池袋のギラギラ系中華「灶門坎（ザオメンカン）」で味わう四川風串焼き

最近、巷をにぎわせているのが、俗にいう「ギラギラ系中華」です。

とにかく店の内装がド派手で、ネオンがギラギラしています。それも日本的なセンスとは少しかけ離れていて、異文化モード、ガチガチといった感じで、まさに海外にいるような気分が味わえます。いまの中国の外食トレンドが日本にそのまま持ち込まれたものだからです。

これまで当サイトでは「新興ビジュアル系」と名付けていくつかの店を紹介してきました。

【ニューオープン】大久保「撒椒」で中華レトロフューチャーの世界に浸る

2月28日（月）、JR大久保駅から徒歩1分の場所に、ニュータイプの重慶料理店「撒椒小酒館（サージャオシャオジウグアン）」が正式オープンしました。この店の特徴は中国の最新外食トレンドをそのまま持ち込んだ奇抜で斬新なデザインの内装と麻辣料理。ランチも充実しています。

【ニューオープン】池袋のレトロな「破店」で甘くて痺れる海鮮鍋を体験

いまやレトロブームはワールドワイドのトレンド。2月23日に池袋にニューオープンしたチャイナレトロな店「破店 Broken Shop Sweet and Spicy」は、そんな懐古趣味を前面に打ち出している。同店の看板メニューは甘くて痺れる「甜麻（ティエンマー）の海鮮鍋。一度試してみてはどう？

今回紹介するのは、昨年8月池袋にオープンした、四川風串焼きの店「灶門坎（ザオメンカン）」です。

灶門坎は四川省発祥の外食チェーンで、池袋店は初の海外進出店、現在は新大久保に2号店があります。

料理の特徴は「卤味烧烤（ルーウェイシャオカオ）」。「卤味」というのは、中国風煮物のことで、醤油や酒をベースに八角、シナモンなどの漢方を加えた煮汁が特徴。「烧烤」はバーベキューのことですから、卤味で味つけされた肉や海鮮、野菜を串焼きにするというものです。

さっそく、店に入りましょう。入口右手にある大きな写真の男性、うつろなまなざしで腕を組んで立っている人物は誰でしょう？

彼は華流スターのスン・イージョウ（孫芸洲）さんです。実はこの飲食チェーンは彼が「代言人」、すなわちイメージキャラクターを務めているんです。中国では芸能人が飲食チェーンのイメキャラをやるというのはよくあることです。たとえば、高田馬場の火鍋屋「賢合庄」もそう。

火鍋デビューしたい人におすすめ！ 高田馬場の「賢合庄」

今年2月にオープンした火鍋店「賢合庄（けんごうしょう）」はJR高田馬場駅から徒歩30秒ほどの好ロケーション。流行のCポップがかかる明るい店内は、中華の店というよりファミレスのよう。学生レポーターの林くんが火鍋の注文方法やおすすめ具材、デザートの選び方など、わかりやすく教えてくれます。

華流ドラマ通の友人に聞いたところ、スン・イージョウさんは中国の芸能界ではメジャー級の人というより、名脇役的な位置付けだそう。簡単にプロフィールを紹介しておきましょう。

さて、これが店内のギラギラな世界です。入口から眺めてみましょう。奥にMTVの大きなスクリーンが見えます。

これは反対から撮ったもの。

これは同店イメキャラのスン・イージョウさんのイラストバージョン。ギラギラというか、こういう天真爛漫な楽しさもいまどきの中国風ではあります。右手に彼のサインが見えます。

この店の料理の注文は、最近の「ガチ中華」では一般的になっているQRコートでメニューを読み込むスタイルです。

メニューは日本語なので、比較的わかりやすいです。左に並ぶ「特价推荐（スペシャルメニュー）」「原创招牌菜（同店オリジナル創作料理）」「成都特色把把烧（成都風串焼き）」「海鮮」「素菜（野菜）」「小吃,下酒菜（軽食、つまみ系）」などのジャンルに分かれています。

この日は、おすすめメニューだった「四川風カリフラワー炒め」にしてみました。思ったほど痺れません。ほどよい辛さが食欲をそそります。

いまや東京のギラギラ系中華の定番メニューともいえる「烤魚」もあります。

店内では中国出身の若者たちがビールを飲みながら、串焼きを楽しんでいました。

ちょっと面白いと思ったのは、MTVの大きなスクリーンでは、2000年代前半頃のアンディ・ラウ（劉 徳華)やジャッキー・チュン（張學友）といった香港の大御所アーティストたちが歌い踊る映像が流れていたことです。

実はこの店のオーナーの花沢裕司さんは中国遼寧省大連出身の実業家。いまの30代から40代の中国の人たちにとって、いまでもこの頃の香港スターの歌声は懐かしいのだそうです。多くの大陸の人たちにとって、香港スターが生み出す歌詞や曲調は斬新に響き、ある意味衝撃的だったのだとか。

花沢さんは2010年代は不動産業をやっていましたが、2019年頃から、灶門坎だけでなく、四川省発の飲食チェーンを次々に日本に出店させています。

本格四川風火鍋として知られる「譚鴨血老火鍋」もそうです。現在、東京近郊としては新宿、池袋2店、上野、大宮、柏、横浜関内（譚鴨血老火鍋＆灶門坎）に展開中です。

新宿が中国四川の成都？「麻辣（マーラー）」火鍋の激戦区に

四川火鍋は、牛脂や豆板醤、乾燥トウガラシ、中華山椒の花椒を使用した辛さ抜群のお鍋です。成都や重慶に行くと、夏でも汗をかきながら食べています。麻辣ブームにチャレンジできるよう、今回は火鍋の食べ方を「譚鴨血火鍋」さんの協力のもと、徹底解説いたします。

今日の中国の外食シーンの熱気が感じられるとともに、日本人も大好きな香港スターのMTVを眺めながら食べる四川風串焼きとビール、なかなか楽しいですよ。

（東京ディープチャイナ研究会）

店舗情報

灶門坎 池袋店

豊島区西池袋1-28-1
第二西池ビル 5F
03-5955-1666

WordPress Map Plugin

灶門坎 新大久保店

新宿区百人町1-15-21
レアル新宿 2F
050-5571-4903

WordPress Map Plugin