今回は高田馬場にある「火炭鶏煲」という店で「いちじく鶏鍋」を食べに来ました。いちじく鶏鍋と聞いて「行ってみたい!」と好奇心旺盛な仲間たち5人が一緒です。


果物を鍋に入れるなんて興味津々なんですが、調べると潮州(ちょうしゅう)料理で、広東省東側で食べられている鍋料理だそうです。


潮州料理は、東側の潮州市や汕头(しゃんとう)市等がある潮汕地域で発展した料理。そこ以外でも東に隣接する福建省や移民の関係で香港やシンガポール等でも食べられています。辛くない味付けで、海に面していることから海鮮料理も多いです。
店内では鶏柄食器でお出迎え。

注文はQRコードからです。
鍋のスープは2種類ありあますが、ここは迷わず「いちじくスープ」を注文。たったの858円(税込み)です!飲み物や具材等も注文。


注文後はお決まりのたれ準備。ここでは自家製たれと黒酢の他、8種の調味料とシンプルなので、火鍋初心者にも選びやすいです。
壁にお勧めの調合も書いてあったので、まずはこの3種を作ります。

たれづくりに夢中になっていると、鍋スープがきました!
炭火の上に、鮮やかないちじくの輪切りの浮かんだスープ!!
輪切りだけではなく、2.3個ほど小さないちじくや、コーンの輪切りも入っています。

とりあえずこのままスープを飲んでみました。
鶏の出汁と少し塩味のある、これだけでもよく出汁が出てあっさりしたおいしいスープです。
Jさんは、飲む前はいちじくの甘さがもっと表に出るこってりしたスープを想像していたそうです。
Hさんはもっと濃い味を想像していたそうですが、一方でピリッとした味も感じました。よく見たら生姜のスライスも入っていました。
具が来る前に前菜や揚げ物をいただきました。
潮州風味卤味味盛り合わせ

「卤味」は煮込みです。広東料理の煮込みよりもクセのない甘さでした。コラーゲンの部分がとても柔らかかったです。
クリスピーナス

フリッター形式で揚がった茄子です。茄子のフリッターは初めて食べましたが外はサクサクで中が少しとろける感じも良いです。
ガーリック風味のスペアリブ

骨付き豚肉です。ガーリックのしっかりした味が染み込んでいました。かかっているのはカリッとした海苔です。海苔が料理に出てくる店は、やはり海が近い地域の店だったりします。
いよいよ具材も来ました!
ワゴンで何かアフタヌーンティーのように運ばれてきました!



さささーっと入れて大きな網を少しスープに浸けて揺らすこと15秒。あっという間に食べ頃に。茹で上がると、鶏肉が細くスライスされていたと分かります。これはしゃぶしゃぶと一緒で茹でてすぐに食べるとのことです。

6人で分けると1人ほんの一口です。自家製たれメインのたれにつけていただきます。
すごくやわらかくて、普段塊で食べている時とは違うみずみずしいぷりぷりした食感もあり、一瞬で食べられてしまいます。自家製たれは少し甘い醤油のような味わいです。Aさんは「鶏肉とレモンって合う!」と
鶏肉の気になる産地・・・店内入口にその紹介を見つけました。千葉県が主生産の水郷赤鶏というブランドで、平飼いでストレスフリー、捌く際も食感を優先にしているというのでぷりぷりな肉質になるんでしょうね!
他の具も入れていきたいと思います。
きのこ盛り合わせ

1皿でこんなにたくさんありました!入れておいてスープに味が染みるのを待ちます。
潮汕牛筋団子

これはとても弾力のある肉団子でした。
他の肉と違って慌てて食べる必要がない安心感がある、とHさん。
刻みセロリと葱と一緒に食べてみたところ、さっぱりしていて相性が良いです。

緑に見えるのは山クラゲ。これはずっと入れておいてもコリコリの食感が残ります。Aさんは今日入れた具ではこれが気に入ったそうです。
エビすり身団子
この団子を取り出すと、つぶつぶもついてきました。いちじくが溶けてきてその粒(花)の部分が具についていたのです。ここでスープも飲んでみたAさん。
「甘くなってる!」いちじくが溶けて脇役のコーンも味を出してきてスープの味に加わってきたようです。溶ける途中のいちじくも食べてみたら、なにか綿のような食感でした。
白菜、冬瓜や干し豆腐も加え、牛肉も入れてみました。牛は2種類あって、赤身の方です。
牛肉

これもさっとスープにくぐらせて食べます。鶏肉よりはしまりがある食感でした。
淡泊なので、ニンニクと唐辛子のたれにも合いました。
あわび

みんなで一口ずつ食べられるように工夫してあるのもいいですね。
ここでJさんがつくっていた、生姜多め+セロリ+レモン汁多めのたれがおいしそうだったのでまねっこ(下図右)。Jさんはこの組合せがスープのコクと爽やかな甘みに合うと感じ、つけだれというよりはトッピング感覚で、ほとんどこれにつけて食べていたそう。私もこの爽やかさが気に入りました。他に唐辛子刻みと葱(同中央)、ニンニク葱(同左)も等色々試しました。

ニンニクや唐辛子は刺激が強いものではありますが、こってり感はないので続けて食べやすいのと、この鍋だとどの調味料でも外れはないと感じました。 Aさんは自家製たれ+ニンニク+刻み唐辛子の組み合わせが良かったそうで、こんな風に自分好みのたれをつくるのも楽しい時間です。
揚げ湯葉

私が好きで麻辣燙によく入れます。このあえて小さな器に入れたパンクなビジュアルが面白く、カリカリしてそうな見た目からもそのままスナックとして食べてしまいそうです(笑)
でも鍋に入れるとこんなにおとなしくなりました。

歯でもかみ切りやすいです。
さつまいも春雨と山芋
そろそろ終盤なので、麺類と、まだ食べていなかった芋系を入れました。
山芋は中華料理ではスープや火鍋にもよく入れます。ちょっとほくほくした食感がまた良いのです。春雨は幅広なので少し時間がかかります。ある時は弾力があり、ぐっとがまんして少し長い時間待ってから食べると大分柔らかくなり、食べる時によって食感に変化があるのも楽しいですね。
そして鶏・牛・豚全種類入れましたが、改めて鶏肉のおいしさと、この鍋には鶏肉が一番合うと気づいた私達は、最後に鶏肉を再注文して食べました。結構お腹いっぱいなのに「鶏肉が小さく切ってあるのでたくさん食べられてしまう」と言うAさんに同感。
最後のスープはいちじくも溶け切って、キノコのや野菜の旨味も入り交じるコクのある味に大変身。Hさんと私は「もっと濃くなる」と思っていました。他の鍋は「濃くなる」「しょっぱくなる」ことが多いですが、そうではないですねと話すとみんな同意見。
おじや
スープを頼んだ際に、無料でご飯を付けるか選べます。
店員さんを呼ぶと、さっきのお兄さんが手際よく作ってくださいました。

このスープでつくったおじやはとてもコク深く滋味深い味になりました。私達が選んだ具を入れた、ある意味育てた結果、こんなにおいしいスープになったことが何か他の鍋を食べている時より感動を覚えます。Jさんは「変化」というより「進化」という表現で伝えてくれましたが、確かにその通りです。
ちなみにこのおじやにも味変ができて、葱を足すと急に日本で食べるおじやを思い起こさせ(それほどに葱をのせる前は日本の鍋で食べた時のおじやの味と違う)、自家製たれをほんの少し入れるとTKG(たまごかけごはん)の味がしました。
Jさんはおじやにも自分で思い付いた組合せの、生姜ニンニク、セロリとレモンをまぜたたれを入れて楽しんだそうです。
お腹いっぱいでも後を引く重さがなく、これで帰ろうとみんなでレジに行った時に、とても大きな梅酒をつける瓶が目を惹きました。

中にクコやなにか根っこのようなものが見えます。思わず店員さんに「何ですか?」と聞くと「酒」と教えてくれて、しかも太っ腹にみんなに試飲させてくださいました。

すかさずQRコードを読み取り、どのメニューか教えてもらいました。「薬酒」という酒だそうで、薬膳に白酒、しかも65度の!を入れて漬けてあるそうです。

試飲した瞬間「カーッ」と来る感じ、これをHさんは「火が吹けそう…!」と表現。最後は薬膳の味。「色々なものが入っていつつも、味には一体感があった」とJさん。 Aさんは「鍋と一緒にちびちび飲むのに美味しそう」、 Kさんは「香りが白酒よりマイルドで、舌にノッた時の飲みやすさがもう一杯飲みたくなる」、というお酒に強い人たちならではの意見も。
最後の最後まで楽しめて、「この世にこんなにおいしいものがあったなんて…!」と思わせる料理でした。寒い冬にも良いですが、食欲の落ちがちな夏にももってこいの料理だと感じました。いちじく鶏鍋は多分日本でもここだけではないのでしょうか。この味の進化はぜひ行って確認してみるのが一番だと思います。日本のもっと色々な地域で食べられるといいですね…!
(aokinapple)
店舗情報
火炭鶏煲

新宿区高田馬場1-26-12 高田馬場ビル 2F
Writer
記事を書いてくれた人










