎゅうぎゅう押し込んでも蓋が閉まりません。私はお店の冷凍棚の前で、「あ、入らなかったらどうしよう……」と不安になりましたが、小さめの(短めの?)ものを選んでひとまず冷蔵庫で解凍。
1日以上かけてゆっくり解凍してください。ここから完成までに約1週間もかかるのです。お買い物はお早めに。
すね肉の下ごしらえして、5日間冷蔵庫でタレに漬け込みます
すね肉が入る大きさのジップロックに漬け込むタレを入れます。ドイツ料理のアイスバインのようなものですが、調味料とスパイスで中華風にします。
●下ごしらえ
解凍したすね肉の皮にフォークでまんべんなく穴をあけて味が染みやすくします。そこに塩大さじ1とおろしにんにく小さじ1を擦り込みます。
●つけダレの材料
水200cc、酒50㏄(料理酒でも紹興酒でも白酒でも可)、砂糖大さじ2、醤油大さじ3(できれば老抽大さじ1+生抽大さじ2)、十三香と黒コショウ少し。よく混ぜてすね肉といっしょにジップロックに入れます。
この状態でジップロックの空気を抜いて、冷蔵庫かチルドルームで5日間、時々ひっくり返しながら寝かせてしっかり味をしみこませます。5日漬け込んでも生の時点では色はほとんど変わりません。でも大丈夫。
いよいよ加熱、
つけダレごと煮るととろとろの食感になります。でも今回はドラマに合わせて、あのもぐもぐする食感を出すために圧力なべで蒸します。
ドラマでは商老板がすね肉の一口をずっともぐもぐ噛んでいる表情が印象的でした。きっと本物は寒い北平の冬に炭火の暖房の上で日がな蒸して作るのだと思います。
すね肉自体にコラーゲンを残すにはやっぱり蒸すのがいいようです。味が染みたすね肉を丸ごと圧力なべで30分蒸します。なべ底に水を入れて、すのこの上にすね肉を置いて、圧力なべのおもりが動き始めてから30分、おもりがゆらゆらする程度の火力をキープしてください。つけダレはあとでスープに使うので、捨てずにとっておいてくださいね。
完成!アスリートにもおすすめの勝負メシです。
圧力なべで30分蒸して、冷めるまで放置。触れるくらい冷めたら、冷蔵庫でさらに冷やします。温かいままだと崩れやすいので、しっかり冷たくしてから切り分けましょう。
まず、大きい肉を骨からはがして、好きな大きさに切り分けます。小来風にするなら2センチ角くらいのブロック状に、程家の差し入れ風ならスライスで。食感はしっかりプリプリで、脂っこさはありません。なるほど、女形の商老板がこれを勝負メシにするのは、美とパフォーマンスのためかも。
コラーゲンたっぷりでお肌はもちろん、重い衣装やかつらをつける体幹の維持にもよさそうです。低脂肪・高たんぱく・高コラーゲンでアスリートにおすすめのパワーフードです。
スープも作ります
すね肉を切り分けた後の骨とつけダレをもう一度圧力なべに入れて、ひたひた位の水を足して20分加熱、塩で味を調えるとヘルシーな豚骨スープになります。小分けにして冷凍しておくと便利ですね。
買い物から完成まで6日と時間はかかりますが、それは解凍と漬け込みの時間なので、作り方そのものはとても簡単!しかもおいしくてヘルシーなのでぜひやってみてくださいね。
今回すね肉を買ったのは興栄中華物産でした。