カップ麺販売1600万個から生まれた「iSDG麻辣燙」大塚店でヒットの理由に納得した話

カップ麺販売1600万個から生まれた「iSDG麻辣燙」大塚店でヒットの理由に納得した話

こんにちは! 最近はラーメンより麻辣燙を食べる回数の方が増えたaokinappleです。

今回はなんと、あの大ヒットカップ麺の実店舗とその運営会社の医食同源(iSDG)ドットコム(以下 iSDG)さんに取材をすることが叶いました!

iSDGの麻辣燙カップ麺といえばもうおなじみのこちら。

iSDGの麻辣燙カップ麺
iSDG HPより

2024年9月発売から累計1600万食も売り上げた(2026.4現在)そうです!

「中華房」シリーズとして麻辣燙以外にも多彩な商品があります。

iSDGのカップ麺シリーズ
このほかに、ゴマ系のまぜ麺「麺ピー」や、具無しでシンプルな麺だが花椒が鼻に抜けるスープがおいしい「スー麺 花椒旨塩味」等がある

真っ赤な箱に筆で勢いよく「麻・辣・燙」と書かれたインパクトあるパッケージ。私も発売当初で販売店がまだ少ない頃に探して買いました。

日本で食べる辛めのカップ麺と同じような構えで食べてみたら、結構辛いの、それも痺れ辛かったのを覚えています。既に中国のSNS小红书で絶賛されていたのも知っていたので、このリアルな辛さなら中国人にも気に入ること請け合いと思っていました。

今回の取材に先立ち、実店舗のスープの味と比べるため、また食べることにしました。前回野菜を少し足したのがおいしかったので、今回は更に色々な野菜とちょい足し調味料、〆のご飯を持参してガチ勢(本当に好きな人)な準備をしました。

iSDGの麻辣燙カップ麺
左の丸い容器の中は黒酢

初めて食べる時よりは辛さに慣れましたが、鮮烈な痺れのある味です。あとやっぱりこのモチモチの麺がおいしい。

iSDGの麻辣燙カップ麺
後半でごまだれを足してまろやかにし、最後黒酢で〆ました

お店で食べる準備は万端です。

取材に向かったのは池袋の隣駅の大塚駅近くの「iSDG麻辣燙」大塚店

「iSDG麻辣燙」大塚店入り口
大塚店入口
「iSDG麻辣燙」大塚店看板
看板の中にカップ麺が入っており、カップ麺からできた店を象徴している

今年(2026年)2月に開業した吉祥寺店に続き、5月にオープンした2店舗目です。お話を伺ったのは、iSDG広報課の大山美香さん。

大塚店と6月にオープンした3店舗目の下北沢店との共通点コンセプトは、パンダのいる「竹エリア」「シールエリア」「LEDエリア」の3つの空間があること。

ガチ中華→中国→やはりパンダ!という発想と、他店との差別化も狙い、パンダのいる内装にしたそうです。この内装デザインにはカップ麺のパッケージ制作に関わった方もいます。

「iSDG麻辣燙」大塚店内装

カップ麺にはパンダがプリントされており「シールエリア」ではこのパンダのシールがもらえます。

iSDGカップ麺パッケージにいるパンダ達
カップ麺パッケージにいるパンダ達
iSDG麻辣燙シールエリア
シールエリアの壁
iSDG麻辣燙シールエリア
今一番旬のぷっくりつや感があるボンボンドロップシール
iSDG麻辣燙大塚店のLEDエリア
大塚店のLEDエリア。一部のガチ中華店にある、いわゆる「ギラギラ系」と言われるLEDを使った派手な内装を連想させる

吉祥寺店には特大カップ麻辣燙像もあり、他の麻辣燙店とは違いエンタテイメント的な要素があり何か斬新です。

iSDG麻辣燙吉祥寺店入り口
吉祥寺店入口(iSDG提供)

では具を選んでいきます♪

1g=4円の量り売りですが、900円以上で麺が無料です。他店で麺が無料になるのは1000円以上の店が多いのでお得です。具材は多く75種類以上はありました。

iSDG麻辣燙具材が並んだ冷蔵ケース
冷蔵ケースが2台あり具材が充実
iSDG麻辣燙色分けされて並んだ具材
食品の種類で色を分けているのも見やすい

そうそう、iSDGは、元はサプリ事業で有名で、私達の健康を常に考えてくれる企業だけあり、具材一つ一つにどんな栄養が取れるかも書いてあるんです!

iSDG麻辣燙具材が並んだ冷蔵ケース
栄養素が書いてあって興味深い

また、海鮮具材が多いのも特徴。

iSDG麻辣燙海鮮具材
海鮮の具。あさり、イカ、クラゲ等

他には湯葉の太さと長さが目を惹きました。

iSDG麻辣燙湯葉

今回の取材には中村さんも同行していて、それぞれこんな風に取りました。私は欲張って点心系もガッツリ入れちゃいました。

続いて、レジで辛さと麺の種類を伝えます。

3辛がカップ麺と同じ辛さとのことで、私は3辛、中村さんは2辛に。

他に有料トッピングがあったので、私達は入れたことのなかった牡蠣を追加し、麺は共にやっぱりさつまいも麺をチョイス。

iSDG麻辣燙スープの種類
iSDG麻辣燙有料メニュー

待っている間に味変の調味料を取っておきます。足さなくてももちろんおいしいですが、味変が楽しいのも麻辣燙の魅力。一種類ずつ足すのもよいですが、掲示のように混ぜて味変するのも現地流。ここの調味料皿は仕切りがあって一皿に2種類入れられてとても便利です。

iSDG麻辣燙調味料コーナー

 

iSDG麻辣燙調味料コーナー手前左から唐辛子、小葱、ごまだれ
手前左から唐辛子、小葱、ごまだれ
iSDG麻辣燙調味料コーナー奥はオイスターソース、韮ソース、ニンニク等
奥はオイスターソース、韮ソース、ニンニク等
iSDG麻辣燙調味料コーナー
中には中国から出店した麻辣燙店ではみかけないこんな調味料も

今回は特製辣油とカブの葉、ニンニク、ケチャップを取りました。

特製辣油とカブの葉、ニンニク、ケチャップ

いよいよ麻辣燙が到着です!

iSDG麻辣燙3辛
私(3辛)
iSDG麻辣燙2辛
中村さん(2辛)

スープの味を飲んでみます。ん、思ったより辛くない。野菜の旨味がよく出ていて、カップ麺よりまろやかです。

そして2人して感じたのは、追加トッピングした牡蠣がとてもいい仕事をしていて、牡蠣の出汁がほんとにおいしい!

そしてカップ麺と同じあのさつまいも麵が存分に食べられます。

今回は特別に野菜を入れて調理する前のスープも試飲させていただきました。

iSDG麻辣燙のスープ

ボウルにもスパイスがついていて、色々な材料を使っているんだろうなと思わせる見た目です。味はやはりカップ麺ほど痺れはなく、少しマイルドでコクがあります。

これを飲むと野菜や海鮮を入れた時には、スープに具の旨味がこんなに出るのかと感じます。カップ麺スープとの大きな違いは牛骨を使用し「カップ麺では出せない味を出したかった」と大山さん。

そろそろ味変をしたいと思います。

私が最初に取った中で一番良かったのは「カブの葉」です。他の具材は火を通してしっとりしているなか、これを入れて一緒に食べるとシャキシャキの食感も楽しめます。

それと驚いたのはケチャップ。一気にトマト味のスープになりました!

味変調味料もスタッフでアイディアを出しあって決めたそうで、カブの葉は最近調理担当から出たアイディアだそう。具材ケースには「ブロッコリーの茎」もあり、フードロスを減らすSDGs要素もあるように感じました。

そして、斬新なあれがどうしても気になったので、レジのトッピングにあった「納豆」を追加注文。小さい容器に入った納豆が来ました。最初に頼んでも自分の好きなタイミングで入れられます。ど真ん中に入れる勇気がなかったので、写真白丸のようにボウルの中の手前に少しだけ入れました。

iSDG麻辣燙トッピングの納豆

この後、スープに混ぜるとねばねばは見えなくなり、飲んでみたら意外や意外、スープにとろみがついて、納豆臭さはなく、まろやかな感じですごくおいしいです!!

これ思い付いた人すごい。いつも〆のまろやかさには黒酢を入れますが、この店では納豆で〆るのもありなので、ぜひ試してみてほしいです。

最後、実は具材選びの段階で饅頭(まんとう:具無しの中華まん)を取っていたので、これを調味料台の練乳と一緒にデザートとしていただきます。

量り売りでデザートも取っておくのが面白い発想。もちろんスープに入れてもいいそうです。辛いものの後の甘いものは最高のペアリングです。

饅頭(まんとう:具無しの中華まん)

さて、iSDGさんの一番の斬新さは「カップ麺から実店舗開業」という従来とは逆のメディア展開をしていることです。

カップ麺の開発秘話と実店舗ができるまでを大山さんと、また開発に関わった女性社員の張 依潔(チョウ イケツ) さんから詳しくお話を伺いました。

そもそもiSDGは主力のサプリ事業の他、衛生雑貨(マスク、アルコール消毒液等)も手掛け、コロナ禍でその売上と知名度が躍進。社長の「健康に寄与する食品を作りたい」という夢から、しいたけスナック等の開発販売を経て、2022年に麻辣燙の開発を始めました。

店舗テーブルに置いてある糸ようじも実はiSDGの商品
店舗テーブルに置いてある糸ようじも実はiSDGの商品

そこに同年後半、入社したばかりの張さんが開発チームに参画。「弊社は中国でも有名な企業で、品質管理と日本語が活かせる仕事がしたい」とのことで入社を希望したそうです。

張さんは2018年の日本で大学院生当時、次のように思っていました。

「故郷の河南省にある麻辣燙がなぜ日本にはないのか」

中国で大学時代に麻辣燙が大好きになり、屋台でテイクアウトしたり、スーパーで麻辣燙の素を買ってはよく自分で作っていたそうです。

チームでは原材料を中国から取り寄せ、日本人社員にも意見を聞きながら何回も試作試食。

一番大変だったのは「どのように本場の味を再現するか」。

妥協はしたくないが、日中で使用可能な食品が法律上違うため、本場の味を別の種類で組み合わせることにも知恵を絞ったそう。当初は「スープを薄くした方がいいのでは」という意見も日本人社員からありましたが、「薄くすると本場の味がなくなる」と説得、痺れと辛さを中国と同じレベルにし、日本人の舌に合わせた調味料の調整をしてスープが完成。

社長が麺好きのこともあり、様々な種類・太さを試し、茹で上がるまでの時間も考慮し、とってもモチモチな麺が誕生。また、具で絶対入れたかったのは「湯葉」。麻辣燙には湯葉は必須と張さん。

その湯葉がこちら。

湯葉は日本だと高級和食店か京都に行った時に食べるようなイメージですが、中国では麻辣燙や火鍋で使う身近な食材。このこだわりが実店舗でのあの湯葉の太さと長さに出ている気がします。

こうして製品が完成。それまえかかった歳月は約2年といいます。

発売時期が、ちょうど世間での麻辣燙ブームの黎明期とも重なり、とあるスーパーでの試験販売では、一か月に数百個という驚異的な売上を記録。それから導入店舗が続々増えていったのだそうです。

カップ麺がなぜあんなに売れたのか、その理由について、大山さんは第一に

  • 色々なお店で導入して下さったことから10代20代のSNS利用者層がSNS上で商品投稿したこととバズり(爆発的な注目)があった

他には、

  • 麻辣燙ブームとタイミングが合った(これは全くもって狙ったわけではないそう…!)
  • 日本の流行状況だと男性が一人で麻辣燙店に入りにくい部分を(カップ麺で)カバーできるのでは
  • 並ばなくても麻辣燙が食べられる

からではと分析。

会社として製品の実店舗を出したい夢があった社長は、去年2025年の春に出店を決意。物件探しを始めたものの、同社は飲食店事業を手掛けるのは初めてのことだったので、飲食店経験者を新たに採用し、協力して開店準備を開始しました。

最終的に出店に際してもSNS利用者層を狙い、3店舗(大塚、下北沢、吉祥寺)とも、学生が多く集まる街を選択。開店後の反応もとてもよく、毎日盛況です。

張さんは「自分たちが開発した麻辣燙が実店舗になるとは思ってもいませんでした」と話していました。

私たちが訪ねた大塚店には、中国人以外のアジア人や会社帰りの日本人のサラリーマングループが来店していました。大山さんによると、吉祥寺店には場所柄欧米人のお客さんも来るという予想外の集客もあり嬉しい悲鳴も。

iSDGは、今後もカップ麺の中華房シリーズを強化してブランド力を上げていき、店舗でも新しい試みを始める等のブラッシュアップをしていくそうです。

カップ麺開発に麻辣燙を現地で食べていた張さんが加わり、妥協しない味づくりを目指していたのがとても大きく、こんなにもたくさんの人を魅了させているのだと思います。

カップ麺はもともと日本人がターゲットだったそうですが、SNSの拡散により、現地の味を欲している在日中国人にも人気の火がついていきました。

私もそれを見て購入したわけですが、「消費者がブランド力を押し上げる前提でのマーケティング」で作られる商品の割合が「企業がリードしてブランド力を上げる」よりも最近はより一層強まっているように感じます。

そしていくつかのタイミングの良さと、その波に乗った会社の思い切りのいい決断と行動力にも驚かされました! 実店舗運営が初めてでも、今までの事業の功績を活かしてしっかり他店との差別化もあり、エンターテインメント性、味変調味料のローカライズ化も兼ね備えた、楽しく過ごせるお店が誕生したんですね。

今後のiSDGの展開と、日本での麻辣燙の動きについても要注目です。

(aokinapple)

店舗情報

iSDG麻辣燙大塚店

iSDG麻辣燙大塚店

豊島区北大塚2-3-12
03-5927-1996

iSDG麻辣燙下北沢店

iSDG麻辣燙下北沢店

世田谷区北沢2-34-3
03-6416-861

iSDG麻辣燙吉祥寺店

iSDG麻辣燙吉祥寺店

東京都武蔵野市吉祥寺本町2-26
0422-27-5204

Writer
記事を書いてくれた人

ライターaokinappleさん
aokinapple

プロフィール

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