TBS「Nスタ」ガチ中華特集、池袋の四川料理番外ベストセレクション

1月28日(金)、TBSの夕方の情報番組「Nスタ」https://www.tbs.co.jp/n-st で、昨年12月の日テレ「スッキリ」に続き、「ガチ中華」特集がありました。

「東京・池袋の界隈でいま、中華料理に“異変”が起きています。キーワードは『ガチ中華』。その魅力に迫りました」という内容です。

東京ディープチャイナ研究会代表の中村正人が今回もVTR出演しました。

出演の経緯はかなり急なことで、前日に番組ディレクターから連絡があり、最初はZoomインタビューという話でしたが、その後、翌日の午前中に池袋を案内してほしいという話になり、撮影がすむと、同日夕方には放送されたという次第です。ちょっと驚きました。

以下のYoutube動画で配信されています。

超本格“ガチ中華”が今熱い!【Nスタ】2022年1月28日

この番組では、池袋のふたつの「ガチ中華」スポットを訪ねています。ひとつは、中華フードコート「沸騰小吃城」でした。ここについては、すでに本サイトでも紹介しています。

そこで、もうひとつの本格四川料理店「蜀一蜀二(しょくいちしょくに)」について、詳しく紹介しましょう。

本格四川料理店 蜀一蜀二

これは2020年9月のオープン当時に店内を撮影したものですが、とてもシックなデザインの内装で、四川料理の本場、成都の旧市街を再現した「錦里古街」の石造りの町並みをイメージしたものだそうです。

番組ではふたつの料理を紹介しました。

まず「重烤魚(チョンチンカオユィ)」。いったん油をかけて揚げた魚を麻辣スープでレンコンなどの野菜と一緒に煮込んだものです。

重庆烤魚

「烤魚(カオユィ)」は日本語でいえば「焼き魚」の意味ですが、調理法がまったく違って、手が込んでいます。本場四川では川魚を使いますが、日本にはないので、スズキを使っていると店の人が話していましたね。

そして、もうひとつは「酸菜魚(スアンツァイユィ)」。本サイトでも以前紹介しましたが、重慶発祥の酸っぱく辛い発酵魚鍋です。酸味が加わることで、四川特有のシビれが抑えられるので食べやすいことから、5~6年前から中国全土で人気でした。

このふたつの料理を選んだのは理由がありました。いま東京のガチ中華の世界で流行していて、食べられる店が増えているからです。

蜀一蜀二は本格的な四川料理店なので、ほかにもたくさんの魅力的なメニューがあります。そこで、同店の「本格四川料理ベストセレクション」を紹介していきましょう。

まず冷菜の「夫妻肺片(フーチーフェイピエン)」

夫妻肺片

牛タンやハチノス、心臓、レバーなどのホルモン系を煮込み、いったん鍋から取り出した後、花椒(ホワジャオ)や八角、桂皮、ラー油、トウガラシなどを混ぜた麻辣タレにつけて合えた冷菜です。名前の由来は、1930年代に成都出身の郭さんと張さんというご夫婦が捨てられた部位を使ってこの料理を創案したことから来ました。酒のつまみとしても絶品です。

もうひとつの冷菜は「素拌腐竹(スーバンフーズー)」。ゆばをセロリやキュウリなどの野菜と合えたものですが、花椒で味つけされているので、口の中にシャープで心地よいシビれが残ることでしょう。

素拌腐竹

器の表面にぎっしり浮かんでいるのは花椒です。尋常な量ではありません。この料理は「麻麻鱼片(マーマーユィピェン)(花椒鱼片とも)」といい、食べやすい大きさにスライスした白身魚を、大量の花椒を入れた油のスープで煮たものです。究極のシビれ料理といえます。

麻麻鱼片(花椒鱼片)

似た料理で、真っ赤なトウガラシで埋め尽くされた「水煮魚(シュイジューユィ)」は日本でもそこそこ食べられる店がありますが、このような花椒で埋め尽くされた魚料理はまだ珍しいと思います。

四川の定番、石鍋の麻婆豆腐「石锅麻婆豆腐(シーグオマーポードウフ)」「重庆火锅(チョンチンフオグォ)」もあります。わざわざ「重慶」と付けているくらいですから、この店の火鍋は麻辣度が高そうです(もちろん、店の人にいえば、辛さは調整してくれるのでご安心を)。

そして、最近ガチ中華の店でよく食べられるザリガニ料理「麻辣小龙虾(マーラーシャオロンシア)」もあります。店によって辛さが違いますが、ここは当然麻辣味です。

麻辣小龙虾

「双椒炒香(シュアンジャオチャオシャンチャン)」は腸詰と青トウガラシの炒めもので、ガツンと来るピリ辛度が刺激的です。

双椒炒香肠

さて、四川料理は辛いものばかりと思われがちですが、必ずしもそうではありません。蜀一蜀二には、「辛くない四川料理」もあります。

まず「椒盐酥皮虾(ジャオイエンスーピーシア)」。大ぶりのエビに衣をつけて油で揚げて取り出し、花椒や刻みトウガラシ、ニンニクなどと一緒に炒めたもの。揚げものなので、それほど辛さは感じません。サクッとした食感とシャープな味わいがビールによく合います。

椒盐酥皮虾

エビの代わりにナスを揚げた「椒塩茄子(ジャオイエンジチエズ)」や白身魚の「椒塩魚柳(ジャオイエンユィリウ)」も衣の中の身がとろけるような絶妙な味です。

「四川咸烧白(スーチャアンシェンシャオバイ)」もそれほど辛くありません。皮付き豚バラ肉をスライスして醤油で蒸したものです。

四川咸烧白

「翘脚牛肉(チャオジャオニウロウ)」は、牛肉やその内臓などのさまざまな部位を四川料理としては、驚くほどほのぼのあっさりしたスープで煮て食べる料理です。

実はこの料理、昨年夏頃から上海で流行中です。そんな中国の新しい食のトレンドが今年、早くも東京に現れているのです。

この料理は辛くないので、四川の人は麻辣ダレをつけて食べるかもしれませんが、つけなくてもかまいませんし、麻辣料理の合間にこのスープがあると、日本人はホッとすることでしょう。

翘脚牛肉

最後は四川を代表するデザート糖糍ホンタンツーバー)」です。

红糖糍粑

ぶつ切りした餅を鍋で表裏ともに黄金色になるまで焼き、甘くて香りのいい黒糖とキナコをかけたもの。アツアツの衣を噛むと、中のとろける餅がこぼれ出し、口の中に甘みが広がります。麻辣料理を食べた後にはぜひ頼みたい一品です。

どうでしょう。こんなにいろんな料理があるんです。

よくガチ中華の店に行くと、メニューがあっても料理がわからないので、注文に困るという話を聞きます。ぜひこの記事で予習してから店を訪ねていただければと思います。

ちなみに蜀一蜀二には、紙のメニューはありません。基本、スマホでテーブルに貼られたQRコードをスキャンして、出てきたメニューから注文するスタイルです。

それからもうひとつ、うれしい情報があります。この店ではランチメニューが充実していることです。先ほど紹介した水煮魚や酸菜魚もランチで手軽に食べられるのです。

この店に限らず、最近のガチ中華の店では、珍しいランチメニューを出す店が増えているので、要注目です。

(東京ディープチャイナ研究会)

店舗情報

蜀一蜀二

豊島区西池袋1-38-3
b-toss池袋 8F
03-6914-1633

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