4月15日発行の「日本外食新聞」https://gaishoku.co.jp/ で、当研究会代表の中村正人が取材を受け、「ガチ中華」誕生の背景や研究会設立の経緯、10ジャンルについて話しました。同紙は外食業界における中小のベンチャー企業の動向を追う専門紙です。
記事のタイトルは―
「日本人には馴染みが薄いのにハマる人続出!?
東京都内で人気上昇中の……
「ガチ中華」とは一体何ぞや?」
というものでした。
同紙サイトの「4月15日号の主な内容」の書き出しはこうです。
「昔ながらの町中華から予約必須の高級店までさまざまな中華業態がある中で、近年、都内を中心に「ガチ中華」というジャンルが広まりつつある。この「ガチ中華」とは一体どういうものなのか。東京ディープチャイナ研究会の代表を務める中村正人さんに、ガチ中華の定義とともに、最新のガチ中華トレンドについて聞いた」
記事の内容は、まず研究会を立ち上げた経緯について紹介しています。記事は転載できないので、TDCサイトの記事から以下、抜粋します。
「ひとことでいうと、研究会を立ち上げた中村と碓井正人さんが「地球の歩き方」の中国担当の編集者だったからで、ふたりは若い頃から中国各地を訪ね、さまざまな地方料理を口にしてきました。東京で中国と同じ味に出合えることを知り、現地に行けないことも相まって、さまざまな味を求めて都内を探索することになったというわけです」(TDCサイトから)。
次に「ガチ中華」がどのように広まったかについて。
「ふたつの側面があります。
まず日本に暮らし、働く中国やアジアの人たちが増えたこと。これまでのように、日本人の口に合わせることなく、彼らを顧客とした経営が成り立つようになったのです。ですから、「ガチ中華」の店のおもな客層は、中国やアジアの人たちです。
でも、最近は少し様相が変わってきました。日本の人たちも「ガチ中華」の店で見かけるようになってきたからです。
背景には、最近の日本の激辛(麻辣)ブームに象徴されるような、日本人の嗜好の変化があると思われます。「ガチ中華」を代表するのは四川料理で、刺激の強いクセになる味つけは、これまでの日本の中華にはなかったものでした。
2000年代以降、中国に進出する企業の増加とともに、駐在や留学を通じて現地の味を知る日本人が増えました。彼らも東京で味わえる「ガチ中華」に懐かしさを感じています。いまはSNSの時代なので、彼らがコアとなって「ガチ中華」発掘情報を発信し、それを見た若い世代が未知なる味に興味を寄せているのです」(東京ディープチャイナ「ガチ中華」よくある質問より)。
最後に、22年春現在の「ガチ中華」の全体像と広がりをまとめた10ジャンルについて。
- 新興ビジュアル系
- 中国の人気外食チェーン
- ジャンク小吃&麻辣進化系
- フードコート&ライト小吃系
- 中華風BBQ&カラオケバー系
- ローカル家庭料理系
- 台湾おしゃれ食堂系
- 老舗台湾&ディープ屋台料理系
- 南洋中華系
- 海外現地化系
詳しくはリンク記事をご覧ください。
そして、同記事では以下の6店の「ガチ中華」を紹介していました。
おなじみ神田の「味坊」
3月31日オープンの香港人気No.1ヌードルチェーン「譚仔三哥米線」
池袋の第一の中華フードコート「友誼食府」
白山のおしゃれな台湾料理店「鶯嵝荘Also」
大久保の新興ビジュアル系四川料理店「撒椒小酒館」
渋谷の老舗台湾料理「麗郷」
この記事の面白いところは、最後に「町中華も根強い人気!」という囲み記事があったことです。今回記事を書いてくれた同紙の宮木さんによると「町中華も日本の中華料理文化を語る上では外せないので、囲み記事ではありますが紹介させていたきました」とのこと。
それはわれわれも同感です。
実をいうと、昨冬から中村と碓井正人さんが一緒に執筆していた「地球の歩き方 世界の中華料理図鑑」(学研)という書籍のamazonでの先行予約が始まりました。
この本は、中国各地の地方料理とともに、当研究会が発掘している「ガチ中華」や、世界各地のご当地中華も紹介しています。その数349品。そこには「日本の中華」という章があり、もともと中国由来であったものが、独自の現地化を遂げて生まれ変わった「町中華」も紹介しています。
「ガチ中華」とは、ひとことでいえば現代中華料理のことですが、一般の写真ライブラリーにはこの種の写真がほぼないので、その大半が中村や碓井正人さん、浜井幸子さん、佐藤憲一さんなど、「歩き方中国制作チーム」が総力を挙げて撮り集めた写真でつくっています。
研究会のみなさんにも大いに協力いただきました。「ガチ中華」探しにも参考になる本だと思います。同書の内容についての詳細は、また別の機会に紹介させていただくつもりです。
まずは、以下よりご予約いただけるとさいわいです。
世界の中華料理図鑑
(東京ディープチャイナ研究会)